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コラム:高額所得のクリントン氏、トランプ陣営が攻撃できない訳
By Gina Chon
[ワシントン 12日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏は12日、2015年の確定申告の内容を公表し、実効税率が34%だったと明らかにした。同氏と夫のビル・クリントン氏を合わせた昨年の収入は1000万ドル強に達した。選挙戦で所得格差が大きな焦点となっている中で、クリントン夫妻が上位1%の高額所得層に入っていることが鮮明となった。
だが共和党候補ドナルド・トランプ氏が確定申告書の公開を拒否しているため、共和党陣営がクリントン氏の富とその源泉を攻撃することは難しくなっている。クリントン氏が高額所得者への批判から逃れるための「抜け穴」をトランプ氏が提供している格好だ。
ヒラリー・クリントン氏は大統領選に出馬したことで、主要な収入源である講演料を断念せざるを得なくなった。2014年に同氏は講演料として約1050万ドルを稼ぎ出し、ビル・クリントン氏の講演料の970万ドルを上回った。私的な講演会の聴衆にはゴールドマン・サックス(GS.N)やドイツ銀行(DBKGn.DE)などウォール街の金融機関が含まれていた。こうした講演会をめぐっては、民主党予備選に出馬したバーモント州選出の上院議員バーニー・サンダース氏やトランプ氏が、特定の利益団体からクリントン氏が恩義を受けているとして厳しく非難した。
昨年の確定申告書によると、クリントン夫妻の所得は2014年の2800万ドルから大幅に減少している。ヒラリー氏が6回の講演で約150万ドルを稼ぐ一方、夫のビル氏も講演で500万ドル超を得ている。夫妻とも公職に在任した期間が、高額の収入に結び付いている。
こうしたクリントン夫妻の高収入は、トランプ氏と彼の支持者にとって付け込む絶好の材料であり、攻撃を試み続けようとするだろう。だがこれまでのしきたりに反してトランプ氏は確定申告書の公開を拒否している。このためトランプ氏がどれほど金持ちなのか、どの程度の所得があるのか、連邦税の税率は何パーセントなのか、慈善事業にどの程度の資金を寄付しているのか──といったことをめぐり憶測が飛び交っている。ニューヨーク・タイムズ紙は最近、トランプ氏が不動産開発業者向けの税制優遇措置を利用して税金をほとんど払ってないか、まったく払っていない可能性があると報じた。
歴代の2大政党の大統領選候補者が約40年にもわたって続けてきた税務申告内容の公開は、クリントン氏にとっては高額所得に対する攻撃の効果を鈍らせる可能性がある。一方でトランプ氏にとっては、もっと税金を払うべきだという声に結び付くかもしれない。
●背景となるニュース
*米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏は12日、2015年の確定申告の内容を公表した。それによると、同氏と夫のビル・クリントン氏を合わせた調整後の総収入は約1060万ドル、連邦所得税は360万ドルだった。また夫妻は100万ドル超の資金を慈善事業に寄付した。
*クリントン氏は既に2007年から14年までの確定申告の内容も公開している。14年の夫妻の収入は約2800万ドル、納税額は約1000万ドルだった。
*共和党候補のドナルド・トランプ氏は自身の確定申告の内容について、内国歳入庁の監査が終了していないとして公開を拒否している。過去40年間にわたり2大政党の候補者は自分の確定申告書を公開している。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/column-trump-tax-clinton-idJPKCN10Q07U?sp=true
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