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[世界の鼓動]エチオピア 中国が存在感
首都の日本人街、様変わり 「中華街」化一気に進む
エチオピアの首都アディスアベバ。アフリカ連合(AU)が本部を置くアフリカ大陸有数の国際都市だ。最近、同市で目立つのがアフリカ諸国への開発支援などで駐在する中国人。その存在感はかつての日本人街をチャイナタウンに様変わりさせるほどになっている。
中国人向けの野菜が山積みになった市場。漢字がプリントされた上着を着たエチオピア人の姿も
アディスアベバの空港に降り立つと、中国語のポスターがずらりと張られ、中国人向けに設けられたらしいカウンターも目に入る。あちらこちらから聞こえてくる中国語のささやき。中国とエチオピア、アフリカ諸国とのつながりが深まっていることをいや応なく感じる。
開発支援背景に
アディスアベバにチャイナタウンが登場したと耳にした。現地の人に場所を聞いてみると、地名は意外にも「ボレ・ジャパン」。
日本大使公邸に近く、もともとは日本人が多く暮らしていたことが地名の由来になっているという。中国がアフリカ向けの開発支援、経済投資を強めたこの数年で中国人街化が一気に進んだ。
その通りへ行ってみた。100メートルほどの街区には中国語の看板が立ち並び、店先に中国産の野菜、香辛料が山積みになっている。主な客は現地で働く中国人やその家族だが、豊富な品ぞろえにひかれてエチオピアの人たちも利用するようになってきたという。
日本人街の名残とおぼしき店があった。看板に「ジャパン・スーパーマーケット」とある。しかし、商品棚にあるのは中国製品や現地の一般的な雑貨ばかり。店主のクドゥスさん(45)は「店は付近の目印になっている。待ち合わせに使う人もいるし、長年親しんだから名前を変えるわけにはいかないんだ」と話した。
日本のものはないのかたずねた。「これがただひとつの商品」と奥から出してきたのは「味の素」の小瓶だった。
多くは単身赴任
中国人向けの巨大なカラオケ専門店もある。ホテルを改装した「皇朝大酒店」は20以上の部屋を備える。どの部屋にも巨大な薄型モニターとぴかぴかのミラーボール。「焼きそば」などの料理も注文できる。
仕事の仲間と訪れた建設会社幹部の王洋さん(33)は「月に1度は気分転換で利用する」。エチオピアで働く中国人は単身赴任が多く、遠く故郷を思いながらウイスキーグラスを片手にマイクを握る姿は日本人の海外勤務者と変わらない。
かつての日本人街が中国人街になってしまうのは寂しい気もするが、現地の日本人は変化を柔軟に受け入れている。
旅行業を手掛ける古賀美夕紀さんは「中国人の仕入れた新鮮な野菜を買えるようになった。トウモロコシも飼料用ではなく、スイートコーンが食べられる」と歓迎。年内にもアディスアベバに日本食料理店を開く予定で、日本人駐在員にとっては待望の日になっている。
先進諸国が影響力を強めようとしのぎを削るアフリカ大陸。めざましい経済発展の最前線で、街はこれからも姿を変えていく。
(アディスアベバ
=岐部秀光)
[日経新聞9月4日朝刊P.30]
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