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EU離脱は大英帝国復活の始まり <中>多くの難民が押し寄せ 国境に“巨大な壁”建設の既視感
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/189468
2016年9月8日 日刊ゲンダイ 文字お越し
カレーでは大規模デモも(C)AP
英内務省は7日、フランス経由での不法移民流入を阻止するため、巨大な「壁」の建設に踏み切った。英仏の合意に基づく措置で、ドーバー海峡に面した仏北端の港町カレーの沿岸を1キロにわたって、高さ4メートルの壁で包囲する。フェリーや海底トンネルで国境を越えるトラックに、不法移民が飛び乗るのを防ぐのが狙い。建設費270万ユーロ(約3億1000万円)は英政府が負担する。
英国のEU離脱決定直後から、フランス国内では「国境を本来あるべき場所に戻すべきだ」という議論が急速に高まっていた。カレーには、本来は英国にあるはずの「英国入国審査」の機能が置かれている。
目的は難民対策だ。英国を目指す中東、アフリカ方面からの難民の大陸最後の目的地がこのカレーで、対岸まではわずか35キロ。晴れた日には海峡の向こうに街影を望み、トラックに潜り込めば、新天地はすぐそこだ。
しかし、これまで英国はEU加盟国の中で、例外的に難民の受け入れを拒否できた。英国はフランスと国境管理協定(ル・トゥケ協定)を結び、英国に入国しようとする難民をカレーで食い止めてきたのだ。そのため、人口約7万人のカレーには「ジャングル」と呼ばれる仮設住居に暮らす難民が増加し、8月末にはその数が1万人を突破。市民の不快感や怒りは頂点に達しつつあった。
「国境をあるべき場所に」とは、この協定の廃止を意味する。「EUを離脱する英国のために犠牲を払う理由はない」というフランス側の主張は理解できる。来年の大統領選で復活を目指すサルコジ前大統領も、廃止を支持する方針だ。
EU離脱が決まった8月以降、案の定というのか、カレーで足止めされていた難民の一部が、ドーバーに向かう大型トラックの運転手を襲撃する事件が相次いでいた。捨て身で入国を試みる難民と英国はどう向き合うのか。内務相時代、テロ対策として出入国管理を厳格にしたメイ首相の出した答えは、かつてのベルリンを彷彿させる巨大な壁の建設のようだ。
(経済コラムニスト・加多忠良)
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