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「トランプ大統領」を渇望したアメリカ国民の“単細胞パワー ” そしてクリントンは引きずりおろされた
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50244
2016.11.25 週刊現代 :現代ビジネス
■理屈じゃない、ノリだ
「今夜は素晴らしい夜になった。ありがとう。私は、この国を、愛している」
トランプ氏が勝利宣言をこう言って締めくくると、どこからともなく声が上がり、やがて会場は大歓声に包まれた。
U・S・A! U・S・A! U・S・A!
トランプ陣営公式の赤い帽子をかぶり、白人男性たちが拳を振り上げて絶叫する――「ハリウッド映画の一幕」と言われても、違和感のない光景である。まるで、突如侵略してきた宇宙人の軍団を、一致団結してやっつけた後のようだ。
なぜアメリカ国民は、「コイツら、バカじゃないの」と思われかねない勢いでトランプ氏に熱狂するのか。
日本にも、小泉純一郎元総理、橋下徹前大阪市長、小池百合子東京都知事など、有権者の熱狂的支持を受けた政治家はいる。だが、政治家の演説で「ニッポン!」とか「バンザイ!」といった大歓声が巻き起こることは、まずありえない。
実は、日本人の目が届かないところで、トランプ旋風は着実に勢いを増していた。トランプ氏の勝利は偶然ではなく、必然だったのだ。
今回の選挙戦で、ヒラリー陣営の選挙運動に参加した、明治大学の海野素央教授が証言する。
「私は昨年夏から、アイオワ州やニューハンプシャー州の家庭を戸別訪問で回りました。当時はまだ、アメリカでも日本でも、マスコミはトランプ氏を完全に泡沫扱いしていた。ですが、現場の感触はまったく違いました。特に、主な支持者である白人無党派層の家庭を回ると、彼らの憤りと熱意が伝わってきたんです。
ある家庭では、白人女性がこう言っていました。『ヒラリーは“私は普通の人たちのために戦う”と言ってるけど、ヒラリー自身“普通の人”じゃないでしょ』。『では、”普通の人”って誰なんですか』と聞くと、彼女は『トランプよ!』と言う。とにかく彼らは、既存の政治家をまったく信用していないのです。
別の男性には、『あんた、女が大統領になってもいいのか?』と聞かれました。最初からこういう人たちが支持していたからこそ、トランプ氏はいくら暴言や失言を重ねても、支持率を落とすことがなかったのだと思います」
アメリカの各メディアが報じた選挙結果の統計データによれば、ヒラリー氏が優勢だったのはニューヨーク、ロサンゼルスなどの大都市圏中心。青(ヒラリー支持)で塗られたのは、ほとんどアメリカ大陸の両端だけだった。各州単位で細かく見ても、州都などの都市部以外はほとんどが赤、つまりトランプ氏支持で埋め尽くされている。
日本人が知っているのは、大都市の事情だけ。アメリカ人の半数以上は、われわれがほとんど行ったこともないような、ド田舎に住んでいるのだ。「トランプ大統領」の誕生を渇望していた彼らの声が、太平洋を越えて届いてくるはずもなかった。
「英語の『トランプ』には『切り札』、そして『頼りになる奴』という意味があります。トランプを支持する人々は、『アメリカがおかしくなったのは、不法移民の入国を許したからだ』『トランプなら、あいつらをやっつけてくれる。頼りになる男なんだ』と考えている。
トランプという名前も、彼に『強いリーダー』というイメージを重ねる人を増やすのに寄与したと思います」(前出・海野氏)
■とにかくぶっ壊せ
「アメリカを再び偉大な国にする」というスローガンは、笑ってしまうほど単純だ。一説には、トランプ氏が演説で使う単語のレベルは小学生並み、とも言われる。
だが、ここで重要なのは、トランプ氏支持者たちは、トランプ氏のハチャメチャな公約や失言の数々など、いちいち覚えてなどいない、ということだ。
彼らアメリカの庶民が真に望んでいるのは「公約なんかどうでもいい。とにかく、このロクでもない世の中をぶっ壊してくれ」というただ一点だけ。だからこそ、トランプ氏は下馬評を覆して圧勝できた。
アメリカを、ひいては世界を支配し、私腹を肥やして格差を生み出し続けてきた薄汚い権力者たち。その頭目・ヒラリーを、皆で引きずりおろし、足蹴にしてやる――そんなアメリカ国民の「単細胞パワー」が奔流となってヒラリー氏を直撃。めでたく、悪は成敗されたというわけだ。
前章にも登場したジャーナリストのグウェンダ・ブレア氏は、トランプが庶民の心をつかんだ理由をこう分析する。
「客観的に言って、パフォーマンスの上手さという点ではトランプ氏のほうが上でした。トランプ氏のことが好きではない人、むしろ嫌いだという人さえ、彼の演説を見ると単純に『面白い』と思ってしまうのです。
体制側の代表であるヒラリー氏は、うまく機能しなくなった今のアメリカ社会のしくみを作った張本人でもあります。そして、トランプ氏はそこを突いたのです。『ヒラリーたちエスタブリッシュメントが作り上げた、不正で不平等なシステムは、もうお払い箱だ』と」
勝利を手にし、「官軍」となったトランプ氏の支持者たちが望んでいること――それは、「国境に壁を作る」といった荒唐無稽な公約を実行に移すことよりも、「堕ちたヒラリーを吊るし上げろ」という欲望を満たすことだ。
国家機密のメールを私用サーバーを使ってやりとりしていた問題で、FBIはヒラリー氏の訴追を一度は断念した。だが、これからトランプ氏が「見せしめ」とばかりにヒラリー氏に対する捜査を再開させる可能性は、きわめて高い。
「トランプ氏の支持者は、ヒラリー氏は『自分は何をやっても捕まらない』と思い上がっているのではないか、と不満を鬱積させています」(ジャーナリストのエドワード・クライン氏)
トランプ氏がヒラリー氏の追及を始めれば、再びアメリカの庶民は熱狂し、“U・S・A!”と歓呼の声を上げるだろう。
「トランプ劇場」はこれからが本番だ。日本人の想像を絶するような事態が、まだまだ待ち受けている。
トランプの夜はこんなに凄い!相手はとびきりの美女ばかり…でもない
■前立腺の数値も超健康
「有名人になれば、女には何でもできるのさ」
「プッシー(女性器)を掴んで引き寄せてみたまえ。なぁんでもできるんだ」
過去にはそう豪語したトランプ氏。その強引なアピールに辟易したという女性たちの証言からは、トランプ氏の生々しい夜の活動がうかがえる。
「彼は猛烈な勢いでキスをし始め、私の乳房に手を置きました。私は懸命に身を離そうとしながら言いました。『ウェイク・アップ!』(目を覚まして=正気に戻って、の意味)。ところが彼は、『ウェイク・アップ!』(起き上がれ!)という言葉を繰り返しながら、私に性器を押し付けてきたんです」(トランプ氏を告発した、サマー・ザーボスさん)
美女に囲まれている印象の強いトランプ氏だが、相手はとびきりの女性ばかりとは限らない。目にとまれば、どんな女性にも猛烈なアプローチをかけてきたようだ。
トランプ氏の「実力」については、3人目の妻メラニアさんが人気ラジオ番組で証言している。
「彼とは最低でも一日1回はインクレディブルな(=めくるめく)セックスをしているわ」
雑誌「GQ」に掲載されたメラニア夫人のヌード写真
70歳となった今も、その勢いは衰えていない。ロサンゼルス在住のジャーナリスト、エリック・ロジャーズ氏はこう語る。
「ある泌尿器科の医師がトランプ氏に紹介された際、『先生、人間は何歳までセックスできるんだろう?』と訊かれた。そこで医師は『健康であれば限界はないでしょう。あなたの数値を見る限り、問題はなさそうですよ』と答えたといいます。
トランプ氏は'15年末に長年の主治医に自分の健康状態が良好だという証明書を発行させて、公表している。それによると前立腺肥大などの兆候を示すPSA値は0.15ng/ml。主治医はわざわざこの数字に、『ベリー・ロー』と書き添えていました。
65歳以上の健康な人の平均値が4ng/ml程度といわれる数値ですから、トランプ氏の前立腺は人並み外れて健康だと言えるのです。
医師の答えを聞いたトランプ氏は、『グッド!私は酒はやらない。カネはもう十分ある。あとは大統領になることと女性と楽しむこと以外やることがないんだ』と笑って去っていったそうです」
実はトランプ氏は、兄をアルコール依存症の合併症で亡くしている。兄は死の前、「酒とタバコに手を出すなよ」と言い残し、トランプ氏は忠実に従ってきた。かつて男の人生の楽しみは「酒とタバコと女」と言う人がいたが、トランプ氏には「カネと権力と女」なのだ。
在米ゴシップ記者のマーク・リー氏はこう話す。
「妻のメラニアさんは、夫が『現役』なことに不安もあるようです。選挙事務所でも若い女性スタッフと積極的に仲良くなり、夫を奪う敵を作らないようにしていた。トランプ氏はこれまで、結婚後しばらくすると妻より若い女性に走ることを繰り返していますから、気苦労も多いでしょう」
精力あり余るトランプ氏。いろんな意味で「強い」大統領であることは間違いない。
当てたのは週刊現代と木村太郎だけ トランプ大統領誕生
■で、これからどうなる?
本誌は前号で「トランプ勝利」を予言していたが、それよりもずっと前、まだトランプ氏が共和党内の指名争いを戦っていた昨年12月から、「トランプが勝つ」と断言し続けていた人物がいる。ジャーナリストの木村太郎氏だ。
「投票日以降、『なぜわかったんですか』と行く先々で訊かれます。私も最初は、『こんな暴言を吐いていてウケるとは不思議な候補だな』と思ったくらいでした。しかし、アメリカのネット社会でトランプ氏に熱狂している人々の声を追っていくと、メディアが報じていなかった、アメリカ人の本音が見えてきたのです」
その本音とは、民主党政権下のアメリカ社会で広がった「ポリティカル・コレクトネス」(政治的に公正な言動)への反感だった。
「オバマ政権下のアメリカは、史上まれに見るほど政治的に左に振れていました。『どの宗教も平等でなければいけない』というポリティカル・コレクトネスのせいで、公共の老人ホームでクリスマスツリーを飾ることが自粛されたり、デパートで『メリークリスマス』と書いてセールをすることが控えられたりしていた。ここまで極端な状況だったとは、日本では知られていませんよね。
トランプ氏の言動は、こうした閉塞感に対して、アメリカ人が内心では、庭に出て大声で叫びたくなっている本音を代弁しているものとして、広く市民の心を掴んでいたんです」
クリントン氏への支持を呼びかけるメディアを、米国民が冷めた目で見ていることにも木村氏は気づいていたと話す。
「今回の米メディアの偏向ぶりはあまりにすごかった。国民もそれを感じていたのでしょう。米テレビ局CNNは、『クリントン・ニュース・ネットワーク』だなどと揶揄されました。新聞各紙もこぞってクリントン支持を打ち出し、ニューヨーク・タイムズは30年以上も前にトランプ氏が飛行機の中で女性のスカートに手を入れたと批判する記事を掲載しました。
ところが直後、その飛行機に乗り合わせたイギリス人が、『言い寄っていたのは女性のほうだったのでは』と証言した。有名紙が、裏も取らずに記事にしたのかと驚きました。
メディアの攻撃に対してトランプ氏は、演説会で聴衆の背後に並ぶ報道陣を指さして『彼らが嘘つきだ』と訴えた。私も報道席にいたことがありますが、彼に指さされて支持者が一斉に振り返るとドキッとしましたね」
いち早くトランプ勝利を予言した木村氏。今後の日米関係はどうなると予測しているのか。
「私は『トランプが当選する』と言いましたが、それで世界がよくなるとは一言も言っていない(笑)。
実際、選挙戦中に米国でトランプ氏のアドバイザーに取材すると開口一番、『彼は、第二次大戦後、アメリカが行ってきたことは、もうやめようと訴えているのです』と言った。戦後マーシャルプランで欧州の復興にカネを出し、世界の警察として中東に軍を出し……という姿勢を大転換して、『もう人もカネも出しません』という態度です。
トランプ氏は外交や安全保障はもちろん、あらゆる意味で、日本のあり方を日本人に考え直させた大統領として記憶されるでしょう。とにかく彼は、『もうそっちのことはそっちで考えてくれ』と言っているのですから」
「週刊現代」2016年11月26日号より
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