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進次郎氏も“不要論”急に唱え 官邸が農林中金60兆円を狙う
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2016年1月23日 日刊ゲンダイ
何やらヒソヒソ(C)日刊ゲンダイ
〈安倍首相と急接近〉と読売新聞(21日付)に報じられた小泉進次郎・自民党農林部会長。読売は農水改革を進めるうえで、「安倍・小泉」ラインの思惑が一致と書いたが、となると進次郎議員が今月13日、「農林中金はいらない」と急に不要論を唱え始めたのも何やら怪しい。GPIFの買い入れ余地も限界に近づき、官製相場の“実弾”が尽きつつある中、官邸が「農家の貯金」に触手を伸ばしているためだ。
21日も日経平均株価は昨年来安値を更新し、1万6000円割れ寸前まで落ち込んだ。
「テクニカル指標では明らかに売られ過ぎのサインが出ている。なのに反発しないのは、市場心理を好転させる材料が一つも見当たらないからです。私は近いうちに1万4500円まで下がると分析しています」(エモリキャピタルマネジメント代表の江守哲氏)
このまま3月期末に突入すれば企業決算はメタメタ。さらに売りが売りを呼ぶ展開となる。そこで官邸が目をつけたのが「農家の貯金」だ。世界屈指の機関投資家といわれる農林中央金庫に株を買い支えさせるつもりらしい。
「農林中金は60兆円を超える運用資産がありますが、運用比率は債券が67%で国内株式は3%に過ぎない。これをGPIFと同レベルの25%まで引き上げさせれば、約13兆円が株式市場に流れ込みます」(金融関係者)
特殊法人だった農林中金は20年前に民営化されたが、現理事長の前までトップはすべて農水次官の天下り。銀行免許を持つ金融機関なのに、所管は金融庁ではなく農水省だ。今、その農水省が官邸の“農政叩き”に怯えている。
「官邸にとってTPPに反対姿勢を貫くJAグループは目の上のタンコブといえます。だから昨年、JA全中の権限縮小などを盛り込んだ改正農協法を成立させました。JAグループが弱体化すれば、その延長線上に農水省の弱体化があるのは間違いない。次第に官庁としての存在意義が失われていくでしょう。かつての運輸省や労働省のように解体再編論が浮上するかもしれません。農水省は何としても“お家取りつぶし”を免れたい。官邸の意向をくんだ農水省が、“積極的な株式投資”を農林中金に促す可能性はあります」(政治評論家・伊藤達美氏)
つまり、進次郎議員の「いらない」発言は農林中金に投資を促すプレッシャーの一環とみられている。
年金の次は、汗水流して働いた農家のお金が“バクチ”につぎ込まれることになりそうだが、そんなことが許されるのか。
「株価の底割れが止まらないのは、GPIFによって歪められた官製相場を外国人投資家が完全に見限ったからです。相場全体が奈落の底に向かっているところに農家マネーを投入したところで焼け石に水だし、余計に投資家の不信感を募らせるだけ。まったくのムダです」(株式評論家・倉多慎之助氏)
万策尽きた「安倍ギャンブル相場」。JAグループは一丸となり、参院選で安倍政権に鉄槌を下した方がいい。
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