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2016/01/05 05:48
またしてもマスメディアが「安倍ヨイショ」の世論誘導に動いている。イランとサウジアラビアとの関係悪化から両国間で戦争が始まり、ホルムズ海峡が封鎖される事態に発展するかもしれない、という飛ばし記事だ。
断言しておく。イランとサウジアラビアの関係は悪化しているが、けっしてペルシャ湾を挟んでミサイルを撃ち合い砲弾が飛び交う事態にはならない、と。彼らはスンニ派対シーア派という宗教対立を演じているだけだ。
深刻な宗派対立のように報じているが、それなら昔から対立していなければおかしい。今になって深刻な対立に到ったのはサウジアラビアがイランと同派の宗教指導者を死刑にしたからだというが、むしろサウジアラビアは42名とされる死刑執行のうち同国の派の者を大量に処刑し、イランと同派の指導者などは少数だった。
両国の突然の対立はいずれも国内問題への批判の目を逸らすためだ。サウジアラビアは原油価格下落により潤沢だった国庫が枯渇し、無料だった公共料金を有料化せざるを得なくなっている。イランは米国との関係改善により長く反米プロパガンダを教え込まれていた国民の政府への反発が高まっていた。
そうした国内政策への批判を逸らすには身近な外敵を仕立てあげることだ。イランもサウジアラビアもそうした共通の国内問題を抱えているめ、これ幸いと国民批判を逸らすために緊張をもたらしたに過ぎない。
ホルムズ海峡を封鎖して湾岸諸国はどこも利益を得ない。もちろんイラクもサウジアラビアも国家財政の基盤である原油輸出に大打撃を受ける。だから彼らのいずれも海峡封鎖することは決してしない。そうした自明の理を説かないマスメディアは単細胞というよりも、安倍自公政権の失政を「油断」するかも、という危機感で逸らそうとしているのではないかと思わざるを得ない。
昨日の安倍氏の国会演説はまさしく問題逸らしに終始していた。「チョウセン」と何度も叫び、米国のポチとして韓国の捏造歴史に譲歩した外交失政を誤魔化しているのかと耳を疑ったほどだ。
安倍氏がやるべきは「チョウセン」ではなく、「国民の生活が第一」の政治だ。その第一歩はバカげた法人減税と消費増税をやめることだ。第二歩は米国と距離を取るために「戦争法」を廃棄し、立憲主義国としての正気を取り戻すことだ。そして第三歩はこれまでの失政を国民に詫びて退陣することだ。その三歩を歩めれば、安倍氏はポチから人間に復帰できるだろう。
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