http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/906.html
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ロシアの国境は「線」ではなく「面」〜緩衝地帯の重要性〜本当は東独、ポーランド、チェコ…モンゴルもソ連に併合ないしは加盟できた/佐藤優
第一講 地政学とは何か
〈最も危険な理論〜ユーラシアとは何か〉
地政学というのは基本的にユーラシアの話なんです。東欧を押えることができればユーラシアを押えることができて、ユーラシアを押えることができれば世界を押えることができるという、作業仮説…。
〈地政学とファシズム〉
地政学との関係において、すごく重要なのがファシズムです。地政学とファシズムは重なる部分もあれば、重ならない部分もある。
われわれはかつて、ファシズムという考え方をあまりにも簡単に処理してしまった。ナチズムは…「血と土地の神話」のようなものを信じて、そこからユダヤ人絶滅政策が出てきて、それで全世界を敵に回して戦うなどという異常な思想が出てくる。これはドイツの極めて特殊な事情に基くもので、ナチズムに普遍性はありません。ドイツの病理現象にすぎない。
第二講 ハートランドの意味
〈時代が変わっても、変わらない地理〉
〈三次元で地図が読めるドイツ人〉
これは本当です。ドイツ人だけじゃなくて、チェコ人もポーランド人もロシア人も地図をよく読むことができる。ほとんどの日本人は地図を二次元でしか読めない。小学生のころから地図読みの教育を受けている。高校の地理の教科書では、どうやって立体的に地図を読むかについて30ページぐらい割いている。
〈ロシアの国境は「線」ではなく「面」〜緩衝地帯の重要性〉
ソ連は、本当は東ドイツ、ポーランド、チェコ、ハンガリーだって、バルト三国のように併合することはてきた。しかしスターリンはそうしなかった。直接国境を接するようになると、そこから西側諸国と大変な衝突が起きる可能性があるから。
極東を見てください。モンゴルをソ連に加盟させなかったのは、中国とのバッファーにしたかったから。こういうバッファーの思想というのがロシア人にはある。
【出典】「現代の地政学」佐藤優/晶文社’16年
(黒海で鉢合わせ)
・http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/212.html#c3
03. 仁王像 2014年3月22日 23:09:21
>今回の危機直前の昨年11月、ロシアはEUに対し、ウクライナも入れた3者間でウクライナの安定について協議しようと提案しが、EUは無視し、逆にウクライナに「EUとロシアとどちらにつくか」と二者択一を強要した。
「二者択一を強要した」というのが短兵急だ。現在進行中のEUのオタオタぶりを見ると、なんらのしっかりした戦略的見通しもなく、甘い考えで臨んできたとしか思えない。地政学はそもそもヨーロッパが発祥地である。米国に引っ張られた面があるにせよ、何という体たらくであろうか。
ウクライナをNATOに引っ張り込めば、プーチンの指摘する通り、黒海でNATO軍とロシア軍が鉢合わせをすることになる。緩衝地帯もなにもなくなる。伝統的なヨーロッパの地政学も地に落ちたということなのか。
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