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元工作員が語る ロシア、デマ拡散サイバー部隊[日経新聞]
2016/12/19 6:35
欧米諸国がロシアのプーチン政権による「情報テロ」への警戒を強めている。対外発信を強化するロシア国営メディアのプロパガンダ(宣伝活動)に加え、ネット上の情報工作により各国の市民への影響力の拡大を図っているとみられている。ロシアは関与を否認するが、ネット世論を操作する「トロール部隊」の拠点が少なくともサンクトペテルブルクに1つある。
■「トップは大統領だ」
午前9時前、サンクトペテルブルクの住宅街。まだ薄暗いなか、予備校生のようないでたちの若者らが続々と4階建てのビルに入って行く。看板には「ビジネスセンター」とだけ書かれ、窓のカーテンはすべて閉めきられている。
ビルに向かう若者に話しかけても誰も一切応えない。1階の受付に立つ警備員2人に業種を尋ねてみた。答えは「革製品の会社だ」。「そうは見えない」と返すと「PR会社」に変わった。「社長にインタビューがしたい」としつこく求めると、怒声が響いた。「トップは大統領だ」
元従業員3人が証言する。ここは1日24時間365日、ネット上で情報工作をする「会社」だ。300〜400人の従業員が業務ごとに部署に分かれ、メディアにコメント投稿、フェイスブックなど交流サイト(SNS)には偽情報を拡散し、架空の人物になりすましてブログも展開する。政治風刺画を手掛けるデザイン部や映像制作部もあるという。
マラトさん(41)は求人広告を見て面接を受け、月給4万ルーブル(約7万6000円)で2014年末から数カ月同社で働いた。配属されたのはロシアのメディアのサイトにコメントを書き込む部署。毎朝、カバーすべきトピックが与えられ、「我々の視点」を書くよう指示される。30〜40のIDを使い分け、1日200のコメントを投稿することをノルマとして求められた。
サンクトペテルブルクの住宅街に建つ「トロール部隊」の拠点
大半はロシアのウクライナへの侵攻を巡って対立したオバマ米大統領やメルケル独首相の批判、ウクライナの親欧米政権をおとしめる内容だったという。部署には3人の監督官がいて、書き込みを全てチェックする。「米国は悪の帝国だ」。こんな内容に違和感を持ちながら毎日午前9時から午後9時までネットへの書き込みを続けた。
月に1回は政治知識についてテストが実施された。「欧州連合(EU)とは何か」「ロシアの友好国はどこか」――。「若者の多くは質問にほとんど答えられなかった。彼らは自分が何を書いているのかよく分からぬまま、指示された内容をそのままネットに垂れ流していた」と話す。
■美人装い「トロール」
リューダさん(35)はブログ部にいた。当初はウクライナの親欧米政権に批判的なウクライナ人男性の役割を与えられ、後に女性占師を装うことを指示された。占いの話題にこんな内容をはさむ。「昨晩、ウクライナが破滅する夢を見た」。月給は4万ルーブル程度で、ブログのアクセス数が増えると、ボーナスが支給された。
ブログでは美女を装う手法が多用されているという。ネットなどから盗用した美女の写真を掲載して関心を引き、たわいのない話に政治的なコメントを混ぜる。「怖い映画がある。みんな死んでしまうの。アメリカも滅んだ。あの国はどのみち滅ぶ運命だけどね」。この手法は「ビキニ・トロール」と呼ばれる。
偽ニュースサイトの立ち上げも頻繁に行われている。ビターリさん(25)はウクライナのメディアを装ったサイトやロシア国内ニュースの偽サイトを担当した。既存メディアのニュースを書き換えてサイトに載せる。こうした偽情報をフェイスブックなどに発信するのも業務の一部だった。
ビターリさんは「3カ月半働き、罪悪感にさいなまされた末にやめた」。辞職を申し出た時の上司の言葉が忘れられない。「こちらはクレムリン(ロシア大統領府)の金で働き、向こう側はアメリカの金で働いているだけの話だ」
会社の運営者の実態は不明だ。地元メディアでは、クレムリンに近い企業家の名が取り沙汰される。3人の証言によると、給料日には経理部の部屋の前に従業員が列をなし、札束が詰まった紙袋から取り出される現金を支給される。税金も年金など社会保障費も徴収されない。
3人の仕事はロシア語での情報工作だったが、英語やウクライナ語など外国語で発信する部隊があったとそれぞれ指摘する。
ここで対外工作も行われていることは確かだ。ネット上で同社のこんな求人広告を見つけた。給与:4万〜5万ルーブル、職種:ネット上の情報発信、職務要件:英語能力、創造力。世論操作を新聞で告発し、いまも一部従業員と接触を続けるリューダさんは「フィリピンや米国でもトロールを雇っているとの情報がある」と話す。
■各国の社会に「人工芝」を植える
北大西洋条約機構(NATO)戦略コミュニケーション・センターのヤニス・サルツ所長は「ロシアは国内統制のため実践してきた情報操作の手法を対外的に応用している」と指摘する。ドイツでは1月、ロシア系の少女が難民に暴行されたとするロシア国営テレビの虚偽ニュースがSNSで増幅され、ロシア系住民の抗議デモが広がった。ウクライナ問題を巡る対ロ制裁を主導するメルケル首相を揺さぶる狙いだったと見られている。「ロシアはSNSの影響力が増す情報環境の変化を捉え、政治的に活用している」とサルツ所長は話す。
オバマ米政権はロシアとの関係改善を主張するドナルド・トランプ氏が勝利した11月の米大統領選にロシア政府がサイバー攻撃により介入したと断定した。同時にフェイスブックの「ニュースフィード」を通じて拡散した偽情報が米大統領選に影響したとの批判も高まっている。
欧米はプーチン政権による情報操作に警戒を強める(15日の日ロ首脳会談)=ロイター
英独の情報当局はロシアの「攻撃」に相次ぎ懸念を表明した。メルケル独首相は11月、「ロシア発の虚偽情報とネット上の攻撃への対応を日々迫られている」と危機感をあらわにした。
「クレムリンは草の根運動の破壊力を認識している」とロシアの元情報機関員は話す。ネット上の情報工作は各国の社会に「人工芝」を植える作業だという。日本も標的にならないとは限らない。
(モスクワ=古川英治)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10735930W6A211C1000000/?dg=1
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「アレッポの少女バナ」:実在の人物か、それとも誰かのメディア・プロパガンダか?
2016年12月19日 19:09(アップデート 2016年12月19日 20:11)
政府寄りのシリア人活動家マイザム・アル・アシカル氏は、「アレッポの少女」の母親に、町から避難するよう提案した。そして少女のSNSアカウントが、プロパガンダの道具であることを確信した。スプートニクが報じた。9月、7歳の少女バナ・アラベドさんのツイッターアカウントが開設された。
アラベドさんは東アレッポでの砲撃にさらされた恐ろしい生活について語っている。
11月末、アシカル氏はバナさんに個人用メッセージを送り、家族と一緒に町から避難する手助けをすると申し出た。
その時アシカル氏はすでにバナさんとその家族を町から国内のあらゆる場所、あるいは外国へ連れ出す可能性についてシリア当局と合意していた。またアシカル氏は、イスラム組織「アル・サフワ」の一員であるバナさんの父親の刑事訴訟の問題も解決していた。
「ねえ、バナ、お父さんに聞くことはできるかな?なんでお父さんには『アン=ヌスラ』や『アハールアル・シャム』のジハード主義者の友達がいるのかって」
2週間後、バナさんの代理人がアシカル氏と連絡を取ってきた。そしてシリアの少女バナさんのアカウント管理者とのやり取りが始まった。
そしてほとんどすぐに、この人物が英語を好んでいることが分かった。同人物が、全てのシリア人にとっての母国語であるアラビア語のメッセージに答えたことは一度もなかった。
「伝説」によると、バナさんの他にアカウントを利用しているのは、バナさんの母親のファティマさん1人だけ。
アシカル氏は、バナさんの代理人とのやり取りを続けた。
しかしシリア政府からの全ての保証があるにもかかわらず、やり取りは何の成果もなく終わった。代理人は、アシカル氏があまりにも事を急ぎすぎたことを理由に、申し出を断った。
アシカル氏は、「アカウントを通じて私とやり取りした人物が、(バナさんがツイッターに書いていた止むことのないアレッポの砲撃を)恐れていなかったのは確かだ」と述べた。
アシカル氏はバナさんについて、英国の情報機関が使用している道具にすぎないと主張している。
アシカル氏によると、バナさんと英国のつながりはNGO「白いヘルメット(White Helmets)」を通して辿ることができる。バナさんのアカウントは「白いヘルメット」と「緊密に関連」しており、「白いヘルメット」は英国政府から資金提供を受けているという。
複数のネットユーザーも「シリアの少女」と英国のつながりを追跡することに成功した。バナさんのSNSのメタデータプロファイルは、アカウントが英国で登録されたことを示唆しているというのだ。
アシカル氏は、バナさんの代理人たちは「嘘」を暴くためにアシカル氏とやり取りを始めたと確信している。アシカル氏に実際は助ける意思などなく、アシカル氏はシリア政府のプロパガンダに取り組んでいる人物だということを示すために、このやり取りを利用しようとしたというのだ。
アシカル氏は、「私は利用され、侮辱されている少女を助けることを心から望んでいた。そしてシリア当局は私の要望に応えてくれた」と締めくくった。
https://jp.sputniknews.com/middle_east/201612193151645/
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