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少年ナイフ。
大阪出身の3人組が1981年に結成した女子バンド。
結成秘話。大学のキャンパス仲間である山野直子と中谷美智枝が
意気投合。それぞれがギターとベースを手にして、あとはドラマーが
必要になる。そこで、山野直子は自宅の冷蔵庫に「メンバー募集」の
告知を張り、それをみた高校三年生の妹、敦子が持ち楽器の選択肢が
ないことに気付きながらも参加を希望し、3人組でスタート。
3人は、大阪や京都の小さなライブハウスで演奏をはじめ、山野と中谷が
共に同じ会社に就職してからも(二人は学年が一つ違うので、おそらく山野が
一浪したか一回だぶったということだろう)少年ナイフは週末バンドとして
活動をつづけた。関西アンダーグランドシーンから抜けでることはなし。
そして3人ともが二十代後半になった頃、デモテープがアメリカのインディー系
レーベルの目に留まり、ついに1989年に3人はライブのため渡米。LAで
海外デビューを果たす。そこから人気が飛び火してついにニルヴァーナの欧州ツアー
の前座に声がかかり、一気にメジャーに名前が出だす。
ボーカルの二人、30過ぎてます。それはいいとして、山野姉妹、なんとも慎ましいというか謙譲というか・・・まあなんというかユニークなお顔立ちで驚き。これは才能あっても通常路線でスターにはなれないのが納得。中谷さんのほうが美人に近くて、英語の発音もまとも。不思議なものだ。これより何年も遅れて知った私の印象では姉妹がそこそこ可愛くて中谷さんがちょっと林真理子系というかパーツが漫画風という記憶があったのだ。わからんものだ。カート・コバーンが少年ナイフを採用した理由はおそらく奇をてらうような意図があったからと思いきや、本人の話からすると本気で彼女たちの大ファンだったということである。大阪でも無名に近い彼女達をコバーンは素人のティーン時代に地元でカセットをきいていたのだから、はんぱではない。
しかし、あのニルヴァーナの前座をやったバンドとして少年ナイフがとらえられるのには疑問を感じる。ソングライターとして山野直子はカートコバーンよりはるかに上だからだ。
山野直子はどうして動物や食べ物のことについてしか歌わないのか?という質問にこう答えている。「恋愛については恥ずかしくて歌詞にできない」と。松任谷由実語録にはこうある。「恋愛をテーマにできないならメジャーは絶対無理」。そうか山野姉妹はルックス以前に、メジャーに背を向ける表現方法のアーチストだったのだ、まあパンクとしてはそれで王道である。
私は山野直子がまだ40前で、オリジナルメンバーでの少年ナイフ末期に一度、彼女達のステージをみた。前座に偶然、知り合いのミュージシャンがいたので雑談をしているとメインの奴が会話にはいってきて無視したらステージの上から何か言えよと怒鳴られた。周囲は「誰こいつ?」みたいにこっちを見ていたのでちょっとエゴが満たされたような気分で少年ナイフを迎えた。ライブはよかったんだけど、途中で帰る。でも山野直子は好きになった。恋愛でなく動物や食べ物について歌うへんな大阪のオバサン。
I have a post card of big buffalo. I bought it during our tour. I missed the chance to send it to you
Back in North Dakota. There’re many pretty things in life. Take it easy. Let it be.
I promise to send it next time to you. Will bring me a lot to me.
昨年、ちょっとした偶然で、また山野直子におめにかかった。55歳。パフォーマンスは衰えていないし、見かけもニルヴァーナとツアーしているきよりずっと魅力的である。高須院長に貰ったディテクター(脳内ソフトウェア)もナチュラル判定だと言っている。アジア人は中年になってからナチュラルに美しくなるので10代、20代に欧米人につけられた差を覆すことができる、というのが持論である。男の場合は知らんが。
50代でバリバリの現役で、クリエイトが減速しない。こんなミュージシャンはなかなかいない。あのポールサイモンだって40代までは天才続行だったが50代にはそうはいかなかった。山野直子の強みは、自分のやりたいスタイルでやりたいことだけをやってきたことだ。これが最初からスターになっていたらズタボロに消費されてとっくにガラクタになっていただろう。学生・OLの課外活動バンドをずっと通したどこまでも趣味を追求するアマチュア歌手だったからこそここまで勝利街道を歩んでこれたのだ。
山野直子は少年ナイフの音楽的ルーツとして、ビートルズ、ジャム、バズコックス、ラモーンズをあげている。いつどこで聞かれてもそういっているので、気まぐれの解答ではないだろう。
この4バンド。アメリカのラモーンズ以外はイギリスのバンドである。内訳すると
(一流)ビートルズ、ジャム
(一流ではない)ラモーンズ、バズコックス
こうなる。もし、彼女達がビートルズやジャムを目指すアマチュアなら、たぶんうまくいってはいないだろう。一流と自分との違いにジレンマを起こし潰れるか挫折していた可能性は高い。
一流ではないラモーンズやバズコックスというセンスのない素人風バンドを手本にしていたからこそ、常に目標や満足度がしっかりついてきたのである。これが長期にわたって活躍できた一つの理由だろう。
私は山野直子がいいシンガーソングライターだと思うし、少なくとも日本人女子の自作自演系では比較できる対象さえないが、ときどき駄作が紛れ込んでおり、そのたび、この二流の内在こそが彼女の強みなのだと思うことにしている。(といっても少年ナイフのアルバムは二枚しかきいてないのだが・・・・)
というわけで、少年ナイフについて書いてみた。
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