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改憲野望を隠さない安倍首相(C)日刊ゲンダイ
グローバル乱戦の幕開けに好戦首相は不幸だ 日本経済一歩先の真相 高橋乗宣
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/173301
2016年1月15日 日刊ゲンダイ
新年早々、混迷を深める国際情勢を見るにつれ、「グローバル乱戦」の時代がいよいよ始まったのだな、といった感慨に襲われる。
昨年は「戦後70年」としきりに言われたが、そのうち45年は東西対立の時代だった。その冷戦体制の終結からも四半世紀が過ぎ、国境なき時代が叫ばれて久しい。世界規模でグローバル化の大きな波が押し寄せる中、冷戦という大きな対立軸によって封じ込められてきた諸問題がじわじわと深刻化し、とうとう抑え切れず、はっきり形に現れてきたということである。
北アフリカから中東・シリアにいたる広範囲に及ぶ混乱は今さら言うまでもなく、押し寄せる難民に紛れ込んだテロリストの影に、ドイツをはじめ、欧州全域が怯えている。空前の大惨事となったパリ同時多発テロを目の当たりにすれば当然の反応だろうが、テロの背景には西側社会とイスラム社会における経済格差、宗教間あるいは民族間の対立などが横たわる。いずれも冷戦時代には潜在化していた問題だ。
さらにサウジがイランと国交を断絶したことで、中東情勢の混乱はもはや太刀打ちできないレベルに陥っている。スンニ派とシーア派の対立は歴史的に根深く、イスラムの宗派間の覇権争いに他宗教の国家が口を挟むわけにもいくまい。仲裁役なき紛争の解決は遠のくばかりで、いずれ国家の存亡をかけた動きに発展しかねない。
そのうえ、北朝鮮が「水爆」と称する核実験を強行したのだ。欧州・中東全域をのみ込んだ緊張状態は東アジアに及び、北朝鮮が食糧とエネルギーの供給を依存する中国との外交関係がこじれてきた。双方ともに不快感を募らせ、半島情勢は不安定さを増すばかりだ。
その中国は南シナ海に造成した人工島で滑走路の試験飛行を行うなど、実効支配の既成事実化を着々進め、東南アジア諸国の反発をあおっている。
まさに地球上のどこもかしこも“火薬庫”だらけの状況には米国もなす術なし。むしろ、核兵器も搭載可能な爆撃機「B52」を韓国に派遣、核実験強行の北朝鮮を牽制するなど、国際緊張を高める方向へとかじを切ったように見受ける。
■改憲の理屈は北の核実験と同じ
かくして「グローバル乱戦」の時代が到来する中、この国では集団的自衛権を行使できる安保関連法が間もなく発効する。金正恩は核実験について「国の自主権と民族の生存権を守るための自衛的措置だ」と主張した。「国の安全保障」と「国民の安全」を掲げた正当化のこの理屈は、違憲法案を強行した安倍首相の言い分と極めて酷似している。
年初から株価もつるべ落としで、激動を予感させる幕開けとなった。世界情勢を一歩、踏み間違えただけでも危うい時代に、もはや改憲の野望を隠さない好戦的な首相がふさわしいのだろうか。とんでもない時代に、とんでもないリーダーを持つことほど、国民にとって不幸なことはない。
高橋乗宣
エコノミスト
1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。
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