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トルコ軍参謀総長代行「クーデターは失敗」[NHK]
7月16日 18時22分
トルコで起きたクーデターの動きについて軍の参謀総長代行は日本時間の午後5時ごろ記者会見し「クーデターの試みは阻止され失敗に終わった」と述べました。反乱軍と正規軍との戦闘で市民47人を含む合わせて194人が死亡しました。
トルコの首都アンカラや最大都市イスタンブールでは現地時間の15日夜、戦車やヘリコプターが展開したのに続いて一部の兵士が国営テレビ局を通じて「全権を掌握した」と発表しました。
アンカラではヘリコプターが地上に向けて銃撃したほか、議会の建物の近くなどで爆発があり、イスタンブールでも国際空港の近くや市の中心部で断続的に爆発が相次ぎました。
トルコ軍のウミット・ドゥンダール参謀総長代行は日本時間の午後5時ごろ記者会見し、「クーデターの試みは阻止され失敗に終わった」と述べ、クーデターの動きは未遂に終わったと強調しました。
またドゥンダール参謀総長代行は今回の反乱軍と正規軍との戦闘で市民47人と、警察官や正規軍の兵士43人、それに反乱軍の兵士104人の、合わせて194人が死亡したことを明らかにしました。
また、反乱に関わったとして兵士1563人を拘束したとしています。
エルドアン大統領はイスタンブールで大勢の支持者を前に演説し、「どういう背景で誰が動いているのか、明らかにしてみせる。トルコはどんな恐怖にも負けずどんな脅しにも屈することはない」と述べ、今回のクーデター未遂の責任を徹底的に追及する考えを強調しました。
大統領府 新たなクーデター阻止呼びかけ
トルコの大統領府は現地時間の16日午前11時ごろ(日本時間の午後5時ごろ)、ツイッターで、国民に対して「新たなクーデターがいつでも起こる可能性があるので、通りにとどまってクーデターを阻止しよう」と発信し、国民に対してクーデターの企てには断固として対抗するよう呼びかけました。
投降を呼びかけ
現地からの報道ではトルコでクーデターを起こして拘束された軍のリーダーだとされる男性が、警察の指示を受けながらクーデターの試みに加わった兵士たちに投降を呼びかける様子が伝えられています。
報道された映像は、男性が銃を持った警察に監視されながら携帯電話を持ち「私は治安部隊に拘束された。ほかの兵士たちはみずからの意志で投降するように」と述べ、兵士たちに投降を促す様子が映っています。
ギュレン教団が関与か
トルコ軍の統合参謀本部のホームページには、クーデターを試みた軍の一部のグループが出したとみられる声明が掲載されています。
声明は国営テレビを通じて発表したものと同じ内容で、グループは、「国内平和委員会」と名乗ったうえで、「現在、国の憲法や法律が無視され続け、国家全体が取り返しのつかない状態になろうとしているなか、大統領をはじめとした権力者たちは賄賂におぼれ、基本的人権や自由を無視して国家を牛耳ろうとしている」と述べ、エルドアン大統領などを厳しく非難しています。
そのうえで、「すべての国民のために法治国家と国益の障害になるものを取り除く。そして正当性を失った現政権を引きずりおろして裁きにかけるため、この運動を起こした」と主張しました。
そして、「基本的人権、表現の自由、私有財産の保障、それに人種や宗教の違いを乗り越え国民をまとめ上げる新しい憲法を作り上げる」とエルドアン政権を倒して、新しい国家体制を作り上げると宣言しています。
今回クーデターを試みたグループについて、エルドアン大統領はイスラム教の指導者ギュレン師が率いる「ギュレン教団」が関わったとの見方を示しています。
トゥスク大統領 クーデターを非難
EU=ヨーロッパ連合のトゥスク大統領は、訪問先のモンゴルで16日、トルコで軍の一部がクーデターを試みる動きを見せたことについて、「クーデターは民主主義や法に基づくルールに対する重大な挑戦だ」と非難しました。
その一方で、「武力によって問題が解決することはない」と述べ、双方の衝突がエスカレートすることに懸念を示しました。
さらにトゥスク大統領は、「トルコはEUにとって重要なパートナーだが、今回の危機を経てトルコがどのように変化するかが問題だ」と述べ、今後の状況を慎重に見守る必要がある、という考えを示しました。
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