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安倍首相の対北朝鮮強硬姿勢は打つ手のない安倍外交の証拠である
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2016年1月9日 天木直人のブログ 新党憲法9条
今回の北朝鮮の水爆実験発表に対する日本の報道のはしゃぎぶりは見事に安倍政権追従ぶりを示している。
水爆実験ではなかったという事は、もはや安倍首相自ら国会で認めてしまった。
そうであればなぜここまで騒ぐのか。
もちろん核開発は許されないことだ。
しかし北朝鮮の核開発は今に始まったことではない。
核拡散の危険性は、もはや世界中に広まりつつある。
インドの核開発には手を貸したばかりだ。
それに核実験を繰り返しているのは北朝鮮ばかりではない。
日本への重大な脅威だというのは一般論としてはその通りだが、いま北朝鮮が日本を最大の敵国と見なしていると考える馬鹿はいない。
北朝鮮の核開発は米国へのラブコールだというのも皆が知っている。
それにしても、安倍首相がここにきて北朝鮮の脅威を強調するのは異常で支離滅裂だ。
拉致問題についての話し合いが進展しそうになっていた時は、米国の不快感にもかかわらず、制裁緩和、対北朝鮮極秘協議に走った安倍首相だった。
そうなのだ。
ここにきて安倍首相が対北朝鮮に強硬姿勢を見せたのは、米国への配慮であり、日米韓同盟の強化であり、日韓合意の宣伝であり、対中牽制であり、なによりも、拉致問題をあきらめたということである。
思えば小泉首相がピョンヤン宣言をあきらめたのは、世論の反発もあったが、米国の強い圧力があった。
北朝鮮の核開発で圧力をかけている時に、米国に相談なく日朝国交回復とな何事か、と叱り飛ばされたからだ。
以来、六か国協議という交渉の場で、拉致問題は核・ミサイルと同列に取り上げられて、日本の対北朝鮮に対する独自外交が封じられた。
しかし拉致問題の本質的な解決は日朝国交正常化交渉と一体となって包括的に解決するために日本が独自外交するほかはない。
まさしく安倍首相もそれをしようとしていた。
賢明な読者なら私が何を言いたいか、もうお分かりだろう。
安倍首相の今回の異常なまで対北朝鮮強硬姿勢は、安倍外交の行き詰まりを示しているのだ。
自らの思いとは逆に、保身の為に対米従属に走って身動きとれなくなった安倍首相は、日韓合意でもはやまった。中国との関係は劣勢一方だ。ロシアとの関係は米ロ緊張関係で身動きが取れない。中東には手も足も出ない。出したら最後テロに狙われる。
そして拉致問題解決の断念だ。
これから先、安倍外交は何を目指すというのか(了)
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