http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/214.html
Tweet |
トランプ氏を勝たせた「嘆かわしい人々」
共和党を自分の色に塗り替えたトランプ氏
By GERALD F. SEIB
2016 年 11 月 9 日 19:50 JST
嘆かわしい人々が立ち上がり、世界を揺さぶった。
「嘆かわしい人々」とはもちろん、ヒラリー・クリントン氏がドナルド・トランプ氏の支持者を侮辱した言葉だ。トランプ氏に忠実な彼らの多くは誇りを持ってこの侮辱を受け入れ、士気を高める道具として利用した。
そうしたエスタブリッシュメント(既成勢力)による侮辱を名誉の勲章にして、トランプ軍団は8日、米国の選挙制度の中で暴れ回り、米国現代史上で最も劇的な勝利を共和党候補にもたらした。
トランプ氏は単にクリントン氏を打ち負かしただけではない。一瞬にして共和党を自身がイメージする党へと変貌させた。同党が最も大切にしてきた政策や理念を書き換えた。民主・共和両党とも、トランプ氏は全国的な選挙で当選できるほどの支持を白人層やブルーカラー労働者層から得られないと考えていたが、彼はその常識を打ち破った。両党が抱いていた居心地の良い前提はすべて吹き飛ばされるだろう。
トランプ氏の勝利で金融市場には襲撃が走り、混乱が生じている。先進諸国のポピュリストやナショナリストたちは新たな活力を得た。
トランプ氏は米国政治に先行き不透明感をもたらした。それは少なくともロナルド・レーガンが巻き起こした1980年の保守革命以降で米国が経験したことのない類いのものだ。
トランプ氏は、エスタブリッシュメントにも共和党の中にさえもわずかな数の仲間しかいない。共和党で大統領の次に力を持つポール・ライアン下院議長とも疎遠である。連邦議会の民主党議員にはほとんど知り合いがいない。
トランプ氏はさまざまな政策において、共和党にとって全く新たな立場を提唱してきた。貿易面では自由貿易協定に意欲的になるのではなく懐疑的になること。移民政策では経済的な繁栄を支える労働力として移民をとらえるのではなく、深刻な経済的・社会的脅威として不法移民に焦点を絞ること。諸外国への介入についても同様で、共和党の前大統領はイラク侵攻を命じたが、それを大きな過ちだと呼んだ人物が党のかじ取りを担っている。給付金制度に関しても、かつての共和党は高齢者に対する給付金を削減するという苦い薬を飲む準備をしていたが、現在は逆の方向に導かれている。
保守政党からポピュリスト政党へ
端的に言えば、トランプ氏とその仲間たちは伝統的な保守政党を公然たるポピュリスト政党へと、たった一晩で劇的に変貌させたのだ。
こうした変貌を予想するのは可能だが、トランプ氏の傍らで一緒に働くのは誰かを予測するのは難しい。ヒラリー・クリントン氏が当選していれば、考え得る閣僚メンバーやホワイトハウスの側近らの長いリストを作成するのは容易なはずだったが、トランプ政権の場合はこうしたリストが少ない。
最も近い助言者といえば、多くの側面で自分の子供たちだ。副大統領候補のマイク・ペンス氏はインディアナ州知事になる前は連邦議会のベテラン議員だった。同氏は通常の副大統領よりも重要な任務を担わざるを得ないかもしれない。ほかにアラバマ州選出のジェフ・セッションズ上院議員、ニュージャージー州のクリス・クリスティー知事、元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏など、トランプ氏の味方についている共和党の重鎮もいる。だが、同氏の政策ブレーンは従来型の新大統領がワシントンで通常抱えることになる人数より少ない。
トランプ氏の勝利は、ワシントンだけでなく米国全体に深い分断と激しい憤りを残すだろう。彼の出馬は、米国の政治・金融システムが自分たちのニーズや懸念を無視していると考える人々を喜ばせた一方で、暗い情熱も喚起した。
ヒスパニック系やイスラム教徒の移民たちに関するトランプ氏の見解に、かすかにであれ、はっきりとであれ、人種差別意識を感じとった人は多い。女性たちの多くはトランプ氏の態度や発言に明らかな性差別意識を嗅ぎ取った。トランプ氏は多くの家庭の中にも激しい議論と感情的な分裂を招いた。
こうした分断は選挙戦の終盤になるにつれ深まる一方だった。トランプ氏はその頃になると、有権者の幅広い層を取り込み、支持基盤を大きく広げようとする努力をほとんど投げ出していた。その代わり、反エスタブリッシュメントの怒れるメッセージに夢中な支持者たちを活気づけて勝利するという戦略に注力しているように見えた。
8日の選挙で数千万人の支持者を動員したのはこの戦略だ。トランプ氏は支持者と同じくらいの激しさで自身を嫌悪する数千万の国民を味方に付けることができるのか。それが大統領としての最初の大きな試練になるだろう。
米大統領選特集
トランプ氏の強さ、地方とブルーカラーが背景
次期米大統領が直面する多難な外交
米大統領選終了後も残る大企業への圧力
http://jp.wsj.com/articles/SB11842517604067003472604582425911216753388?mod=wsj_nview_latest
エラリアン氏やガンドラック氏、トランプ氏の勝利について語る
中国:10月生産者物価、伸び加速−世界ディスインフレの一因緩和
Bloomberg News
2016年11月9日 10:51 JST 更新日時 2016年11月9日 12:36 JST
関連ニュース
トランプ氏、クリントン氏に番狂わせの勝利−国民は既成勢力拒否
世界の市場大揺れ、トランプ氏勝利の大番狂わせ−円と金買われる
想定外のトランプ氏勝利、既存政治に不満を抱く国民には強壮剤
日本株ショック安、米大統領選でトランプ氏優勢−政治経済の混迷警戒
PPIは前年同月比1.2%上昇−市場予想は0.9%上昇
消費者物価指数は2.1%上昇−市場予想と一致
中国の10月の生産者物価指数(PPI)は前月に続き上昇し、消費者物価指数(CPI)も伸びが加速した。政府が取り組む過剰生産能力削減が一定の効果をもたらしていることが示唆されたほか、世界的なディスインフレ圧力の一因が緩和される形となった。
国家統計局が9日発表した10月のPPIは前年同月比1.2%上昇。ブルームバーグが調査したエコノミスト調査では0.9%上昇と見込まれていた。同月のCPIは前年同月比2.1%上昇し、アナリスト予想と一致した。
賃金上昇と需要低迷に何年も苦しんできた中国の製造業は現在、原材料の投入コスト上昇に直面しており、一部はここ数年実施していなかった値上げ検討を迫られている。これが輸出価格の上昇に近くつながり、世界的にディスインフレ圧力が和らぐ可能性がある。CPIの伸びは賃貸料や食品価格の上昇で押し上げられているものの、依然として政府が定めた今年の物価上昇率目標である3%を下回る水準に収まっている。
スタンダードチャータードの中国担当チーフエコノミスト、丁爽氏(香港在勤)は、CPIと資産価格の上昇を受けて、「金融政策のスタンスは緩和バイアスから中立ポジションに徐々に移行するだろう」と指摘。PPIの上昇については、インフラ投資など供給側の要因と生産能力削減など需要側の要因の両方に起因するとの見方を示した。
オーストラリアのコモンウェルス銀行で中国・アジア担当エコノミストを務める李?氏(シドニー在勤)は、「企業の利益はすでに改善しつつあり、PPIの回復はさらに追い風となるだろう」と分析。「ただ、こうした利益が新たな投資に結び付くかどうかは今のところ不明だ」と述べた。
10月のCPIで食品は前年同月比3.7%上昇し、非食品は1.7%上昇。
原題:China’s Factory Prices Quicken as Drag on Global Inflation Eases(抜粋)
トランプ氏、クリントン氏に番狂わせの勝利−国民は既成勢力拒否
John McCormick、Mark Niquette
2016年11月9日 15:44 JST 更新日時 2016年11月9日 18:17 JST
関連ニュース
世界の市場大揺れ、トランプ氏勝利の大番狂わせ−円と金買われる
想定外のトランプ氏勝利、既存政治に不満を抱く国民には強壮剤
日本株ショック安、米大統領選でトランプ氏優勢−政治経済の混迷警戒
エラリアン氏やガンドラック氏、トランプ氏の勝利について語る
ブルームバーグ ニュースをフォローする
Facebook Twitter
共和党がフロリダ州など重要州を制する
トランプ氏は劣勢挽回、クリントン氏終盤でつまずく
8日投開票が行われた米大統領選挙で、共和党候補のドナルド・トランプ氏が当選、米国の第45代大統領になることが決まった。直近の世論調査でリードを許していた民主党候補ヒラリー・クリントン氏を破る大番狂わせ。既成の政治勢力を拒否したトランプ氏の予想外の勝利は、金融市場を揺るがすばかりでなく、米国にとっての優先順位を変え同国と世界との関係を根底から変化させる能性がある。
リアリティー番組の元司会者で公職経験ゼロの不動産王トランプ氏(70)と、元ファーストレディーで上院議員も務めたクリントン前国務長官(69)との激しい選挙戦は米国民の亀裂を浮き彫りにした。
AP通信と複数のテレビ局が9日未明、トランプ氏(70)が激戦州のウィスコンシンを制したことで、獲得選挙人数が当選に必要な過半数の270人に達したと報じた。トランプ氏は来年1月20日の就任式典を経て大統領に就任、腐敗して信頼に値しないと批判していた米政府に君臨することになる。
トランプ氏はマンハッタンで支持者を前に演説し「米国民が分裂という傷を癒やすべき時だ。私が全ての米国民のための大統領となることを全市民に約束する」と語った。クリントン氏の支持者らに対しても「われわれの偉大な国を一つにまとめるため協力できるように、あなた方の導きと助けを求めたい」と語りかけた。
トランプ氏は9日未明にクリントン氏から敗北を認める電話を受けたことを明らかにした。米国のためのクリントン氏の長い貢献に感謝の意を表した。クリントン陣営の選挙戦責任者のジョン・ポデスタ氏はニューヨークのジャビッツ・センターに集まった支持者らに、クリントン氏はしばらく後にしか姿を見せないと伝えた。
世界の金融市場は予想外の展開に大揺れとなっている。S&P500種株価指数先物が5%安となり取引制限が発動され、トランプ氏の保護主義的政策への懸念からメキシコ・ペソは一時20年ぶりの大幅安となった。
同時に行われた連邦議会選挙でも共和党は上院で過半数議席を維持。下院選でも共和党は多数派を維持する見通しで、トランプ氏の政策実行が容易になる可能性もある。
歓声を上げるトランプ支持者ら(ニューヨーク市内のホテル)
歓声を上げるトランプ支持者ら(ニューヨーク市内のホテル) Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
トランプ氏はフロリダ、ノースカロライナ、アイオワ、オハイオなど共和党の牙城や鍵を握る激戦州を制し、勝利を手にした。それぞれ1992年、1984年以来民主党候補を選んでいたペンシルベニア州とウィスコンシン州も獲得した。
当初は自社ブランドの知名度を上げようとしているエンターテイナーとしか認識されていなかったトランプ氏は世論調査での劣勢や国民からの支持の低さ、共和党内の不一致、さらに選挙戦中の失言やスキャンダルなどの逆風にもかかわらず勝利した。
良い意味でも悪い意味でも話題の中心になる才能に恵まれ、優れたショーマンシップを持つトランプ氏は、自分なら「米国を再び偉大な国」にできるというメッセージを前面に押し出した。これが経済・文化・社会の大変革に不安を感じ、怒りを抱く有権者に支持された。また、移民やイスラム教徒、マイノリティーに関する発言は政治の主流から外れた人々を勢い付かせた。矛盾した発言や明らかな姿勢転換は、事実のみを精査すればトランプ氏の言葉にうそがあることを示したが、熱烈な同氏の支持者らは揺るがなかった。
マーケティングの天才、トランプ氏は明らかに、どんな評論家や世論調査会社よりも、政治という市場を理解していた。
原題:Trump Defeats Clinton in Stunning Upset That Rocks Markets (2)(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
あわせて読みたい
こんな会社HPは作ったらダメ!嫌われるサイトとは
【大塚商会】Webダイレクト[提供リンク]
銀行カードローン審査のテクニック!審査の通るカラクリとは?
MoneyGuidePro[提供リンク]
【クッタリ男性に朗報】40代からの活力情報をお届け
協和発酵バイオ[提供リンク]
中性脂肪値、なぜ高くなる?その原因は毎日のOOだった?
ニッスイ[提供リンク]
More From Bloomberg
トランプ氏、「これでもう束縛されない」−共和党首脳部に宣戦布告
「心底衝撃」とオバマ夫人、トランプ氏非難で異例の演説
トランプ陣営が頼ったビッグネーム、約束の資金送らず−敗北なら戦犯
Recommended by Yahoo! JAPAN
世界の市場大揺れ、トランプ氏勝利の大番狂わせ−円と金買われる
James Regan、Adam Haigh
2016年11月9日 16:55 JST
9日の金融市場は大揺れとなっている。米大統領選挙で共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利、民主党候補ヒラリー・クリントン氏の勝利を示唆していたに最近の世論調査に目を奪われていたトレーダーらに不意打ちを食らわせた。
米S&P500種株価指数先物は値幅制限いっぱいの5%安となり取引が制限された。欧州株先物も下落。金は英国の欧州連合(EU)離脱選択以来の大幅高となり、円と国債も買われた。メキシコ・ペソは2008年以来の大幅安。
S&P500種先物はロンドン時間午前7時33分現在3.4%安。アジアではインドと日本、ニュージーランド株が最も大きく下げた。一方、円は2.4%高。米国債利回りは一時14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。
原題:Global Markets Roiled as Trump on Cusp of Shock Election Victory(抜粋)
想定外のトランプ氏勝利、既存政治に不満を抱く国民には強壮剤
Mike Dorning
2016年11月9日 17:41 JST
関連ニュース
トランプ氏、クリントン氏に番狂わせの勝利−国民は既成勢力拒否
世界の市場大揺れ、トランプ氏勝利の大番狂わせ−円と金買われる
日本株ショック安、米大統領選でトランプ氏優勢−政治経済の混迷警戒
エラリアン氏やガンドラック氏、トランプ氏の勝利について語る
米大統領選は多くの米国民にとっては想像もつかなかった結果に終わった。
次期大統領はこれまで公職経験がない上、「お前はクビだ」という決めぜりふを使うリアリティー番組の元司会者。女性蔑視発言もためらわず、対立候補を刑務所に入れると豪語するこの人物が近く、米国の核のボタンを握ることになる。
米国人の10人中6人はドナルド・トランプ氏を好まないと言うが、今回の選挙で重要だったのは別の数字で、米国が誤った方向にあると答えた有権者が3分の2に上っていた点だ。
勝利宣言に臨むトランプ氏
勝利宣言に臨むトランプ氏 Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
こうした見方を持つ国民の多くにとってトランプ氏は望ましい大統領で、米国に是が非でも必要な存在と考えられた。ワシントンの因習やポリティカルコレクトネスにとらわれず、小国に立ち向かうため米国の力を行使することも恐れない。そして何より、民主党のヒラリー・クリントン氏ではなかった。同候補は有権者の間では同じく不人気で、既存政治の象徴そのものだった。
トランプ氏はクリントン氏に対してねぎらいの言葉を掛け、9日早朝の勝利演説で、団結を呼び掛けた。トランプ氏はニューヨーク市内のホテルに集まった支持者らに「今は米国民として団結すべき時だ」と語った。
国境の壁の建設や不法移民の本国送還、多くのイスラム諸国からの入国禁止に加え、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国に防衛費負担増加を迫り、米国を再び偉大な国にするというトランプ氏の公約は、同氏に投票した有権者の目には単刀直入かつ劇的で、米国を立て直すに強壮剤に映った。
これはいわば米国版ポピュリズム(大衆迎合主義)だ。欧州で広がり、英国の欧州連合(EU)離脱決定を後押ししたポピュリズムが大西洋を横断し、米国で最高潮に達した形だ。米経済は大不況から立ち直りつつある兆しがあるが、多くの有権者には前進が遅過ぎ、将来の見通しがあまりに不確実に映っている。ABCニュースによると、有権者を対象とした出口調査では、最大の争点として経済と雇用を挙げた割合が52%に上り、テロ対策は18%、外交は13%、移民問題は12%だった。
トランプ氏は大統領就任初日に行政権限を行使して環太平洋連携協定(TPP)から撤退すると公約している。また、中国を為替操作国に認定し、シリア難民の米国定住を阻止し、オバマ現大統領のあらゆる行政命令も覆す方針を表明している。
原題:Trump’s Unthinkable Victory Is a Tonic for Disaffected Americans(抜粋)
日本株ショック安、米大統領選でトランプ氏優勢−政治経済の混迷警戒
鷺池秀樹
2016年11月9日 07:57 JST 更新日時 2016年11月9日 15:38 JST
関連ニュース
トランプ氏、クリントン氏に番狂わせの勝利−国民は既成勢力拒否
世界の市場大揺れ、トランプ氏勝利の大番狂わせ−円と金買われる
想定外のトランプ氏勝利、既存政治に不満を抱く国民には強壮剤
エラリアン氏やガンドラック氏、トランプ氏の勝利について語る
ブルームバーグ ニュースをフォローする
Facebook Twitter
日経平均下げ幅、英国民投票受けた6月24日以来の大きさ
BREXITとは異次元、日本の安全保障・外交に懸念の声も
9日の東京株式相場は大幅安。事前予想に反し、米国大統領選の開票速報で共和党のドナルド・トランプ候補が優勢となり、米政治経済の混迷や日米関係への悪影響が警戒された。急激な円高も嫌気され、輸送用機器など輸出株、証券や銀行など金融株中心に東証1部33業種は全て安い。
TOPIXの終値は前日比62.33ポイント(4.6%)安の1301.16と3日ぶりの下げで、日経平均株価は919円84銭(5.4%)安の1万6251円54銭と続落。日経平均は一時1000円以上下落し、下げ幅は英国の欧州連合(EU)離脱選択を受けた6月24日(1286円)以来、およそ4カ月半ぶりの大きさとなった。
ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、「トランプ氏が米大統領に就任した場合、政策の不透明感がある。ドル安誘導で日本にとって厳しいとの見方もあるため、選挙前に円安を材料に上げた分の反動が出た」とみていた。
開票速報はトランプ氏リード
開票速報はトランプ氏リード Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
8日に投票が行われた米大統領選の開票作業は、日本時間午後3時時点で終盤を迎えた。開票序盤は波乱なしと受け止められ、為替は一時1ドル=105円台、日経平均は256円高まで買われたが、徐々にトランプ候補の獲得選挙人数が増えると、為替、株式は乱高下。午前後半以降はTOPIX、日経平均とも下げ足を速めた。
午後3時現在の獲得選挙人の速報は、共和党のトランプ候補が244人、民主党のヒラリー・クリントン候補が215人となっている。
この日の日本株は、米スレート誌の投票分析予想「ボートキャスター」でクリントン候補が重要州で優位と伝わり、上昇して開始。しかし、午前11時を過ぎてもトランプ候補の優勢が継続すると、投資家の間でリスク回避ムードが一挙に拡大した。午後に入り、ドル・円は一時101円20銭台まで円が急伸。昼休み中の大阪取引所の先物が売り込まれた流れから、日経平均も午後に一段安、一時1059円安まであった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、トランプ大統領誕生なら「マーケットの問題にとどまらず、日本の安全保障、外交上の問題も一気に五里霧中になる。BRXITと全くレベルが違い、短期で戻るとは考えられない」と分析。ヘッジファンドなど短期資金にとどまらず、「国内外の年金からもヘッジ売りが入ってくる見通しで、世界的に急転直下のリスクオフに傾く」と警戒している。
大和証券投資戦略部の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは、日経平均の下値めどは1万5700円と予想。通常の突っ込み警戒感が台頭する5週移動平均線からのマイナス乖離(かいり)率8%程度の水準が想定される、との認識を示した。
東証1部の売買高は38億1019万株、売買代金は3兆9243億円とそれぞれ前日から2.3倍、2.2倍に膨らんだ。代金は、株価指数オプションの特別清算値(SQ)算出も絡んだ2月12日(4兆1834億円)以来、ことし3番目の大商い。値上がり銘柄数は43にとどまり、値下がりは1934。
東証1部33業種は全て下落し、輸送用機器や海運、証券・商品先物取引、鉄鋼、ガラス・土石製品、繊維、銀行、精密機器、保険、ゴム製品が下落率上位に並んだ。
売買代金上位ではトヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループ、任天堂、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、富士重工業、ソニー、ファナック、野村ホールディングス、新日鉄住金、ニコンなどが軒並み大幅安。今期の営業利益計画を下方修正したクボタも売り込まれた。
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
エラリアン氏やガンドラック氏、トランプ氏の勝利について語る
David M. Levitt、John Gittelsohn
2016年11月9日 19:10 JST
関連ニュース
トランプ氏、クリントン氏に番狂わせの勝利−国民は既成勢力拒否
世界の市場大揺れ、トランプ氏勝利の大番狂わせ−円と金買われる
想定外のトランプ氏勝利、既存政治に不満を抱く国民には強壮剤
日本株ショック安、米大統領選でトランプ氏優勢−政治経済の混迷警戒
米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ氏が大番狂わせで勝利したことについて、投資家やエコノミストのコメントは以下の通り。
アリアンツの主任経済顧問でブルームバーグ・ビューのコラムニストのモハメド・エラリアン氏:
エラリアン氏
ヒラリー・クリントン氏の「高い勝利確率を織り込んだポジションを組んでいた市場は現実に沿ったリプライシングを進めている。市場が現在の動きを維持するかさらに大きく動けば、かなりの量の強いられた売りが出るだろう。メキシコに関するポジションのレバレッジ解消がその筆頭だろう」
「一部の人にしか恩恵が及ばず、低水準の成長が余りにも長く続いたため、怒りの政治が顕在化した。大西洋の両側で世論調査はこの傾向を過小評価した。既成勢力や専門家の意見が激しい挑戦を受けている」
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の最高投資責任者ダン・アイバシン氏:
米大統領選挙は「既成勢力に対する強い反感をまたしても示した」
夜の間に大きな動きはしない。英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択した「ブレグジットの夜と同じだ」
ダブルライン・キャピタル・マネジメント創業者のジェフリー・ガンドラック氏:
9日に市場が開けば「大統領選が終わったことで安心して相場が上昇するのか、隙間ができて深淵(しんえん)に落ち込むのかのヒントが幾らか見えるだろう」
原題:El-Erian, Ivascyn, Gundlach on the Prospect of Trump Victory (1)(抜粋)
政府・日銀:円急騰、必要あれば措置と会合で確認−米大統領選受け
高橋舞子、Connor Cislo
2016年11月9日 15:17 JST 更新日時 2016年11月9日 16:52 JST
為替市場に投機的で激しい動き、重大な関心持って見ていると浅川氏
介入には「ノーコメント」、G7対応も今のところ考えず−浅川氏
財務省と金融庁、日本銀行の幹部は9日、米大統領選の接戦で為替相場が1ドル=101円台に急騰したことを受け、財務省内で当局者会合を開いた。会合後、浅川雅嗣財務官は記者団に対し、市場を注意深く注視し、「投機的な動きが継続するようなことがあるなら、必要な措置をとりたい」との認識を共有したと説明した。
会合には、森信親金融庁長官、雨宮正佳日銀理事らも出席。浅川氏は金融市場で「非常に荒い動きが見られる」とし、特に為替市場に関して「商いが量的に少ない中で、非常に投機的な動きが出ていて、激しい動きになっている。われわれとしては重大な関心を持って見ている」と述べた。
浅川財務官
為替介入の可能性については「ノーコメント」と述べ、「介入に限らず、望ましくないボラティリティを除去するために必要な措置を必要なタイミングで適切に取りたい」と強調。主要7カ国(G7)による共同声明などの必要性については「今のところ対応を考えているということではない」と語った。
一方、日銀の雨宮理事は同省内で記者団に、「政府と密接に連携しながら、市場動向をモニターしていく」と述べた。
トランプ氏勝利確実
同選挙では共和党候補のドナルド・トランプ氏が当選し、米国の第45代大統領になることが確実になっている。9日の東京外国為替市場では、トランプ氏の勝利予想が高まり、ドル売りが加速。一時1カ月ぶりの安値となる101円47銭までドルが売られ、安全通貨の円は主要通貨全てに対して上昇している。足元では1ドル=102円30銭(午後4時17分現在)で推移している。
浅川氏は9日の日経平均が1000円近く下げ、終値が1万6251円54銭に暴落したことを受け、「かなり急激な下げだった。為替が円高に振れたとことが影響していると思う」と分析。今後、欧州や米国の市場動向も注視し、「必要な対応をしていく考えに変わりはない」と重ねて強調した。
麻生太郎財務相は8日の閣議後会見で同選挙について「他国の選挙結果にコメントできないが、関心はある」とした上で、「為替に影響が出るというのであれば、対応を見ておかないといけない。常に為替の安定は大事だ」と発言していた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-11-09/OGDAGP6S972801
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。