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トランプ次期大統領はフリン中将に安全保障担当補佐官就任を要請したようで、まだ主導権を保持
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611190000/
2016.11.19 00:33:43 櫻井ジャーナル
ドナルド・トランプはマイケル・フリン元DIA局長に対し、安全保障担当補佐官への就任を要請したとAPが伝えている。トランプはロシアとの関係修復を訴え、シリアではバシャール・アル・アサド体制の打倒ではなくアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)と戦うべきだと主張しているが、そうした判断はフリンのアドバイスに基づいている可能性が高い。そのフリンを重用できるなら、軍事的な緊張は緩和される可能性が高い。
マイケル・フリン中将は退役後にアル・ジャジーラの番組へ出演、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあり、そうした情報に基づく政策の決定はバラク・オバマ大統領の役割だとしている。
何度も書いていることだが、DIAは2012年8月に作成した文書の中でシリアにおける反乱の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)だと指摘、バラク・オバマ政権が支援している「穏健派」は存在していないとしていた。
つまり、「穏健派」の支援とはサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)にほかならないということだ。アル・カイダ系武装集団の主力はサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団であり、アメリカ政府はアル・カイダ系武装集団を支援しているということになる。DIAの報告書ではシリア東部にサラフ主義者の国ができる可能性も警告していたが、これはダーイッシュという形で現実になった。
トランプ政権へ入るとも噂されているルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長は選挙期間中、「ヒラリー・クリントンはISISを創設したメンバーだと考えることができる」と口にしていた。オバマ同様、確かにクリントンもダーイッシュを操る勢力に属していると言えるだろう。
ところで、トランプへ最も多額の寄付をしたシェルドン・アデルソンはアメリカのラス・ベガスとペンシルベニア、東南アジアのマカオとシンガボールでカジノを経営している人物で、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と緊密な関係にある。
そのネタニヤフ首相は今年5月、アビグドル・リーバーマンを国防大臣に据えた。狂信的ユダヤ至上主義者として知られ、最近もテルアビブで数百人レベルのデモがあったのだが、その一方でロシアにパイプを持っているという側面もある。
ネタニヤフ自身も盛んにモスクワを訪問、6月7日にはプーチン大統領と会談した。つまり、遅くともこの段階でネタニヤフ政権はロシアへの接近を図っていた。イスラエルがアメリカやサウジアラビアと手を組み、サラフ主義者やムスリム同胞団を使って意に沿わぬ政権、つまりシリアやイランの現政権やヒズボラを倒そうとし始めていると調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは2007年3月5日付けのニューヨーカー誌で書いている。
この3カ国は1970年代の終盤からサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団を利用して戦闘集団を編成、アフガニスタンでソ連軍と戦わせていた。その当時、サウジアラビアが戦闘員を雇い、武器/兵器の供給ルートになり、CIAが戦闘員を訓練していた。
CIAはソ連軍と戦わせるため、戦闘員に爆弾製造や破壊工作の方法を教え、都市ゲリラ戦の訓練もしている。勿論、武器/兵器も提供したが、それだけでなく、麻薬取引の仕組みも作り上げている。
そうした軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイルがアル・カイダだとロビン・クック元英外相は2005年にガーディアン紙で書いた。この記事が出た翌月、クックは保養先のスコットランドで心臓発作に襲われ、59歳で急死する。
この3国同盟はその後も機能、2013年9月にマイケル・オーレン駐米イスラエル大使(当時)はシリアのアサド体制よりアル・カイダの方がましだと語っている。オーレンはベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近であり、これはネタニヤフ政権の考え方だと言える。
また、今年1月には、INSS(国家安全保障研究所)で開かれた会議でモシェ・ヤーロン国防相がイランとISIS(IS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)ならば、ISISを私は選ぶと発言したと伝えられている。リーバーマンを国防大臣にした5月までの期間に状況が変化した可能性がある。
2月10日、興味深い出来事があった。ヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン露大統領と会談、22日にはシリアで停戦の合意が成立したのだ。ヒラリー・クリントンなど好戦派はアサド政権の打倒を諦めず、停戦を戦闘態勢の立て直しに使っていた。
しかし、デイビッド・ロックフェラーと親しいズビグネフ・ブレジンスキーもアメリカが地球規模の帝国ではなくなったと認めているのが現状。ロシアや中国との核戦争も辞さないという姿勢は正気でなく、支持者は支配層の内部でも減っていただろう。
イスラエルより少し遅れてトルコもロシアとの関係修復に乗り出す。6月下旬にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はイスラエルとの和解を発表、ロシアのウラジミル・プーチン大統領に対してロシア軍機の撃墜を謝罪した。7月13日にはトルコの首相がシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆している。トルコでは武装蜂起があったのは7月15日。真相は不明だが、アメリカを黒幕とするトルコ軍の協力者が実行した可能性が高いと見られている。
今年の2月以降、アメリカ支配層の一部、イスラエル政府、そしてトルコがロシアに接近しているのだが、そうした中、フリンは本を出版している。興味深いのは内容でなく共著者。イスラエルと緊密な関係にあるマイケル・リディーンなのだ。
リディーンは1970年代の半ばにイタリアのイル・ジョルナレ・ヌオボ紙でジャーナリストとして働いていたが、その際、「アカの脅威」を盛んに宣伝していた。彼が親しくしていたフランチェスコ・パチエンザはイタリアの情報機関SISMIのエージェントで、非公然結社のP2とも結びついていた。パチエンザによると、リディーンはSISMIのエージェントで、Z3という暗号名を持っていたという。1980年のアメリカ大統領選挙ではジミー・カーターを激しく攻撃、スキャンダルを盛んに流していた。(Edward S. Herman & Noam Chomsky, "Manufacturing Consent," Pantheon, 1988)
また、フリンは退役後、フリン・インテル・グループなるコンサルタント会社を設立、息子が経営しているようだ。当然、相当額の資本金が必要なわけで、それを提供する人がいたことになる。
フリンの周辺は支配層の親イスラエル派のネットワークが張り巡らされつつあるようだが、現在、イスラエル政府はロシアに接近、核戦争の可能性を小さくする方向へは動いている事実に変化はない。イスラエル同様、ロシアとの関係改善を目論んでいるトルコはフリン・インテル・グループとビジネス上の関係を結んだとも言われている。シリアへの侵略戦争も終わる可能性があるが、パレスチナ問題は残る。
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