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2016年01月13日 「ジャーナリスト同盟」通信
<魅力のなくなったマスコミの殿堂>
1月22日午前、ずいぶんとご無沙汰してきた日本記者クラブを覗いた。10時半に日本接骨師会の登山さんとの待ち合わせ場所にしたからである。思えば、ここに席を置いたのは古い。鈴木善幸内閣のころ、若くして政治部長に就任したとき、自動的に東京タイムズの基本会員となった。海部内閣で政治評論活動を始めた時点で、個人会員に変えた。会費がべらぼうに高いので、やめようと思うが、友人らが止めるので継続してきたのだが、それにしても魅力のないマスコミの殿堂となってしまって久しい。
<ジャーナリスト同盟の長沼さん>
9階のラウンジに飛び込んだ時は、初めての一番乗りとなった。まもなく登山さんも駆けつけてくれた。彼の話は、昨日夜遅く帰宅したさいに原稿にした。
正午前に、ジャーナリスト同盟の最後の後継者となった長沼節夫さんも現れた。確か1972年前後に誕生した「ジャ同」は、当時日中友好に立ち上がった新聞記者で発足した会である。筆者がラストランナーのようになっているが、そのうち後継者が生まれるだろう。日中友好は、アジアの平和と安定に不可欠だからだ。3人そろって天婦羅と刺身の定食、それにワインを一杯飲んだ。久しぶりの日本食だからおいしい。3人の共通点は、1942年生まれ、正義と勇気である。
<残留孤児の中島幼八さん>
午後1時半に中島幼八さんが姿を見せていた。小生の携帯の電話番号がかからなかったため、失礼してしまった。
残留孤児の中島さんも、ほぼ同い年だった。3歳から16歳まで中国人が育ててくれた。恐ろしく不幸な運命に陥れられながら、幸運にも生き延びたその生々しい人生を本にまとめたという。
その本を持参してくれた。彼を有能なシンガポール記者のフーサンにも紹介した。ベトナム華僑の桜井某とは、正反対のリベラルな記者である。「シンガポール人にも伝えたい」と約束してくれた。
長沼さんも興味を示してくれた。「天皇の軍隊」を書いた彼は長野県出身。「満蒙開拓団」で知られる土地柄だ。彼も報道してくれるはずだ。
本来、日本記者クラブは中島さんのような人物を呼んで、会見させるとまともになるのだが。
<元気をもらった1・12>
正義の士との語らいは、実に楽しいものである。コーヒーを3杯飲んでしまった。もっとも、高額会費のおかげで、コーヒー代は格安である。
午後3時半に再会した日刊ゲンダイの美人記者が「安い」といって驚いていた。この日刊ゲンダイの花形記者を、小生は「心の美しい人」と呼んでいる。
美しいものにはトゲがあるといわれるが、M記者には全く当てはまらない。鋭い感性は、正義に不可欠だが、それがMさんにはある。極右内閣と対決して一歩も譲らない。午前2時まで仕事をすることもある。健康管理に徹するよう改めて諭した。
<やくざにも屈しないM記者>
NHKには、岩田とかいう安倍広報記者のことが知られているが、彼女はその反対である。日刊ゲンダイも、電通・博報堂にいびられているようだが、それに抗することでファンがついている。
息子は毎日購入しているし、北海道・札幌の高谷さん(北海道新聞元政治部長)も、年賀状で「元気にやってるね」と書いてよこしてくれる。生前、宇都宮徳馬さんの愛読新聞だった。
松野頼三さんのせがれの事務所でも購読している、と聞いた。旧友の平井秘書も、事務所に時折姿を見せているらしい。自民党秘書らの愛読新聞でも知られる。安倍新聞の夕刊フジよりも、民衆の人気は高い。
最近は中国の東京特派員も、よく読んでいる。
Mさんは、実にうれしい話をしてくれた。やくざの性奴隷被害者10万人に、ようやく目を覚ました小生の話について、彼女は「私はやくざなど怖くない」と言い張った。
「二人の組長と対決した経験がある」というのだ。やくざと聞くと、震え上がる、逃げ出す市民ばかりの世の中である。「やくざ恐怖症」人間は、彼女を講師に呼ぶといい。
<やくざは女性の大敵>
そういえば、2014年秋に亡くなった遠藤順子弁護士は「渥美東洋ゼミ1期生で、大学3年で司法試験に合格した才媛」で有名だった。彼女も「やくざと対決して一歩もひるまなかった人権派弁護士」で知られる。やくざを最も憎んだ。それは女性の敵だからである。
彼女は突然、これから鈴木宗男のところに行く、と言って出かけた。「夏の参院選は岡田の手腕と創価学会の動向いかんで、3分の2作戦の行方が決まる」と伝えて別れた。
タブーに挑戦する日刊ゲンダイが朽ちることはない。いい記事を民衆は捨てないからだ。
2016年1月13日記(政治評論家・日本記者クラブ会員・武漢大学客員教授)
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