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米国型弱肉強食社会と北欧型福祉社会の選択−(植草一秀氏)
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12th Jan 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
年明け後の日経平均株価が下げ止まらない。
1月8日付ブログ記事
「年初来の株価下落の背後にある三つの要因」
に三つの要因を指摘した。
第一は、中国株価調整。
第二は、地政学リスクの高まり。
第三は、安倍政権の経済政策運営スタンスが緊縮財政の傾向を強めていること
である。
第一と第二の要因については一般的に指摘されている。
しかし、第三の要因を指摘する声は少ない。
指摘する者が少ないことと、メディアが真実の情報を報道しないことが背景にある。
しかし、この第三の要因が最も重要である。
バブルの崩壊が始動して26年が経過した。
「失われた10年」が「失われた20年」になり、そしていま、「失われた30年」が現実味を帯びる。
私は
『日本経済復活の条件
−金融大動乱時代を勝ち抜く極意−』
を上梓した。
http://books.rakuten.co.jp/rb/13591835/
日本経済を浮上させるための方策を考察している。
重要なことは、
近視眼的発想を排して、中長期の経済発展を目指すことだ。
残念ながら、日本の経済政策、そして、財政健全化策は、いずれも、近視眼的な病理に冒されている。
日本経済の衰退が26年の長期に及んでしまった最大の原因は、日本の経済政策の失敗にある。
財務省には、
「経済あっての財政」
という発想がない。
ひたすら財政赤字の縮小だけを追求する。
経済をしっかりと育てることが、最大の財政健全化策であるという、根本を理解していないのである。
経済が少し浮上すると、財務省が逆噴射のレバーを引く。
これで日本経済は長期停滞の蟻地獄に嵌(はま)ってきたのである。
さらに、もう一つの問題がある。
それが安倍政権の経済政策=成長戦略である。
成長戦略の具体的な中身は、
農業自由化
医療自由化
解雇自由化
経済特区創設
法人税減税
だが、これらのすべてが、国民を豊かにすることを目的としていないことだ。
国民ではなく、グローバル巨大資本の利益極大化を目指す。
これが成長戦略の本質なのだ。
巨大資本の利益が拡大すれば、巨大資本の株価時価総額は拡大する。
株価は上がる。
しかし、この株価上昇と国民生活の向上はまったく結びつかない。
結びつかないと言うよりも、国民生活の犠牲の上に資本の利益拡大があり、株価上昇があるということなのだ。
円安が進行している間は、ひずみが隠されていた。
しかし、円安から円高に流れが転換し始めて、ひずみがくっきりと表面に表れ始めている。
そして、資本の利益拡大だけを追求する経済政策は、中長期の経済を必然的に衰退させる。
メディアはアベノミクスで経済全体が良くなったかのような宣伝を繰り広げるが、この広報は虚偽である。
国民生活の向上、国民生活の底上げ、という視点が安倍政権の経済政策には存在しない。
だからこそ、日本経済の中長期展望は暗いのである。
その暗さがいま、日本の株式市場に、くっきりと翳を落としている。
「頑張った人が報われる」
などと言われるが、小泉政権、安倍政権が唱える
「頑張った人が報われる」
というのは、
資本市場であぶく銭を得た人のことしか指していない。
毎日、懸命に働いているのに、非正規労働者の身分で、
最低賃金すれすれの時給しかもらえない労働者が激増しているのだ。
非正規労働者の比率は約4割。
年収が200万円に届かぬフルタイム労働者が1000万人を超えている。
この現象を、
「頑張った人が報われない」
と呼ぶのである。
しかし、小泉政権も安倍政権も、
こうした
「頑張っているのに報われない」
労働者の量産を積極推進してきたのだ。
労働者の非正規化進展を、
「多様な働き方を選択できる社会を構築してきた」
などと正当化するのである。
小泉政権と安倍政権が推進してきたのは、
企業の労働コスト削減を、制度や政策によって後押しすることである。
その目的はただひとつ。
大資本の利益を極大化させることだ。
大企業の利益を拡大させることを
「成長戦略」
と呼んできた。
この政策が、ひとにぎりの富裕者の所得と富を激増させ、大多数の労働者の所得と富を減少させてきた。
格差問題が日本で急激に拡大してきたのは、政治権力が上記の「成長戦略」を熱烈推進してきたからなのだ。
この「格差拡大」批判に対して、
安倍政権は
「トリクルダウン」
なる珍説を提示してきた。
大企業の利益が拡大すると、廻り回って労働者の所得が増えるという珍説だ。
しかし、企業は労働コスト削減の追求をやめず、政治権力は企業の労働コスト削減への動きを熱烈支援する。
そのなかで、労働者の所得増大が大きく進展するわけがない。
政治の対立は
原発、安保=憲法、TPP、基地
などで顕在化しているが、経済政策全般、格差の問題に対する対案が明確には示されていない。
日本政治の流れを変えてゆくためには、
この部分の対案を明示することが非常に大事になる。
主権者=国民=消費者=生活者
そして労働者
の多数が、安倍政権に対峙してゆくうえで、経済政策の対案を明確にすることは極めて大事である。
トリクルダウン説のような、偽りの論理の誤りを正し、
本当の意味で、
主権者=労働者=生活者の幸福拡大をもたらす経済政策を明確に打ち出すことが重要である。
それは、
すべての労働者の正規化
であり、
最低賃金の引上げ
であり、
すべての国民に対する
生活保障=所得保障
である。
日本は米国型の弱肉強食社会ではなく、
北欧型の高福祉社会を目指すべきである。
そのための、具体的政策の提示が急務である。
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