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ヒラリー・クリントン大統領候補(AP/アフロ)
ヒラリー候補、認知症で「余命1年」説?眼球めくれ&寄り目の異常運動、大きく頭揺れ
http://biz-journal.jp/2016/11/post_17085.html
2016.11.03 文=青柳直弥/清談社 Business Journal
11月8日の一般有権者による投票を控え、いよいよ大詰めを迎えているアメリカ大統領選挙。そんななか、米国で某大学の医学部教授が、動画共有サイト「YouTube」に投稿したヒラリー・クリントン候補の「病状解説動画」が大きな話題となっている。
"Hillary Clinton has 1 Year to Live," says Medical School Professor
件の教授は、「クリントンを批判した多くの人々が殺されるか、破滅に追い込まれたから」との理由を述べた上で、匿名で動画を投稿。過去にテレビカメラに映った、ヒラリー氏の病気が疑われる挙動(の動画)を医師の観点から音声入りで解説。医療関係者でなければわからない専門用語を織り交ぜながら、「ヒラリーは、脳梗塞・脳疾患からくる血管性痴呆症(血管型認知症)で余命1年程度」と分析している。
確かに、パーキンソン病とも老人性認知症とも噂されるなど、ヒラリー氏の健康状態を疑問視する声は、これまでさまざまなメディアでも報じられてきた。米国でも多くの医学専門家がヒラリー氏のパーキンソン病の可能性を指摘する声は多い。
たとえば、インターネットで「ヒラリー 病気」と検索をかければ、複数の記事や動画を簡単に見つけることができる。しかし、今回出てきたのは、医療従事者による詳細な説明を伴う「余命1年説」である。
■動画自体が加工されている可能性
だが、この説は鵜呑みにしていい情報なのだろうか。実際のところ、医療に精通していない一般人には判別のしようがない。そこで、真偽を探るべく、動画を都内で開業医を営むA医師(仮名)に解説してもらった。
A医師は「あくまで個人の見解」として取材に応じた。
ヒラリー氏「余命1年説」の根拠とされる挙動を捉えた映像の中で、もっとも衝撃度が高いのが、コメント中に眼球運動の異常が起こる動画だ。ある演説中には左の眼球がめくれたようになり(数秒で戻る)、またあるときは一時的に数秒間、寄り目になったまま司会者と対話を続けている。その様子は、誰が見ても異常で不気味だ。まずは、この動画をA医師に観せると、「う〜ん……このぐらいなら簡単に加工できますよね」と予想外の言葉が返ってきた。
「まず、こんなふうに話しながら、眼球運動の異常が起こる人はいません。確かに、中枢性脳疾患などの脳の病気で眼球運動の異常が出てしまう人は時々います。しかし、普段は正常で、時々、異常が出るという症状の人はめったにいません。これが本当なら、症状としては相当なレアケース。むしろ動画の信憑性を疑いたくなります」(A医師)
いわれてみれば、確かに動画自体が加工された可能性についての視点は、これまでの各報道でも抜け落ちていたかもしれない。次に、A医師に観てもらったのは、ヒラリーが記者団に囲まれて取材を受けている場面で、突然、大きく頭を前後に揺らす異常な光景だ。
「こうした『不随意運動』(自分の意思とは関係なく体が動いてしまう症状)が本当に起きているのなら、それはもちろん病気の可能性が高いでしょう。しかし、そうだとすれば『てんかん』や、脳の痙攣発作は自身ではコントロールできませんから、普段の生活の中で、もっと頻繁に症状が出るはずです。ヒラリー氏の『メディカル・医療担当』の側近が、ジアゼパム(痙攣を止める注射薬)の自己皮下注射器を持っているとする画像もありますが、いくらジアゼパムを持っていても、症状を隠し通せるものではありません。基本的に『不随意運動』の治療薬はないですし、仮に痙攣発作が出たその場で注射を打ったとしても、発作が収まるまでには20〜30分かかります。そういった意味でも、この動画だけで、典型的な発作症状とは言い切るのは難しいでしょう」(同)
結論として、これらの動画から余命1年と断定するのは強引すぎるとの判断だが、その一方でA医師は、「ヒラリー氏は極度の『骨粗しょう症』」と指摘する。
「以前、彼女は骨折(09年、イエメンで飛行機搭乗中に失神して転倒、肘を骨折)しました。そのころ、ヒラリー氏の夫であるビル・クリントン氏が大統領でしたが、50歳以上は骨粗しょう症の治療薬を保険適用なしで使用できるように法改正されました。ヒラリー氏は69歳と高齢ですし、動きなどを見ていても、骨粗しょう症は間違いないでしょう」(同)
さまざまなヒラリー氏の重病説、そして今回の余命1年説……。これらは、単に噂がひとり歩きしているだけなのか、政治的陰謀なのか、それともほかに裏があるのか。大統領選挙の行方とともに、ヒラリー氏の健康問題からも、当分目が離せそうにない。
(文=青柳直弥/清談社)
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