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トランプ当選後、ベトナムは中国を受け入れるのだろうか?(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/648.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 12 月 10 日 10:51:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

トランプ当選後、ベトナムは中国を受け入れるのだろうか?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-5a98.html
2016年12月10日 マスコミに載らない海外記事


Andre Vltchek
2016年12月3日

アメリカ合州国でのドナルド・トランプ当選後、ベトナムは、バニックになっているに違いないと言うのが社会通念だ。

もし‘自由’貿易協定に本当に取り憑かれていれば、確かに、いくつか心配すべき‘客観的’理由はあるだろう。

環太平洋連携協定はもうじき駄目になる可能性が高いが、少なくとも一定程度のベトナム指導部は、経済、特に衣料と農業部門を押し上げることを期待し、協定をあてにしていたのだ。

ところが、ベトナムは過去も今もタフで、国民と多くの政府や党幹部が、実際、更なる経済活動のみならず、より‘強硬な’共産主義路線を要求していたことを示す多くの兆候があった。

今年早々、グエン・フー・チョン・ベトナム共産党書記長は再選されたが、グエン・タン・ズン首相は権力の座を追われた。オーストラリア放送協会(ABC)はこう報じた。

“ズンは、党内では北京非難の最右翼で、アメリカが率いる環太平洋連携協定に、ベトナムが円滑に参加する功績は彼のものだとされていた。”

要するに彼は、ベトナムを、中国と衝突する危険な進路に乗せる親欧米外交、経済政策を主張する主要なベトナム人の一人だったのだ。そして彼は去った…

アメリカ合州国における最近の選挙結果が発表された後、ベトナムは、中国とロシアにより近づく方向に動きだしている。次期大統領ドナルド・トランプの‘例外主義者’的で、頻繁な反アジア言辞は、既に地域中で警戒心を引き起こしている。ハノイからジャカルタ、そして当然マニラから北京に至るまで。

*

ドナルド・トランプは、今や‘環太平洋連携協定’(12カ国の貿易協定)を絞め殺す用意ができている。長年(実用上)オバマ政権と極めて親密な関係を作り上げてきたベトナムは不安げに見守っている。今年早々の第12回共産党全国大会前に(そして特に、2013年に新憲法が採択されて以来)、ベトナムは、欧米の専門家たちから、良かれ悪しかれ‘市場志向の改革’と呼ばれている約100の新法を導入成立させている。

ベトナム指導部の中には、ベトナムは、TPPで恩恵を受ける主な国の一つのはずだったと考えている連中がいたことは確実だ。

ベトナムとアメリカ合州国間の‘戦略的関係強化’に関し、こっそり不平を言うむきさえあったのだ。

欧米、とりわけアメリカ合州国の歓心を買おうとして、ハノイは‘事業環境の改善’や、‘貿易規制緩和や、欧米やアジアの業界や企業からの様々な要求に応じることを続けてきた。

最も不穏だったのは、ベトナムが、滑走路の拡張を始めた後 - そして、ロイターや他の欧米情報によれば - 南シナ海の紛糾している地域内、あるいは近くに、いくつかロケット発射装置配備を始めた後、ハノイの中国に対する挑戦的姿勢が、言動によるものから‘有形’なものへと変わったことだった。

*

‘ベトナムが、日和見的に、突然に基本姿勢を変えた’と言うのは間違いだ。アメリカ選挙の前から、ベトナムは外交政策の‘多様化’を始めていたのだ。

今、ハノイは、中国が提案している協定で、ベトナムと、他の東南アジア諸国連合ASEAN、10カ国、プラス、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドとインドを含む、東アジア地域包括的経済連携と呼ばれる16カ国の協定に希望をかけている。

ハノイと北京との関係は急速に改善しつつある。ベトナムが、フィリピンの手本に倣って、地球上でもっとも人口の多い国との対決路線を永久にやめることが明らかになる可能性がある。重要なのは、最近、ベトナム最高指導部が、率直な物言いをする反帝国主義者のフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領をもてなしたことだ。外交政策ブログのゲリー・サンズを引用するとこうだ。

“…ハノイの前政権は、ハーグで自ら訴訟をするために、マニラに法的助言を求めて、北京を怒らせていたが、クアン主席下の新指導部は、マニラと同様に、北京との対決をやめたように見える。ハノイとマニラとが共同で調整した、あらゆる法的、軍事的取り組みは、隣国の龍を挑発する恐れから今や問題外に見え、我々は希望をもって、平和な二国間交渉の結果を待っている。”

キューバ指導者フィデル・カストロ・ルス逝去後、ベトナム指導部のイデオロギー的姿勢が明らかになった。ベトナムは、服喪の日を宣言し、ベトナム政府と党幹部は、力強く感動的な革命的、国際的演説を行った。

*

重大な問題の一つは、欧米の見方が、ベトナムに関するほぼ全ての言説 - ベトナム国内における、あらゆる大規模、小規模発展が、受け止められ、解釈される仕方を乗っ取るのに成功していることだ。彼らの多くも、実際には膨大な量の欧米プロパガンダを消費しているのだが、これは必ずしも、ベトナム人にはあてはまらない。とはいえ、ベトナム以外の世界が、いかにベトナムを理解(あるいは誤解)するかには、完全にあてはまる。

ドイモイ市場志向改革の減速に、欧米マスコミはほとんど触れない。お隣中国における、いかなる社会的変化についても、ほとんど触れない。ヨーロッパとアメリカでは、両国は、断固、そして幸せに、市場経済の概念を奉じているものと見なされている。

現実は、それとは全くほど遠い。中国でも、ベトナムでも(中国の方が、よりそうなのだが)、国民の大多数は、資本主義的慣行に失望し、愛想さえつかしている。国民は、根本的な社会主義原則の再導入を要求している。中国では、習主席による指導の下、政府は国民の要求に応じている。ベトナムは、北の巨大な隣人に、綿密な注意を払っており、筋金入りの市場志向姿勢を進んで再検討する用意があるように見える。

都市や地方で、ベトナム国民は希望に満ちているかも知れないが、必ずしも満足しているわけではない。現在の生活は二十年前よりは良くなってはいるものの、期待も大いに高まっている。‘ベトナム風社会主義’は大半の国民に歓迎される可能性が高く、すぐにも到来しかねない!

アンドレ・ヴルチェクは、哲学者、映画製作者、調査報道ジャーナリストで作家。最近、新しい小説『オーロラ』を書き終えた。本記事は、オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/12/03/will-vietnam-embrace-china-after-trump-elected/
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