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安倍政権の超緊縮財政政策が株価暴落一因−(植草一秀氏)
http://www.asyura2.com/16/senkyo199/msg/886.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 1 月 20 日 23:00:06: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

安倍政権の超緊縮財政政策が株価暴落一因−(植草一秀氏)
http://www.twitlonger.com/show/n_1so76kf
20th Jan 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks


2016年が始まり20日が経過した。

日経平均株価は暴落を続けている。

日経平均株価は昨年12月1日に2万円の大台を回復した。

チャイナショックから一時的には立ち直りを示した。

ところが、これを転換点に再び下落に転換。

1月20日には16416円にまで下落した。

12月1日の終値20012円から3596円、18.0%の急落である。

株価下落の基本背景は中国株式市場の調整であり、

これ以外に、中東におけるサウジアラビアとイランの関係悪化などの地政学リスクの高まりも生じた。

しかし、原因はそれだけではない。

安倍政権の経済政策が日本経済の先行きに対する見通しを大幅に悪化させていることを見落とせない。

このまま、安倍政権が政策路線を修正さずに進むなら、日本経済は再転落。

株価は泥沼に舞い戻ることになるだろう。

株価の下落は政権支持率を直撃する。

安倍政権に対する批判は急拡大して、夏の参院選で安倍政権与党は大敗することになるだろう。

政治刷新を求める人々にとって、安倍政権与党勢力が衰退することは望ましいことであるが、

経済政策の失敗で国民生活が奈落に突き落とされることは望ましいことではない。

バブルの崩壊が始まって、丸26年の時間が流れた。

「失われた10年」は「失われた20年」になり、

「失われた20年」はいま、「失われた30年」になろうとしている。

日本経済が長期低迷を持続してきた最大の理由は、

経済政策の失敗

にある。

一言で言えば、

経済が浮上しかける局面で必ず実施されてきた

「政策逆噴射」

が日本経済の浮上を破壊し、経済長期低迷をもたらしてきたのである。

この「政策逆噴射」を主導してきたのは財務省である。

財務省の病理=宿痾(しゅくあ)

は、

近視眼的な財政再建原理主義

にある。

経済が浮上し始めると、決まって超緊縮のブレーキを踏み込む。

その結果、回復初期の日本経済が再転落する。

経済の再転落は税収の自然減をもたらし、景気低迷と財政赤字存続という、最悪の状況が存続してしまう。

財務省の病理が日本経済の長期低迷の元凶であることを、日本の主権者ははっきりと確認しておく必要がある。

問題は日本経済の先行きである。

2012年11月から2015年6月までの、日本株価上昇の時期においても、日本経済は浮上していない。

上昇したのは株価だけだった。

経済が浮上していないのに、株価が上昇したのは、生産の果実の分配に大きな偏りがあるためだ。

大企業の利益だけが拡大し、大多数の労働者の賃金が減少したのである。

それでも、株価が上昇していたから、ごまかしが利いた。

安倍政権と癒着する大企業が民間メディアの情報を誘導して、

アベノミクスが成功しているかのような情報操作を展開したからだ。

しかし、頼みの綱の株価が下落に転じると、救いようがなくなる。

日本経済が丸ごと転落することになる。

日本経済が悪化の方向に転じている最大の理由は、

安倍政権の経済政策が超緊縮の方向に確実に進み始めたからだ。

この事実は「知られざる真実」である。

安倍政権も気付いていないだろう。

財務省も気付いていない。

精密に財政計数を精査しなければ分からない「真実」なのである。

この「政策逆噴射」が日本経済を転落させる。

危機を回避するには、安倍政権が政策転換する必要がある。

しかし、安倍政権は、現実を精査していない。

自分が何をしているのか知らないのだ。

知らないまま、無邪気に消費税再増税に突き進むなら、日本経済は間違いなくとどめを刺されることになる。

そのリスクが確実に高まりつつある。

私は、日本の国家財政の推移を分析してきている。

財政政策は大きな振幅で「拡張」と「収縮」を繰り返してきた。

財務省の最大の失策は、日本経済が不況を脱出して、緩やかな浮上を始めると、

必ず逆噴射のレバーを引くことだ。

この政策逆噴射で、日本経済は何度も撃墜されてきた。

経済が緩やかに浮上し始めるときに、何よりも大事なことは、その自律拡大の芽を摘まないことである。

「中立の政策運営スタンス」

を辛抱強く維持することだ。

自律的な成長軌道に移行してしまえば、巡航速度での航行が可能になる。

ところが、財務省は、日本経済を離陸すると、必ずすぐに、逆噴射のレバーを引くのだ。

そうすると、離陸して巡航体制に向かう日本経済が墜落してしまうのだ。

1995年以降の20年間の財政政策スタンスの変化を精査すると、

積極政策で浮上した日本経済が、

逆噴射政策で撃墜されてきた

ことが、はっきりと分かる。

この20年間に株価が大きく浮上したのは、今回が4回目である。

96年、2000年、2007年、2015年

の4回だ。

しかし、過去3回は、いずれも浮上が転落に転じた。

96年は橋本政権下での消費税増税決定が引き金になった。

2000年は、小渕政権の政策総動員で日本経済が浮上し始めたが、

森・小泉政権が財務省の超緊縮政策路線に乗った。

これで日本経済が墜落した。

2007年から2008年にかけて、サブプライム金融危機が発生して、日本経済もこれに巻き込まれた。

これは日本発の墜落ではなく、海外初の要因による転落だった。

2015年に日経平均株価が2万円の大台を回復できたのは、

安倍政権が消費税再増税を延期し、

原油価格が暴落した

からである。

危ういところで増税延期を決め、そこに原油価格下落という、海外からの実質減税措置が贈られた。

しかし、2016年はこの恩恵が続かない。

最大の警戒要因は、財政が超緊縮に転じることだ。

この事実を認識している者はほとんど存在しないと思われる。

詳細は

『金利・為替・株価特報』2016年1月28日号

http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html

に記述した。

財政収支を分析すると、2016年度の超緊縮財政政策運営が見えてくる。

そして、問題はそれだけにとどまらない。

2017年4月に消費税率10%が予定されているからだ。

日本経済の基調は弱い。

株価は上昇したが、経済は浮上していないと記述した。

2014年度の実質経済成長率はマイナス1%。

直近2四半期の実質経済成長率は

2015年4−6月期が マイナス0.5%

2015年7−9月期が プラス1.0%

である。

日本経済は地を這うような動きを続けている。

経済が安定成長軌道に移行する政策運営が実行されていないのだ。

安倍政権は大企業の利益を拡大させることしか目指していない。

労働市場の制度変更も、TPPも、税制改定も、

すべては、大企業の利益拡大だけを目標にしたものである。

資本の利益だけを追求する。

その一方で、

民の困窮には目を配らない。

と言うよりも、

民を困窮させることによって資本を潤わせる

ことを推進している。

だから、労働者の所得が増えない。

だから、個人消費が増えない。

だから、経済が地を這い続けるのだ。

財務省は自分たちの利益しか考えない。

民の暮らしを支える社会保障を何も考えずに切り裂く一方で、

官僚と政治屋の利権になる裁量支出=利権支出だけを拡張させる。

財政全体が超緊縮に振れて、経済全体を破壊することを考慮もせず、

近視眼的な財政再建原理主義でひた走る。

こうした経済政策によって、

「資本栄えて民亡ぶ」

状況が強まっているが、

「民が亡んで」

「資本が栄え続ける」

ことはない。

これが亡国の道なのである。


 

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コメント
 
1. 2016年1月20日 23:10:53 : VjCcoA9Fig : dq90MB9Tqss[8]
植草先生のメッセージは、
まさに真実の叙事詩だ。
おっしゃるとおりだ。

2. 2016年1月20日 23:33:01 : zJSzeBwEG6 : RKTZ65m8kig[9]
まさにその通りですーーー!!! アントワネット総理と悪徳財務省と越後屋大手メディアに潰されゆく事を再認識せねば。




3. 2016年1月21日 00:38:37 : w9iKuDotme : S@BYVdB2dgc[299]
お隣、中国では…

ジニ係数が7年連続低下 所得分配の格差縮小
http://j.people.com.cn/n3/2016/0120/c94476-9006830.html

だそうです。うらやましいですなぁ…
アベ政治と正反対です。

植草氏、がんばってください。応援しております。


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