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日露平和条約交渉そのものや歯舞・色丹の返還要求にいちゃもんを付ける国はないだろうが、国後・択捉の領有をめぐる日露交渉はいちゃもんが付けられる要素がある。
米国の従来の立場では、ロシアの国後・択捉領有権が確定しているわけでもなく、サンフランシスコ講和条約で千島列島を放棄している日本がロシアにその返還を求める法的根拠もないからである。
(この問題は、サ条約で日本が放棄した南シナ海の島々に対する領有係争と同じ)
そういう意味で、国後・択捉の領有問題を日露平和条約交渉の遡上にのせるためには、択捉・国後は、歯舞・色丹と同様、北海道に付属する島であり千島列島には属さないという国際的了解が必要になる。
歯舞・色丹2島の先行返還論や択捉・国後の日露共同統治論などが見え隠れしているが、将来に問題解決を先送りする愚は避けるべきである。
平和条約の締結時点で国境問題を確定しておかなければ、これまでと同じような“日露対立関係”を呼び起こすトゲとなるだろう。
主権が二重化する(曖昧になる)共同統治は、植民地をめぐる宗主権係争では一つの解決策になるが、本土(日本国民の永続的居住地)をめぐる係争では絶対に採用してはならない。
個人的には、「不法占拠されている歯舞色丹の返還+国後択捉海域漁業権確保+使用済み核燃料のロシア受け入れ(別途合意事項)」で平和条約が締結できれば上々だと考えている。
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12月のプーチン・安倍会談は平和条約締結の「最後のチャンス」?
オピニオン
2016年10月18日 18:09(アップデート 2016年10月18日 18:12)
リュドミラ サーキャン
ロシアのプーチン大統領の日本訪問まで2カ月、両国間の領土問題がどう解決されるのか、あまりはっきりしていない。日本のマスコミは、あれやこれやのバリエーションを報道しているが、日本外務省は、すぐにそれらに反論している。いわゆるイエローペーパー的な大衆紙であれば、それも分かるが、そうした報道は、極めて信頼性の高いマスメディアもしている。
例えば先日、日本経済新聞は、政府消息筋の話として、会談で安倍首相は、プーチン大統領に対し、シコタンとハボマイが日本の管理下に移された際、エトロフとクナシリに共同統治ゾーンを作ることを提案する意向だと伝えた。また、4島すべてを共同統治にするというバリエーションも検討されているという。先に読売新聞には、日本は平和条約締結の条件として、1956年のソ日共同宣言で言及されたハボマイとシコタンの2島の譲渡で満足するだろうとの記事も載った。
エトロフとクナシリに関する交渉については、日本政府は、平和条約締結後にそれに戻る意向だとのことだ。新聞報道では、そうした決定の方が、ロシアは受け入れやすいだろうとしている。
日本の公式筋は、4島すべての帰属に関する日本のカギとなる立場が見直されることはないと何度も繰り返し説明しているが、安倍首相は、前へと進む用意のあることを幾度となく示唆してきた。ロシアの専門家の中には、12月のプーチン安倍会談は、さらに60年、条約の調印を遅らせないためには、今回が領土問題解決の「最後のチャンス」になる可能性があると捉える人達もいる。モスクワ・カーネギー・センターのドミトリイ・トレニン所長も、そう考える人の一人だ−
「ロ日関係の突破口は、互いが譲歩しあい領土問題を取り去ることなくしては開くことはない。外交交渉の過程で合意を達成するだけでなく、そのあと、この合意に対する両国のエリート達や世論の支持を得るというのは、極めて複雑かつ困難だ。しかし、もし対外的状況がロシアと日本の接近を妨害しないのであれば、双方が領土問題調整プランの輪郭を描くことは可能だろう。そうなれば、完全な協力のための新しい可能性を約束する平和条約調印に、本格的に近づくチャンスが生ずる。」
続いてスプートニク日本記者は、カーネギー・センターの客員研究員で、東京大学法学政治学研究科の高原明生教授に御意見を伺った−
「今実際どういう交渉が行われているか、私は知りませんので、想像するだけですが、やはり安倍内閣もプーチン政権も、日ロ関係を発展させることの重要性はよくわかっていると思う。ロシアが極東の開発に熱心になっており、これは日本にとって大変喜ばしいことで、だからこそ8項目の協力提案も領土問題も、大きな進展があることを国民は期待していると思う。ただ実際そうなるかどうかは交渉次第なので、あまり大きな期待をかけすぎてもいけないだろう。また東アジアのバランスを考えると、日本とロシアの関係が良くなることは、決して損ではないという考え方もある。」
また九州大学比較社会文化研究院の相沢伸広准教授は、スプートニク日本記者の取材に対し「最高首脳会談の時期として最も今は相応しい」と指摘され、次のように続けた-
「これから2カ月、重要な時なのでドキドキしている。最近良いニュースがたくさんある。例えば、米国との関係だ。米国は、日本とロシアの関係を支持すると言っている。別に日本は、他の国に反対されて、ロシアとやっているわけではない。日本には安心感がある。やはり日米の関係は強いからだ。米国はすでに、日本は自国の利益のために行動しており、日ロ関係は米ロ関係と違うと理解している。日本も、そうした政治的選択ができる。その事を普通の日本人も知っている。領土とか歴史は、経済と違い交渉するのに筋が悪い。世論を納得させることが難しいからだ。その辺が日ロ両政府の、今後の腕の見せどころだ。しっかりと理由をどう説明するのか、何のために交流するのか、説明の仕方が重要で、領土とか歴史ばかりでなく、もっと何か大きな理由を作らないといけない。それがあれば、少しは納得する。プーチン大統領個人は、結構、日本のイメージは悪くない。(最高首脳会談には)今がベストの時だと思う。会談がうまく行けば、将来にとって良いが、失敗すると今後が非常に心配だ。それぐらい、これからは大きな2カ月になるだろう。」
10月17日、東京のロシア大使館で開かれた、1956年のソ日共同声明調印による外交関係回復60周年を記念したロ日フォーラムの開会式では、セルゲイ・ラヴロフ外相のメッセージが読み上げられた。その中では「ロシア政府は、日本との領土問題調整のため最大限の努力を傾ける用意がある」と述べられている。
https://jp.sputniknews.com/opinion/201610182916465/
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