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「「アメリカの公的年金200兆円は、全部、元本保証。株は1円もない」長妻氏インタビュー:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/19298.html
2016/1/19 晴耕雨読
https://twitter.com/iwakamiyasumi
これより、2015年12月9日に行なわれた、岩上安身による民主党の長妻昭代表代行インタビューの模様を報告ツイートします。
岩上安身(以下、岩上)「年金資金が株式市場に投資され失敗し、何兆円もなくなりました。それを真っ先に、政府に質問主意書で問い質したのが、ミスター年金こと長妻昭氏です。その点をじっくりおうかがいします」
岩上「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、2015年7〜9月期の運用損益を7兆8899億円と発表。リーマンショック時の5.7兆円の損失額(年間9.3兆円)を上回る。今回は、中国の景気後退が要因だと言っていますが」
長妻昭氏(以下、長妻氏)「今回の損失が、リーマンショックの時を超えた事は衝撃的です。安倍内閣は、国民の積立金130兆円の半分を、株で運用すると決めました」
長妻氏「私が厚労相の時は、安全性を鑑みて4分の1までと決めていた。警告した通りになりました」
岩上「GPIFは『長期的に見れば安定した収益を確保している』、菅官房長官は『長期的にはリスクは逆に少なくなっている』と言います」
岩上「鈴木亘学習院大学教授は『資産運用で株式の比率を上げたことで、明らかにリスクが高まった』(毎日新聞11月13日付)と。そして、別々だった公務員共済とGPIFの一元化が、2015年10月から進んでいるとも聞きました」
長妻氏「赤字部分は積立金から支払う。ゆえに振れ幅の影響はある。また、安倍総理は『四半期で何兆円も年金積立金が儲かった』と言うが、一時的に儲かったというのはいかがなものか。損した時には『長期的に見れば』と言うのです」
長妻氏「政府は、年金運用のリスクの考え方を変えたんです。以前は、ボラティリティ(振れ幅)がリスクの基準でした。それを昨年から、目標の利回りに到達できるか否かを、リスクの対象にした。また、政府は高い利回りを目標に設定しました」
長妻氏「元本保証の投資では儲けは低いため、目標を達成しづらい(=リスクが高い)、利回りのいい投資先だったら『リスクは減る』という考え方です。この変更を政府はまったく公表せず、報道もされませんでした。非常に問題です」
岩上「2001年以来、安定収益があったのは債券中心の運用だから。安倍政権は2014年10月31日、資産運用比率を国内債券60%から35%に、日本株、外国株12%を双方25%(計50%)に拡大。今回の損益は、この転換によるリスク増大を証明した」
長妻氏「基礎年金の半分を株式投資で運用する国はない。アメリカの公的年金200兆円は、全部、元本保証。株は1円もない」
岩上「メディアも国会もあまり問題にしない。また、運用比率を下げたので、市場に国内債券33兆円が売却された」
岩上「しかし相場は暴落しない。日銀が同日、追加金融緩和を実施、年間70兆円の国債購入を決定したからで、通常の国債購入35兆円とGPIFの放出分35兆円を買い入れた。それで株高、円安を維持して、12月の解散総選挙に突入しました」
長妻氏「これでは日本の株式市場は八百長と見られかねない。安倍首相は50%株式投資について、年金受給者の視点ではなく成長戦略の一環として議論した。株価維持のための公的資金と思われても仕方ない。投資家は市場を疑わざるをえない」
長妻氏「これに関して、民主党は予算委員会でかなり追求しました。残念ながらわれわれの力不足と、また、世間では損が出なかったので危険性が伝わらなかった。今後、市場の信頼性を損ない、深刻な影響が出てくる可能性は否めません」
岩上「長妻さんは、いち早くリスク増大を懸念、質問主意書を提出。2015年1月の政府答弁書は、リーマンショック時の運用比率で算出した損失額は約26兆円と公表。長妻さんは『損失による保険料増額の責任は国民がとらざるを得ない』と」
長妻氏「普通、政府はこういう数字はごまかすが、株価が下がらない自信があったのでしょう」
岩上「しかし、この試算も当てにならない。今、起きているのはリーマンショックほどの規模ではありません。もっと悪い数字になるかもしれない」
長妻氏「カリフォルニア州では年金(CalPERS)を株で運用していると、政府はよく引き合いに出すが、これは地方公務員の退職金の運用です。日本は公的年金。どうせ国民はわからないだろうと、政府は都合のいいことしか言わない」
岩上「民主党が再び政権を奪回した場合、こういった経済政策はどう改めますか」
長妻氏「安倍首相はダボス会議で『成長戦略だ、もっと株に投資する』と発言しました。トップダウンで株価を維持するというのはおかしい」
長妻氏「社会にある格差の壁が、人々の能力の発揮を阻んでいる。これを取り除くこと。4割を超えた非正規雇用は、雇用の調整弁だと政府は言うが、いつでもクビにできる人が4割いるのは異常。社内教育もできない。先進国ではありえません」
岩上「若い人だけでなく中高年男女にも及んでいる。結婚もできず、子どもも育てられない。シングルマザーは貧困に陥る。今、6人に1人の子どもが貧困で、先進国の中でも最悪です。教育費も上がり、借金をしなければ大学にも行けません」
長妻氏「人への投資を決定的に減らし、格差を拡大させ、子どもや若者を潰しておきながら、成長しろと。それで成長できますか。日本の労働生産性は先進国の20位まで落ちた。年収400万円以下の世帯の大学進学率は3割ともいいます」
長妻氏「日本は、非正規雇用者を雇う際の規制がもっとも弱い。同一労働の場合、社員と非正規雇用者を同一賃金にすること。そこを改善しないと日本経済の土台も崩れます。一部のエリートだけで世界と闘っても勝てるわけがない」
岩上「安倍総理は世界に30兆円をバラまき、国内の子どもの貧困対策は募金。集まったのは300万円だけ。野党は政権を取ったら貧困対策などをやれますか」
長妻氏「絶望と諦めを生む格差の壁を取り除き、人への投資をしっかりやる」
長妻氏「中長期的に人材の基盤を固める環境を整え、高付加価値人材を育成する仕組みを作る。今の金融政策は過激なやり方をしているので、破綻する前にソフトランディングさせる戦略を、難しいが慎重に考える必要があります」
岩上「2期連続マイナス成長で、外国ではリセッションと報じられているが、日本のマスコミは不況とは言わない。報道の偏向はひどい。民主党は半年後の参院選に向け、経済戦略をマニフェストで示し、国民に訴えることはしないのですか」
長妻氏「民主党の目指す社会は、共に生きる『共生社会』です。個人が大切にされ、多様性を重んじる。一部のエリートだけががんばる社会ではなく、すべての人に居場所と出番を作る。相互不信なく社会全体が成長できるイメージです」
長妻氏「年金積立金運用におけるリスクに話を戻すと、政府資料では国内株式に100%投資すると、ぶれ幅は25.1%。国内債券100%だと6.7%。新しいリスクでは一定の高い利回りがあり、その利回りを達成できないと年金が払えない、と」
長妻氏「国内株式100%で44.9%。国内債券100%だと51.7%で債券の方が高くなる。つまり、株より債券の方がリスクが高いから、株投資の比率を上げたのだ、と政府は国民に説明する必要があります」
長妻氏「現在、GPIFは投資信託を通して株を購入していますが、検討会議では、今後は株の直接購入を考えるという。GPIFが株主になり、経営にも関わることになると、経団連企業の意向を受け入れるのでは、という疑念も拭いきれない」
長妻氏「さらに、REIT、不動産、発展途上国のインフラ投資、ベンチャーキャピタル、未公開株、先物などの投資も検討すべきだ、と。エスカレートしないように監視しなければ」
岩上「それで損失が出たら、誰が責任を取るのでしょう」
岩上「安倍首相は『来年の参院選で勝利したら、緊急事態条項から改憲をやる』と明言しました。2014年の衆院憲法審査会では、東日本大震災の経験を踏まえ、共産・社民以外の与野党7党が憲法に緊急事態条項を導入することに賛同しました」
岩上「有事や大災害発生の際、首相が閣議を経て緊急事態を宣言でき、その後、政府は政令の制定ができる。財政出動の権力も握る。国会承認は事後でよい。個人の自由、人権、報道、言論にも大きな制約が加えられてしまいます」
岩上「しかも、非常事態の期間は限定されず、議会解散も失くせて議員任期も延長可能に。ファシズム体制そのものです。麻生さんの言った『ナチスの手口に学べ』が実現する。参議院の3分の2まで、野党の改憲勢力を含めれば11議席しかない」
岩上「衆参W選挙になれば、改憲に王手がかかる。護憲派は9条に気をとられて、緊急事態条項の危険性に気づいていない。長妻さんは11月27日、定例記者会見で『すぐに憲法を変えないと有事に対応できない状況ではない』と発言されました」
岩上「野党共闘については『市民団体が一本化し、それぞれ野党が納得すれば、その候補を推す。そこで重要なのは民主党の理念を具現化する政策を持っているかだ』と。民主党には右派議員も多い。野党共闘は難しいのではないでしょうか」
長妻氏「自民党の憲法改正案は驚くべきものです。改憲をさせないために、参院選でねじれ国会にする。自衛隊海外派遣には国会承認を与えない。そして緊急事態については、有事法制、国民保護法制の時に、自民党と協議をしたんです」
長妻氏「その時、憲法を変えなくても法律の範囲内で対応できる、と整理した。それでも改憲しないと対応できない事があるなら、具体的に提示してほしいと自民党に要求したが、今のところ、説得力のある事案は出ていない」
長妻氏「今回の安保法制の国会の通し方を含め、安倍首相には不信感が強い。憲法を蔑ろにしている。そういう人といくら話しても意味がない。あんな異常事態のあとで、また与野党で憲法を話し合おうなんて、あり得ません」
岩上「安倍首相は現行憲法を嫌い、以前から自主憲法制定を訴えています。憲法9条は反対が多くて変えられない。だから緊急事態条項を作り、ナチスが国会議事堂放火を共産党のせいにして権力を掌握したのと、同じことをしたいのでは?」
長妻氏「憲法を変えないと、どう国民が不利益を被るのか明示してほしい。それ以前に、憲法を蔑ろにする安倍政権と議論をする気はありません。来年の参院選で与野党逆転をする。国会は熟議をするところで、強行採決する場ではありません」
岩上「民主党右派に共産党アレルギーがあることはわかりましたが、それ以外の議員たちは、野党共闘をどうやっていくのですか。反共で切ってしまって、オール沖縄のような共闘が可能なのでしょうか。その点については、どうお考えですか」
長妻氏「共産党が提示した連合政府のようなことは否定するが、32の1人区に野党がバラバラに候補者を立てたら勝てない。今、各地で市民団体が候補者を立て、民主や他の野党が納得すれば一本化するモデルができつつある。それには与していく」
長妻氏「ただ、それはあくまでも戦術です。重要なのは野党第一党の民主党が、安倍内閣に対してどういう社会を作っていくか、現実味と説得力のある政策を打ち出すこと。民主党の理念を、もっと国民に知らせていかなければなりません」
以上で、岩上安身による民主党の長妻昭代表代行の報告ツイートを終了します。
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