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虐待に苦しむエジプト女性、新たな武器はSNS
フェイスブックにセクハラ男性の写真投稿も
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エジプトの女性たちは広くまん延するセクシュアルハラスメントと夫による虐待に苦しんでいる(写真はカイロ駅) PHOTO: EMAN HELAL
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DAHLIA KHOLAIF
2016 年 7 月 13 日 15:37 JST
【カイロ】エジプトで今、フェイスブックに開設されているフォーラムのひとつが急速に成長している。登録者数が4万5000人を超えているそのフォーラムとは、アラブ世界で最も制約の多い社会のひとつで暮らす同国の女性たちがタブー視されたままの話題について発言できる場所でもある。
招待されたユーザーのみが参加できるフォーラム「コンフェッションズ・オブ・ア・マリード・ウーマン(既婚女性の告白)」は性に関するデリケートな質問を投稿したり、女性たちが日々直面している問題についてグチを発散したりする場所になっている。同グループの人気は、自由の拡大を求めている女性がいることや、少なくとも非公開の場では自分たちの従来の社会的役割に抵抗する女性たちがいることを物語っている。彼女たちは今、セクシュアルハラスメント(セクハラ=性的嫌がらせ)などの問題と戦うためにソーシャルメディアを利用している。セクハラは2011年の革命以降、より広くまん延するようになった。
同フォーラムを開設したゼイナブ・アル・アシュリー氏は「女性たちは今や、より強くなり、伝統的な考えを受け入れることを嫌がるようになっている」と指摘する。
アシュリー氏によると、同フォーラムは2年前に始まり、最初の年に約3000人のメンバーが集まった。メンバーが友人らを招待することで、この1年でさらに拡大した。エジプトでは女性たちの失業率や非識字率が男性に比べて不均衡に高く、ソーシャルメディアへのアクセスが限られているにもかかわらずだ。
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世界経済フォーラムの2015年のリポートによると、男女同権に関してエジプトは145カ国のうち136 位だ。女性の運転が認められていないサウジアラビアよりも順位が低い。女性たちが直面しているのは、嫌がらせや暴力、離婚に関する法律だ。この法律は金銭面の権利を放棄するか、もしくは自分が不当な扱いを受けてきたことを証明するために費用のかかる法的な手続きをとるかの二者択一を女性に迫る。貧しい地域に暮らす家族は、若い娘をペルシャ湾岸諸国出身の裕福な男性に嫁がせるのが通例となっている。
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フェイスブックのフォーラム「コンフェッションズ・オブ・ア・マリード・ウーマン(既婚女性の告白)」を開設したゼイナブ・アル・アシュリー氏 PHOTO: EMAN HELAL FOR THE WALL STREET JOURNAL
エジプトの統計センターが最近行った調査によると、2015年には女性の約6人に1人が暴力を受けている。そのうち、公的機関を通して何らかの行動を起こしたケースはわずか7万5000人にとどまる。
ソーシャルメディアによるこうした動きは、国際社会からの圧力も後押しとなり、2014年にセクハラを犯罪とする最初の法律の制定につながった。なかにはセクハラを行ったと非難する男性の写真を投稿するためにフェイスブックのページを利用している女性たちもいる。
エジプト北東部のスエズの病院で5月、17歳の少女が性器切除手術を受けている最中に死亡したことを受け、ツイッターには非難が殺到した。その後、病院は閉鎖されて捜査が始まった。女性器の一部切除や縫合といった慣習は2008年に政府が禁止したものの、いまだに一般的に行われている。
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年齢別にみたエジプト女性の実態(左から順に「女性器の一部切除を受けている」「強制的に結婚させられた」「夫が常に居場所を把握したがる」「別の男性と言葉を交わすと夫が怒る」「家庭内で肉体的な暴力を受けた」「家庭内で性的な暴力を受けた」)
ここ数年、エジプトの女性は社会的なルールへの挑戦を試みてきた。多くは頭にスカーフをかぶらなくなった。従来は男性に限定されていた職業に就く女性も数多くなった。タクシードライバーや機械工、パイロットといった職業だ。
フェイスブックのフォーラム「既婚女性の告白」で、女性たちは夫の不倫現場を押さえた話や恋愛で三角関係に陥っている話、高圧的な父親や夫と対決した話などを打ち明けている。セクハラ、家庭内暴力、女性器の切除はすべてここで話し合われている。
投稿者の個人情報は守られており、投稿内容の検証は不可能だ。
虐待する夫を愛しているという一人の女性は、彼のもとに残るべきかどうかアドバイスを求めてきた。数百件に及ぶ匿名の返信はすべて、彼のもとを離れるべきだというものだった。彼が変わるかもしれないという希望をもって夫のそばに残りなさいと、従来のような助言を与える女性は一人もいなかった。
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