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アメリカの政治評論家が続々「ヒラリー圧勝」予測を打ち出した理由 テレビ討論を通じて見えた二候補の本性
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49843
2016.10.01 歳川 隆雄 ジャーナリスト 「インサイドライン」編集長 現代ビジネス
■米軍の最高司令官にふさわしいか
「クリントンは討論会で勝った。入念な準備をしたことで、彼女が語ったことは明確で簡潔だった。さらに取るに足らないことには一切触れず且つ効果的なトランプ攻撃を展開した。一方のトランプは、当初はまあまあ良かったが、次第に自分をコントロールできなくなり、最後は支離滅裂になった」――。
9月26日にニューヨーク州ヘンプステッドで行われた第1回米大統領選テレビ討論直後、ワシントン在住の共和党系コンサルタント、カール・アイゼルスバーグ氏が筆者にメールで寄せた「判定」である。メールにあったincoherentはかなりキツイ表現で、「支離滅裂」と訳すべきものだった。
一方、やはり筆者の知己でニューヨークに住む民主党系のジャーナリスト、リチャード・カッツ氏の「判定」は、次のようなものだった。
「ヒラリーは、予備選を含めて今まで観た中でベストの出来栄えだった。トランプは彼女を怒らせて守勢に回らせようとしたが、ことごとく失敗した。逆に彼女がトランプを受身に晒らした。そして自分はいつでも仕事にかかれる準備ができており、それだけの才能があり、聡明であることを印象付けた」――。
ヒラリー・クリントン前国務長官に“やや甘”の感じがするが、カッツ氏の名誉のため言っておくと、同氏はオバマ民主党政権、特に2期目にはかなり厳しい評価をしており、大統領選遊説期間中のクリントン氏の発言に対しても批判の手を緩めていない。
カッツ氏のメール表現を紹介すると、she came off smart and knowledgeable, ready to the do the job.とあった。同氏が言わんとしたことは、米メディアが一応に指摘したドナルド・トランプ氏が果たして米陸・海・空・海兵隊の4軍最高司令官に相応しいのかという疑念に通じるものだ。
確かに、筆者がテレビ中継で見た限りでも「クリントン圧倒的優勢」という印象を持った。では、クリントン氏は10月9日の第2回テレビ討論(ミズーリ州セントルイス)、同19日の第3回テレビ討論(ネバダ州ラスベガス)でもトランプ氏を論駁して11月8日の大統領選本選の投開票日で勝利できるのだろうか。
■クリントン大統領はもって1期。2期は無理。
外務省で対米政策を担う北米局の見立ては60%以上の確率で「クリントン大統領」が誕生するというのだ。米国史上初めてビル・クリントン、そしてヒラリー・クリントン夫婦が共にアメリカ合衆国大統領に就任することになる。
戦後の大統領選を振り返ってみると、3期連続で同じ党から大統領が当選したのは1回だけだ。共和党のロナルド・レーガン大統領時の1988年大統領選で同党候補のブッシュ父氏が民主党のデュカキス候補を破り89年1月に大統領に就任した。ところが、ブッシュ父現職大統領は92年大統領選で民主党のビル・クリトン候補に敗北したため、共和党政権は3期で終わった。
1952年大統領選の共和党アイゼンハワー(当時トルーマン大統領・民主党。以下同じ)、60年大統領選の民主党ケネディ(アイゼンハワー大統領・共和党)、68年大統領選の共和党ニクソン(ジョンソン大統領・民主党)、2000年大統領選のブッシュ子(クリントン大統領・民主党)、08年大統領選の民主党オバマ(ブッシュ子大統領・共和党)のように、当選候補はすべて現職大統領と所属政党が異なる。
こうして見ると分かるように、ヒラリー・クリトン氏が大統領選に勝利して、仮に17年1月から2期8年大統領を務めれば、バラク・オバマ大統領の2期8年と合わせて、民主党は4期連続大統領を輩出することになる。それは画期的なことだが、筆者には「クリントン大統領」がとても2期8年続くとは思えない。
一方の共和党は、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(ブッシュ子元大統領の弟)が予備選でいち早く脱落してからトランプ氏を大統領候補に指名する過程で党内に大きな混乱を来たし、党勢は著しく低下した。党勢回復に相当な時間がかかるのは間違いない。
それにしても、ヒラリー・クリントン氏は圧倒的な経済力、軍事力、そして技術開発力を持って世界最強パワーを誇った米国の地盤沈下を食い止めることができるのだろうか。
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