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テレビ朝日『報道ステーション』HPより
古舘伊知郎が降板発表後はじめての『報ステ』で見せた無念、やはり菅官房長官の圧力が原因との具体的情報も
http://lite-ra.com/2016/01/post-1864.html
2016.01.05. 古舘が降板発表後の『報ステ』で リテラ
「今年の3月の末をもって『報道ステーション』を辞するということを決意いたしました。3月いっぱいまでは誠心誠意、できるかぎりがんばっていこうと思っております」
昨年末に電撃的に『報道ステーション』(テレビ朝日)降板を発表した古舘伊知郎キャスターが、昨日、新年最初、そして降板発表後はじめての放送を行った。古舘氏は番組冒頭で前述のように降板の挨拶を口にしたが、じつはその後、番組内ではまるで自ら降板を申し出たとは思えない発言が飛び出した。
それは、憲法改正の話題にふれたときのこと。安倍政権の目論見は、9条改正ではなくまずは緊急事態条項の新設から検討するのではといわれているが、こうした背景も踏まえてか古舘氏は「どういう口あたりのいいところから変えようとしているのか」とチクリ。今国会でも参院選に影響すると思われる安保法にかんする政策などを先送りさせるが、このように自分たちに都合の悪い議論を避けようとする動きについても、「憲法をどうするのよ?という、そういう(国民ひとりひとりが)自分のなかの考え方が決まらないうちに参院選挙突入というのはいかがなものか、ですよね」と釘を刺した。
そして、古舘氏はこう述べたのだ。
「安倍総理も憲法改正についてはしっかりと、ということを発言されておりますしね。丁寧に安保についても説明していくということを公言されているわけですから、今国会であんまり(議論が)やられないうちに、我々もあんまり伝えられないうちにズルッとなんて夏に向かうなんていうのは、これはイカンと」
国会でのきちんとした議論もないまま、報道がその事実を伝えられないまま、参院選に突入するなんて許してはいけない──。この発言を聞くと、まるで7月の参院選まできっちり報道をやりたかったんだ、古舘氏はそう無念を訴えているかのようだった。
しかも、昨年末にはネット上で古舘降板について、こんな情報が駆け巡った。それは『NHKスペシャル』や池上彰氏の『週刊こどもニュース』でディレクター、プロデューサーを務めた元NHKのジャーナリスト・杉江義浩氏が責任編集するオピニオンサイト「杉江義浩OFFICIAL」で坂井万利代氏が発表した「古舘伊知郎さん降板の本当の理由」という記事だ。
この記事には、慶應大学経済学部教授であり朝日新聞論壇委員も務め、『報ステ』にも出演している井手英策氏本人から直接聞いた話として、古舘氏の降板理由がこのように綴られている。
〈井手英策さんは、これを広めてほしいと、言ってらっしゃったので以下記述します。
古館さんは、官邸、主に菅官房長官の圧力によるものに耐え切れなったからだと。
報道ステーションが、今後、政権批判を出来なくなる可能性が非常に高くなります。
井手さんによると「ファシズム」です。
古館さんは井手さんの職場を訪れ「後を頼む」と。〉
実際に井手氏がこのように語ったのかどうかは定かではないが、信憑性はかなり高いと言えるだろう。というのも、少なくとも『報ステ』が菅義偉官房長官から圧力に晒されていたのは事実だからだ。
本サイトでは再三報じてきたように、官邸は一昨年9月の川内原発報道をめぐるBPO審査を口実にして、テレ朝上層部への介入を始めた。そこに昨年1月、コメンテーターの古賀茂明氏から「I am not ABE」発言があり、官邸は激怒。最後の出演時に古賀氏は「菅官房長官をはじめ、官邸のみなさんにはものすごいバッシングを受けてきた」と言い、古舘氏は必至に取り繕おうとしたが、実際、当時の菅官房長官のオフレコ懇談会のメモには「本当に頭にきた。俺なら放送法に違反してるって言ってやるところだけど」などと書かれている。
さらに、「週刊現代」(講談社)の報道によって、「I am not ABE」放送の直後に菅官房長官の秘書官から『報ステ』の編集長の携帯電話に「古賀は万死に価する」というショートメールが入ってきたことも判明している。
その後はご存じの通り、昨年4月に古賀氏は降板した。そのとき一緒にコメンテーターの恵村順一郎氏も降板、『報ステ』の報道姿勢を守ってきたチーフプロデューサーも更迭。その上、同月17日には自民党がテレビ朝日の経営幹部を呼びつけ事情聴取を行い、BPO申し立ても検討するなどと脅しをかけている。──つまり、そうした菅官房長官と官邸からの圧力に耐え切れなかった結果、古舘氏の降板が決まったと考えるのが順当だ。
そう考えると、降板発表から初めての放送で、参院選と憲法改正への懸念をはっきり言葉にした古舘氏の心中は、無念さでいっぱいだったのではないか。返す返すも降板は残念極まりないが、どうか4月まで、ぜひ古舘氏には古賀氏並みに大暴れしてほしいと思う。
(編集部)
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