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米大統領選 民主党指名候補にヒラリー・クリントン 「女性初」への期待と反発〈AERA〉
http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/759.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 02 日 07:30:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

             警備員スウィニーの背後に金属探知機が見えるSWWCの入り口(撮影/モーガン・フリーマン)


米大統領選 民主党指名候補にヒラリー・クリントン 「女性初」への期待と反発〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160801-00000182-sasahi-n_ame
AERA 2016年8月8日号


「女性の勝利です」。米民主党は、主要政党で初となる女性大統領候補に、ヒラリー・クリントン前国務長官を指名した。感動の涙を流した女性も多いが、共和党地盤の中西部では、女性をとりまく環境はなお厳しい。

 米中西部のカンザス州ウィチタ(人口約39万人)の郊外に、その産婦人科クリニックはある。サウス・ウィンド・ウィメンズ・センター(SWWC)。近づくと、高さ2メートル以上の木製の塀で敷地はぐるりと囲まれ、医療機関とは思えない異様な雰囲気だ。塀の内側に車を進めると、駐車場にはパトカーが1台止まっており、入り口の扉には「銃持ち込み禁止」のステッカー、扉の中には金属探知機があった。

 ここは、カンザス州と近隣4州にまたがる半径320キロ圏内で唯一、人工中絶手術を提供するクリニックだ。保守的な中西部・南部では、レイプなどによる妊娠で人工中絶の選択を女性に認める立場(プロチョイス)に対し、生命尊重を理由とした中絶反対派(プロライフ)の批判や攻撃が想像を絶するほどに激しい。

 1970年代にSWWCの前身の医療機関を開業したジョージ・ティラー医師は2009年5月、礼拝に参加していた教会で、中絶反対派に頭を銃で撃たれて死亡した。

「5年間、彼のクリニックの警備をしていた。教会には警備がないから狙われたんだ」

 と、現在もSWWCの警備にあたるカール・スウィニー(68)は話す。

●人工中絶に保守派が反対 避妊まで「生命軽視」と

 故ティラー医師の下でスポークスパーソンとして働いていたジュリー・バークハートは、中西部の女性の権利と婦人科治療に貢献したいという同医師の生前の信念を継いで、「トラストウィメン基金」を設立し、SWWCを13年に開業した。取材に訪れると、

「今日は、人生で何度かしかない最悪の日なの。悪いけど、私の写真は撮らないで」

 と言いながら、バークハートは事務室に現れた。約束の時間にクリニックに行ったが、いったんキャンセルされ、それから数分後のことだった。

 SWWCの外には毎日、中絶反対派の活動家数人が立ち、出入りする車に声を上げる。クリニックが「殺人」や「不法な治療」を施しているなどという反対派の訴えにより、バークハートのもとには警察や自治体から召喚状が届く。自分と15人いる医師・スタッフの身の安全や、患者への配慮などにともなうストレスに加えて、この日はさらに「悪いニュース」が重なったのだという。

 バークハートは今夏、74年から人工中絶手術を行う医療機関が一つもない隣のオクラホマ州の州都オクラホマシティー(人口約63万人)に、クリニックを開こうとしている。しかし、カンザス州と並び中絶反対派が最も強いオクラホマ州当局の妨害は激しく、不当な規制を押し付けられ、それに応じる費用がかさむばかりで、なかなか開業のめどが立たない、と訴えた。

 SWWCは、初年度に年間1500人、その後は同3千人の訪問を受け入れている。中絶手術だけでなく、避妊や産婦人科、そして、やはり中西部では保守派の攻撃対象になりやすい性転換の術後治療にも応じる。

 中絶をさせないためには、避妊に関する知識を普及させることも大切だ。ところが、中絶反対派や保守系の人びとは、避妊ですら「生命を尊重していない」と見なす。そのため、低所得層の若い女性を中心に、教育や情報が行き渡らない。

「20代半ばで当院に来る女性の7割に、すでに子どもがいるんです。だから避妊手段を提供するのも、地域にとって大切なことですが、反対派はそれさえ妨害します」(バークハート)

●「中絶反対」のトランプが大統領に就任したら…

 中西部のオハイオ州クリーブランド(人口約39万人)で7月18日から開かれた共和党大会で、大統領候補に指名された実業家ドナルド・トランプ(70)も、人工中絶について、

「嫌悪している。私はプロライフ派だ」

 と述べ、保守派有権者の票を獲得しようとしている。クリーブランドで、女性の権利を主張するデモに参加するため、南部テキサス州ダラスからやって来ていたアーティスト(25)は、目に涙をためて、こう言った。

「人に知られずに中絶手術を受けるため、テキサスからカンザスまで旅した。やむをえない場合は、手術を受ける権利があると思う」

 SWWCによると、中西部・南部の約96%の郡で、人工中絶手術を行う医療機関がない。中西部・南部以外では80%だ。

 プロチョイスをめぐる環境が改善される可能性はあるのか、バークハートに聞いてみた。

「環境は、悪化していると言わざるを得ない。プロチョイスとプロライフの溝は深くなるばかりで、保守的な大統領が誕生すれば、さらに悪くなるだろう。この国がよくなっていっているとは思えない」

 バークハートへの取材を終えて、SWWCの駐車場を出ると、敷地への入り口の角のよく見える場所に、畳1枚ほどに拡大した中絶された胎児のショッキングな写真を掲げる中絶反対派の活動家らがいた。通院する患者にプレッシャーをかけるためだ。

 活動家の一人、マーガレット・マンズ(63)は、小雨が降るなか、一日中、塀の外に立っていた。週2回、ここに来る。

「私たちは、中絶された子どもたちのために祈り、ここに来る人びとによりよい解決法を知ってもらおうとしているのです」

 数日後、中絶反対派が91年から毎年続けているデモが、SWWC前で開かれる予定になっていた。近年は約300人がクリニックを取り囲み、警官150人が警戒にあたる。91年の初回には、出入り口を封鎖した容疑での逮捕者が、のべ2700人に及んだ。

 ウィチタは実は、現大統領バラク・オバマ(54)の母親、アン・ダナム(1942〜95)が生まれ育った都市だ。後にハワイ大学に入学し、ケニア人留学生のバラク・オバマ・シニア(1936〜82)と出会い、バラクを産んだ。だが、バラクの父親にはケニアに妻がいたため、結婚はしなかったとバラクの伝記にはある。ウィチタのような最も保守的な地域の女性が、アフリカ人との間にバラクを産んだことで、周囲からの風当たりは強かったという。

●「ガラスの天井」突破に期待寄せる女性たち

 そんなウィチタから東へ直線距離で約2千キロ──。

「これまでで最も大きなヒビを『ガラスの天井』に入れることができた」

 7月26日、ペンシルベニア州フィラデルフィア(人口約156万人)で開かれた民主党大会で、大統領候補に正式に指名されたヒラリー・クリントン(68)は、中継で会場のスクリーンに登場し、そう叫んだ。大物も大会で次々、クリントンに賛辞を述べた。現大統領夫人のミシェル・オバマ(52)は、

「私の聡明で美しい娘たちは、ヒラリー・クリントンのおかげで、女性が大統領になるのを当たり前と思うようになれるのです」

 と、声を詰まらせながら話した。アカデミー賞女優のメリル・ストリープ(67)も、珍しくこう絶叫した。

「あなたがたはみな、11月に歴史をつくるのです!」

 米国女性が勝ち得た大きな成果として、初の女性大統領誕生を待ち望む女性は少なくない。民主党大会でボランティアをしていた美容師プリシラ・ウェルカム(52)は、クリントンの熱狂的な支持者だ。電話作戦から戸別訪問まで参加し、票集めに奔走している。

「実力がある女性が大好きなの。ヒラリーは実力に加えて、元ファーストレディーで、前国務長官という他の人にはない経験もある。トランプとは違って、午前3時に電話がかかってきて、重要な決断を迫られても、即断できる人です。彼女を初の女性大統領に選べないのであれば、米国に『チェンジ』は訪れないでしょう」

女性大統領は歓迎だが「負の連鎖」解消が急務だ

 一方、小学校教師のケリー・コーリングス(47)は、外交問題などでクリントンの右傾化に失望し、民主党の対立候補だったバーニー・サンダース上院議員を支持した。

「女性大統領が必要かと言われれば、イエス。女性としても期待はしたい。でも、大企業や富裕層と癒着した大統領を選ぶわけにはいかない。なぜなら、貧富の差がここまで広がり、政府に声を聞いてもらえない人があまりにもいるから」

 コーリングスは民主党大会開催中の26日、フィラデルフィアで「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命の大切さ)」を訴えるデモに参加していた。白人警官による黒人などの銃殺事件が相次いだことから始まった運動だ。

 彼女は言う。黒人の子どもの多くが「いい学校」に行くことができず、成人すると逮捕されて刑務所に入る男性が他の人種よりはるかに多い。残された若い女性は、子どもの教育などの負担を全て負い、社会でさらに不利な立場に追い込まれる「負の連鎖」に陥っている、と。

 アフリカ系コミュニティーで生きてきた前出のウェルカムも、

「黒人の社会では、働き手の男が逮捕され、服役中の家が少なくない。残された家族にとって、政府や自治体の援助は全く不十分だ。そんななかで、女性だけで子どもに生命の尊厳を教えるなんて到底無理」

 と「負の連鎖」により女性にのしかかる負担を嘆く。

「ガラスの天井」を突き破る以前に、より基本的な人権や自由を渇望している女性も、米国にはなお多い。(文中敬称略)

(ジャーナリスト・津山恵子)


■異例の両党大会、本選挙も波乱含み?
メディアは「クリントン優勢」 ネットではトランプ有利の声も

「共和党大会は、反トランプ派と支持派のデモが衝突して戦争状態になる。一方、民主党大会は無難に終わるだろう」

 民主・共和の両党大会を取材する大方のメディア関係者のそんな予想は、大きく外れた。

 テクノロジーの老舗専門誌「ワイヤード」のカメラマンは、オハイオ州クリーブランドで開かれた共和党大会に先立ち、防弾チョッキやガスマスクを用意したとソーシャルメディアに書き込んだ。しかし、会場外のデモは、数千人という予想に反して数百人規模で終わった。

 もっとも、会場の中は終始、異例ずくめだった。大会にはブッシュ元大統領親子ら党の重鎮が出席しないまま、政治経験ゼロで「アウトサイダー」のトランプ氏が大統領候補の指名を受けた。共和党支配層がトランプおろしに失敗し、敗北したことを印象づけた。

 一方の民主党大会も異例の展開を見せた。バーモント州選出のバーニー・サンダース上院議員を支持する同州代議員が投票表明を一時保留し、大きな「バーニー」コールが起きた。大会は綱渡りで進み、やっとクリントン氏を大統領候補に指名した。

 両大会ともに、党内の分裂を抱えたまま幕を閉じたが、11月の本選挙はどちらに勝ち目があるのか。

 米紙ニューヨーク・タイムズは、クリントン氏が本選挙に勝つ確率を69%、トランプ氏は31%と予想した。データジャーナリズムで定評があるサイト「538(ファイブサーティエイト)」は、クリントン氏52.6%、トランプ氏47.3%と、僅差ながら、やはりクリントン氏の優勢を予想している。

 しかし、中西部ミシガン州出身で、同地域をよく知る社会派ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーア氏は、「トランプ氏が勝利する五つの訳」という記事をブログに書き込んだ。トランプ氏支持で中西部の「怒れる有権者」である白人男性は、変化を求めて従来の支配層ではない人物に投票する。過去は投票に参加せずデータのない層の投票率が予想以上に上昇し、トランプ氏の勝利につながるとの見方だ。

 民主党も共和党も、党内がまとまる見通しが立たないまま大会を終えただけに、本選挙でも波乱が続きそうだ。

 

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コメント
1. 2023年4月22日 00:34:11 : 0Jf3Yun64s : NWM0b1IuNVBRR2M=[475] 報告
>「中絶反対」のトランプが大統領に就任したら…

https://i.imgur.com/iQnni9R.jpg

>アリサ〜低浮上〜
>女性の膣ってね...男性器を挿入する為の物でも場所でもないんですよ...

 ↑ 
>前後@hatena_zengo 返信先:@arisa_3158

>ブスだとそうなりますね。

1:27 2020/07/07 
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