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欧州の銀行、米国ストレステストで赤信号か
ドイツ銀行フランクフルト支店前の信号機 PHOTO: BLOOMBERG NEWS
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PAUL J. DAVIES
2016 年 11 月 17 日 16:47 JST
米連邦準備制度理事会(FRB)は、欧州系銀行の米事業の財務指標一式を初めて公表した。結果は良くないようだ。
ドイツ銀行では資本、収益性ともに問題のようだ。一方、バークレイズとUBSでは資本不足とみられる。BNPとクレディスイスでは、2016年1-9月の収益が期待はずれ、あるいは存在しなかった。
こうした分析は、各行の中間持ち株会社の財務諸表に基づいている。これらの中間持ち株会社は、2018年から全面的に米国のストレステスト(健全性審査)と資本規制の対象になる。
米持ち株会社のレバレッジ比率(7-9月期末)
Hurdle RatesU.S. leverage ratios, end of third quarter 2016
THE WALL STREET JOURNAL Source: the companies
全ての銀行がレバレッジ比率4%以上を義務付けられるが、ドイツ銀行ではこれが4.1%と、ぎりぎりで上回った。だが欧州の銀行は、中間持ち株会社のストレステスト合格を確実にするという目標に向け、このハードルを何らかの方法でクリアしなくてはならなくなりそうだ。
例えば、7-9月期(第3四半期)末時点のレバレッジ比率はJPモルガンが8.5%、モルガン・スタンレーが8.3%と、いずれもドイツ銀行の2倍以上だ。
BNPパリバのレバレッジ比率は米大手銀と同等。一方、HSBCは9.4%と米大手銀を上回っており、米事業に縛られている資本を自由にできるとの主張を裏付けている。
HSBCは、より厳しい補完的レバレッジ比率(18年から米国で報告が義務化)も報告している。この比率では、HSBCはシティグループを下回り、JPモルガンにははるかに及ばなかったため、実際に自由になる資本の額は限られるかもしれない。
欧州の銀行の大半は米国の資産と資本から十分な収入を生んでいないことも、財務諸表からわかる。
米持ち株会社の収入(黄)とリスク試算(緑)の比率
Generation GameU.S. holding company revenues and risk-weighted assets as a share of grouptotal
THE WALL STREET JOURNAL Source: the companies U.S. RWAs and group RWAs are modelled differently
米国資産が親会社にとって優良な収入源であることが数字からうかがえるのは、バークレイズとUBSだけだった。両行とも、グループの収入の約3分の1を米国事業が担っていた。持ち株会社のリスク加重資産はグループ全体の水準の約25%だったが、計算方法は異なる。
ドイツ銀行の米国持ち株会社も、この点から見ると好調だった。ただ、米資産は他行のそれと比べて非常にリスクが低いとみられ、これがレバレッジ比率の低さにつながっている。変化が必要になることは疑いない。
BNPとHSBCについては資産に対する収入の関係が反対で、両社が米資産からより多くを引き出す必要があることを示唆している。
クレディスイスでは、どの競合他社よりも資産と資本の比率が高いことを踏まえると、収益状況は特に悪い。だが不良債権がいったん縮小すれば、ある程度まで改善するだろう。
しかし、これら全ての銀行の米事業は、多くの基準で地元のライバルに後れている。対抗するには猛追が必要だ。
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ECB、必要なら刺激策拡大の用意あり
ECBの議事録では、必要に応じて刺激策を拡大する用意のあることが明らかになった(写真はドラギECB総裁)
By TOM FAIRLESS
2016 年 11 月 17 日 22:54 JST
【フランクフルト】欧州中央銀行(ECB)は10月20日の定例理事会で、ユーロ圏の弱い景気の足取りを支えるのに必要であれば、1兆7000億ユーロ(約200兆円)規模の刺激策を拡大する用意ができていることを示唆した。インフレ圧力の弱さにも懸念を示した。
17日公表の議事録によると、ECB理事会は「資産買い入れ策を過去の決定に従い実行し、必要であれば追加措置を導入」しなければならないとの見方でほぼ一致した。
ECBは10月、量的緩和策の延長決定を先送りした。エコノミストの大半は、次回12月8日の理事会で、現在設定されている2017年3月の期限が半年先送りされると予想している。
ECBは議事録の中で、基調的なインフレは「説得力のある上昇トレンドに依然欠ける」との認識を明らかにした。
ユーロ圏の景気回復については、家計と企業に「極めて有利な融資条件が広がっていることが引き続き条件になる」と注意を促し、主にECBの金融緩和策を反映した状況だと述べた。
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ロンドン不動産、ブレグジットより根深い問題とは
ロンドンの不動産市場は、7年間の強気相場が調整に入ろうとしているようだ
By STEPHEN WILMOT
2016 年 11 月 17 日 18:12 JST
安値を拾おうとしているなら用心した方がいい。ロンドンの不動産市場が抱える問題はブレグジット(英国のEU離脱)だけでなく、それ以上に深刻なものだからだ。
英国の首都に拠点を置く不動産投資信託の価格が今年急落している。大半が簿価よりも3割程度安くなっている。これは2011年の欧州債務危機以降、目にしたことのない水準だ。
当時、欧州の銀行システムが崩壊することなどないと見立てていた向きは大きく稼いだ。その後4年間で株価はほぼ2倍になったのだ。一部の投資家は、英国が欧州連合(EU)を離脱してもロンドンの多様な経済が損なわれることはない、との考えから同様の見立てをしているのかもしれない。海外投資家にとっては、英ポンドが下落したことでこうした見方を取ることの妙味が一段と増している。
だが要注意だ。その影響がどんなものだとしても、ブレグジットを決めたことで、既に機が熟していた調整が始まりかねない。
国民投票直後の混乱はすぐに終息した。オープンエンド型不動産ファンドは一連の劇的な解約を受けた結果、資産の売却を強いられ、急激な調整に対する懸念が高まったが、それもすでに反転した。英国の投資協会によると、オープンエンド型不動産ファンドは9月に新規投資資金を1億1700万ポンド(約160億円)集めた。
ところが、この市場では水面下に緊張の兆しがみえる。デロイト・リアル・エステートによると、ロンドン市内中心部の賃貸オフィス市場にとって今年は、少なくとも09年以降で最悪の年になりつつある。建設ブームと相まって、オフィスの空室率が上がり、テナントは賃貸料の値下げ交渉を有利に進められるようになっている。
今週、英国の不動産大手各社が発表した評価損の計上も、賃貸料下落の見通しが原因だ。ランド・セキュリティーズの簿価は9月までの半年で1.8%減少した。さらに大きな負債を抱えるブリティッシュ・ランドの簿価は3%下落した。いずれも賃貸料の利益を大幅に見直した結果、損益は赤字に転じた。
オフィスビル市場も、買い手が大幅値下げを要求する一方、売り手はこれに応じていないため、低迷している。ブリティッシュ・ランドによると、今年1月から9月にかけての取引は、前年同期と比べ4割少ない。4-6月期に様子見の様相を呈していたが、これがいまだに続いている。
これをブレグジットに関連した不透明感のせいにするのは簡単だが、他にも理由がある。最も今日的な要因は、金利上昇の見通しだ。この見通しはすでに米国のREIT(不動産投資信託)市場に影響していると思われる。ショッピングモールを運営するサイモン・プロパティーの株価は、8月以降に5分の4に減った。金利が上昇すると、債務負担が増す一方で利回り志向の投資家にとっての不動産所得の妙味が相対的に薄れるのだ。
金利上昇ほどはっきりとは見えないものの影響では決して劣らない要因として、ロンドンの不動産市場が7年近くにもわたり成長し続けてきたため、いつ反落してもおかしくない状態であることが挙げられる。結局のところ、不動産相場は景気循環に左右されるものである。
いま英国のREITを買うとしたら、それは、ブレグジットがロンドンに悪影響を及ぼさないと予想することを意味するにとどまらず、中期的にみて、極めて景気循環に連動しやすい不動産市場に逆らうことになるだろう。
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