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沖縄の言論界はいま、本土との関係を根本から問い直す議論が活発だ(※イメージ)
約9割が賛成 政府の高圧が起こした沖縄自己決定権・拡大論議〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160118-00000001-sasahi-pol
週刊朝日 2016年1月22日号より抜粋
独自の外交権を持っていた琉球王国。日本国となったそもそもの出発点とは──。沖縄の言論界はいま、本土との関係を根本から問い直す議論が活発だ。「琉球処分」をめぐる議論は花盛りの様相を見せ、堂々とアイデンティティーを主張し始めている。沖縄はどうなっていくのか、ノンフィクションライターの三山喬氏は、政府の高圧的な姿勢が眠っていた感情まで呼び覚ましつつあるという。(文中敬称略)
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沖縄県内の論議は「イデオロギーよりアイデンティティー」という翁長雄志知事のスローガンそのままの方向に進んでいる。
保革を分かつ長年のテーマだった基地問題の裏側に、「沖縄対本土」というもうひとつの対立軸が隠されていた。そのことを、少なからぬ県民が意識するようになったのだ。
最近は、「沖縄戦以来」という時間的な枠組みをも飛び越えて、沖縄が日本国となった“そもそもの出発点”19世紀後半の出来事にまで議論が及んでいる。
政権の高圧的な姿勢は、沖縄で1世紀以上、眠っていた感情まで呼び覚ましつつあるのだ。
昨春、沖縄タイムスのコラムに「頑固党の思想性」と題する一文が載った。寄稿者は石原昌光という沖縄市の歴史愛好家だ。
1879年(明治12年)の「琉球処分」(日本への併合)のあと、沖縄では琉球王国の復興を求める「頑固党」と併合を容認する「開化党」という旧士族間の対立があった。石原は前者を漠然と「失われた権益にしがみつく旧支配階層の士族たち」と考えていたが、そのひとりの言葉を書き取った記録を読み、認識を改めたという。
≪(明治政府の)実質の権力は薩摩が一手に握っている。薩摩が牛耳る政府が琉球に仁政を施すだろうか≫
≪日本は小国でありながら、武力で難局を乗り越えようとする。いつか日本は敗北する。その時、琉球はどうなるのか。古草履のように捨てられる≫
意外なほど冷静で的確なこの人物の時代認識は、「頑迷固陋」というイメージを覆すに十分なものだったという。
警備員のアルバイトの傍らラジオ劇の脚本やネット記事を書く石原は40歳。本土復帰後の沖縄しか知らない新世代だ。ラジオ劇の下調べをきっかけに郷土史にのめり込み、「沖縄の歴史は不条理なことだらけだ」と感じるようになった。最近は、フェイスブックで知り合った仲間たちと現代史の勉強会を重ねている。
米軍基地問題で、沖縄が公然と「県外移設」を訴えるようになったのは、まだ10年足らずの現象だが、そのことは現地に大きな思想的変化をもたらしている。反安保の人々は「基地のない沖縄」という理想論をひとまず置き、「本土との公平性」というシンプルな論点で、安保容認の基地削減派と足並みを揃えている。イデオロギーの封印は、沖縄の歴史的立ち位置を浮き上がらせ、いくつもの新しい議論を産み出すようになったのだ。
3年前に結成され、会員数300人を超えた「琉球民族独立総合研究学会」の活動がその象徴だが、それだけではない。独立を論ずる前にまず、マイノリティーである沖縄の主張をいかにして政策につなげるか、そのための方策や理論武装を模索する動きが、さまざまなレベルで始まっている。
地元メディアによる昨年5月末の共同世論調査では、沖縄の将来像を「独立」に求める人は8.4パーセント。国内の一県のままでいい、とする66パーセントと比べるとはるかに少ないが、11年調査時の独立支持4.7パーセントからは数を増やし、特別自治州などを目指す21パーセントと合わせると、約3割の県民が自治権を拡大する方向で制度変更を求めるまでになった。
独立論者の一部には、国連に「先住民」としての権利を訴えてきた人々もいて、国連人種差別撤廃委員会は一昨年、沖縄人を先住民と認める「最終見解」を出し、日本政府に民意の尊重を求める勧告をした。
こうした中、独立論とは一線を画し、新たなキーワードになり始めた概念が、「自己決定権」である。前述した世論調査では、実に87パーセントもの人々が、自己決定権を「広げるべきだ」と答えている。
この言葉は、琉球新報が一昨年から昨年にかけ、100回連載した企画記事『道標(しるべ)求めて』で市民権を得た。このキャンペーンは昨年秋、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞している。
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