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裏切りは当たり前、フランス大統領選の仁義なき戦い 辞任したマクロン経済相は「ブルータス」なのか?(JBpress)
http://www.asyura2.com/16/kokusai15/msg/326.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 9 月 19 日 00:14:09: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

フランス・パリで、経済相を辞任後に記者会見するエマニュエル・マクロン氏(2016年8月30日撮影)。(c)AFP/MATTHIEU ALEXANDRE〔AFPBB News〕


裏切りは当たり前、フランス大統領選の仁義なき戦い 辞任したマクロン経済相は「ブルータス」なのか?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47910
2016.9.19 山口 昌子 JBpress


 フランスは来春の大統領選を控えて、選挙がらみの報道が多くなっている。バカンス明けの最大のニュースは、「エマニュエル・マクロン経済・産業・デジタル大臣の辞任」だった。大統領選に出馬するための辞任とみられる。

 マクロンは弱冠38歳、イケメン、議員歴なし、夫人は高校時代に教わったフランス語教師で25歳年上と、話題には事欠かない。夏には週刊誌「パリ・マッチ」の表紙を、若々しい水着姿の夫人とのツーショットで飾り、大きな注目を集めた。

■オランドの支援で今の地位を築いたマクロン

 さらに話題を盛り上げているのが、「マクロンはブルータスだ」というアラン・ジュペ元首相の指摘だ。つまり、マクロンは主人に若い時から目をかけられ、後継者に目されながら、暗殺に加わった「裏切り者」だというのだ。

 マクロンは、エリート育成の高級官僚養成所・国立行政院(ENA)を出て財務監察官を務めた後、ロッシルド(英語読みは「ロスチャイルド」)銀行に入行し、大企業の合併などで活躍。同行のナンバー2にまで上り詰めた。

 2012年5月、フランソワ・オランドが大統領に就任すると、マクロンはエリゼ宮(仏大統領府)の事務局次長に任命された。

 そのときマクロンは一般的にはまったく無名の人物だった。社会党内からは、「なぜ、金持ちの代名詞のようなロッシルドの人間を左派政権に迎えるのか!?」と批判の声が上がった。

 2014年夏の内閣改造で、マクロンは初めて入閣した。このときは政府内からも「政治家として経験ゼロの人間に主要大臣が務まるのか」と非難の声が渦巻いた。

 しかし、2015年には通称「マクロン法」(注)を制定させるなど、大統領とマニュエル・ヴァルス首相のサポートを得ながら、政治家としての実績を積み上げていった。

(注)デパートや有名ブティック店などの「日曜開店」の日数を年5回から12回に増やすなど、それまでタブー視されてきた労働法の一部を改定した。

 国民からの人気も高く、今や世論調査では「左派で大統領にしたい人」のトップの座を首相と争うほどである。

 辞任したマクロンは、まだ大統領選への出馬宣言はしていない。オランド大統領の出馬の有無などを確認してからとの見方が支配的だ。

 マクロンにとって、オランド大統領は政界への道を切り開いてくれた恩人だ。批判や非難もことごとく退けてくれた。その恩人に対する「裏切り者」との印象を少しでも和らげて出馬するために、大統領の出馬の意向や時期を見計らっていると思われる。

■左派も右派も裏切りだらけ

 フランスの大統領選では、「裏切り」は珍しくない。

 1995年の大統領選で右派政党「共和国連合」からジャック・シラク党首が出馬したとき、エデュアール・バラデュール首相(当時)が30年来の友人であるシラクを裏切って立候補した(選挙ではシラク氏が勝利した)。

 この時、バラデュールを支持したのがサルコジ予算相(当時)だった。シラクはサルコジを息子のように可愛がっていただけに、サルコジの裏切りに深く傷付いた。

 それ以来、シラクとサルコジの確執が続いている。2012年の大統領選で、シラクは自派のサルコジではなく「オランドに投票する」と発言し、物議を醸した。後になってシラクは「冗談だった」と言いつくろったものの、あの発言は本気だったに違いないとの見方が一般的だ。

 サルコジは2017年の大統領選に出馬する予定だ。しかし、2007〜2012年のサルコジ政権下で5年間首相を務めたフランソワ・フィヨンや、閣僚を務めたナタリー・コシュクソモリゼら数人も、大統領選予備選への出馬を表明している。シラクを裏切ったサルコジが今度は「裏切り」に遭っているというわけだ。フランスの政界は、今や左派も右派もブルータスばかりである。

 アラン・ジュペ元首相は「マクロンはブルータスだ」と指摘する一方で、「ただし、オランドはシーザーではない」とも発言している。オランドはそれほどの政治家ではないという辛辣なコメントだ。確かにオランドをローマ最大の政治家で英雄になぞらえるのは無理がある。

 ジュペとしては自らが予備選を勝ち抜いて大統領選に勝利し、シーザーの座を目指すつもりなのだろう。だが、シーザーになれるかどうかは分からない。そして、いつ裏切りに遭うかも誰にも予見できない。

 

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コメント
 
1. 晴れ間[1275] kLCC6orU 2016年9月19日 14:47:46 : xni5yVaf3k : Fxfse0RTtHo[398]
この山口昌子という人、以前よりマクロンを持ち上げているけれど、マクロンは名実共に「新自由主義者」。
新自由主義者の間では人気があるのかもしれないが、勤労者の間ではむしろ嫌われていると思う。

今年の労働法改悪法案は、担当大臣の名前を取って「エルコムリ法案」と呼ばれたが、別名「エルマクロン法案」とも言われた。
その労働法改悪法案反対闘争の中で、労働法改悪に反対する労働組合活動家たちとマクロンが衝突するという「事件」が起きた。

フランスの労働者や勤労者は一般に、ラフな格好をしている。夏ならジーンズにTシャツだ。
Tシャツ姿の労働組合活動家たちに、スーツ姿のマクロンが言った。「いい服(コスタール)を着たければ働け!」と。(コスタール自体は俗語。)
労働組合活動家は「仕事を探してるんだよ」と反論し、両者はほとんど殴り合いになりそうな雰囲気だった。

このニュースはネット上ですぐに「#UnTShirtPourMacron」というハッシュタグ付きで広まった。Tシャツの図案は、マクロンの写真に「#JeSuisMépris」という言葉が添えられている。
「私はメプリ(軽蔑)」とは、いうまでもなく「私はシャルリ」をもじったもである。「#JeSuisMépris」の語も広まった。

次の huffingtonpost の記事に、このTシャツの写真が掲載されている。 (この言葉の発案者や、著名ジャーナリストや野党指導者の twitter 投稿記事も載っている。)
http://www.huffingtonpost.fr/2016/05/28/t-shirt-macron-polemique-costard-lunel-_n_10179256.html


はっきり言って、この言動により、マクロンが大統領になれる道は閉ざされた。フランス人は、競争で自分一人だけ勝ち抜こう、というタイプの人間を嫌うからである。
マクロンが選挙に出ることは可能である。高所得層を中心に、フランスの「新自由主義的改革」を望む層が一定程度いることも事実である。
しかしマクロンが「大衆」の支持を得ることは不可能だろう。「マクロン=大衆蔑視」というイメージは強烈である。


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