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あっしらさんへのレッドカード その5 アベ再登場の意味
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/387.html
投稿者 影の闇 日時 2016 年 9 月 25 日 22:15:08: HiXvZf/FmwPNU iWWCzIjF
 

 ところで、このようにしてみてくれば、本当は事態は逆だったかも知れない、という考えが浮かびます。 アベ政権の登場とその北東アジアへの態度がこのような展開を生み出したのかも知れない、と。  

李明博政権は12年6月に、「慰安婦問題」を理由に、「日韓秘密情報保護協定」をドタキャンします。 そうして、8月の「竹島上陸」「天皇謝罪発言」と続くわけですが、これは、大統領にもその内容が知らされず、条約当局者だけで秘密裏に進行して、調印寸前だった同協定を葬り去るのを意図したものであるのは明白です。
もしも調印していたら、再び日本に朝鮮半島への軍事関与の道を開いたとして、国論は分裂、李明博氏は、”第二の李完用”として、”売国奴”の汚名を着せられたことは必定でしたからね。 在日出身である李氏には耐えられなかったでしょう。 そうしてこれは、日本の政治状況の変化によるものと考えれば納得がいくのです。

 「中国漁船衝突事件」により、日中間は尖閣を巡って火種が燻り続けていましたが、この年、石原チンタが火をつけて(都購入)、急速に日中関係が悪化する兆しを見せ始めました。 この流れで9月に「尖閣国有化」がなされるのですが、同じ月にアベが党総裁として復帰します。 一見別々と思えるこの動きですが、底流では繋がっていることは、見る人が見れば分かるのです。 サッチャー氏の証言にある通り、この30年余り、「尖閣棚上げ」は日中間の暗黙の合意だったのであり、「国有化」は、それを反故にするばかりか、対中関係を180度転換するという意思表示なのですから。

 そこに”安保”の直系アベが再登場する、満を持して。 否、これも又逆だったかも知れない。 オバマ政権のアジア回帰=リバランスを背景にして、「尖閣」や「日韓秘密情報保護協定」締結の動きなど、日本を取り巻く環境の変化に促される形で、今度こそ出番ということで登場したのかも知れない。

 ともあれ、韓国にしてみれば、このような北東アジアの激変の予兆に「協定」を重ねてみれば、そのもたらす行く末に慄然としたはずです。 台湾が尖閣となってるだけで、これはもう、「韓国の安全は日本自身の安全にとつて緊要」「台湾地域における平和と安全の維持も日本の安全にとつてきわめて重要」とした「日米共同声明」(69年)のラインに戻ることを意味する。 即ち”日本軍国主義の復活”と、中国が警鐘を乱打した70年代初頭の状況に舞い戻ってしまうのです。 朴政権になって、一段と「慰安婦問題」が重みをもって、日韓関係の前面に出て来た理由は、恐らくは、その辺に在ると思っております。 そのような日本との(軍事)接近を忌避するために、ということでしょう。 また、他方、国内(親米)外(日米)の圧力に抗して、朴政権が進めた「対中接近=北吸収合併)はそのエクスキューズでもあったのかも知れない。 

もちろん、これが朴政権一存で進められた、とは思っていません。 私は、丁度金大中政権の「太陽政策」の背後にクリントン政権がいたように、朴政権の対中接近の背後にはオバマ政権がいると思っています。 即ちこれは、反面では、オバマvs軍部(軍産)の戦いでもある、ということです。  

軍産と言えば、石原チンタが「尖閣購入」をぶち上げたヘリテージ財団は、別名”ミサイル財団”と呼ばれ、ペンタゴンと強い繋がりを持つ、右派の代表的なシンクタンクとして知られておりますが、その最大のスポンサーはメロン財閥の総帥、そうして、メロン財閥と言えば、その中核企業だったガルフが尖閣問題の火付け役でした。 いや尖閣というより、日韓台の夫々の大陸棚資源問題(つまり対中国との紛争の火種)を焚き付け、軍事的劣勢のべトナムに替わって、あわよくば極東に第二戦線を開こうとする目論見であり、それは(アジアー実質中国ーへの軍事介入を否定した)グアム・ドクトリン(69)さえも無視するものでした。
 そのような、東アジアのあちこちに火を付けて回る挑発行為に業を煮やしてか、アメリカ奥の院から、”ロックフェラーの大番頭”と言われた、元世銀総裁ジョン・J. マクロイが表舞台に登場して来て、「アメリカの国益に反する」として、ガルフを東アジアから追っ払って仕舞います。 この動きが、やがて、ロッキード事件(東部エスタブリッシュメントによる軍産複合体の粛清)に繋がって行くのです。

さて、以上の様に見てくれば、アベ政権の登場及びその目論見が、72年の田中政権の登場以来の成果をご破算にしーこの30年間は無かったものとしてー佐藤政権から地続きにしようとするものであるのは明らかだと思います。 昨今の日本を見れば、尖閣といい朝鮮半島といい、東アジアの国際状況があたかも70年代初めに戻ったかのように見えて来るのは、むしろかかる日本の政治状況(アベ登場)の投影と考えるべきなのです。

何故そのようなことが言えるのか? 以下のスレッドをご照覧あれ。

南部大統領と薩長政権 その1
http://www.asyura2.com/09/idletalk37/msg/187.html

南部大統領と薩長政権 その2
http://www.asyura2.com/09/idletalk37/msg/188.html

南部大統領と薩長政権 その3
http://www.asyura2.com/09/idletalk37/msg/189.html

南部大統領と薩長政権 その4
http://www.asyura2.com/09/idletalk37/msg/190.html


さて、どうでしょうか? 少なくとも”心霊写真”よりも説得力があるでしょ?(笑)

 

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