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※関連参照投稿
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英のイラク戦争調査報告、戦後統治の無策鮮明[日経新聞]
中東危機の呼び水に
2016/7/8 0:09
【ロンドン=岐部秀光】英国のイラク戦争独立調査委員会は7年間にわたる調査を経て、6日に最終報告を公開した。浮き彫りになったのはイラクにおける戦後統治の無策ぶりだ。復興計画が迷走したうえ、資金や装備の不足が情勢を悪化させ、兵士の犠牲を広げた。過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭につながる現在の中東危機の呼び水となった。その教訓はいまも生かされていない。
今回の報告をめぐる最大の関心は2003年のイラク戦争開戦にいたる経緯にあった。だが、現在の中東危機を考えるうえで重要な点は、むしろ復興プロセスの失敗にある。報告は戦後の状況について多くの紙幅を割き、状況判断や政策決定の誤りについて厳しく批判している。
03年3月の開戦から1カ月もかからずにフセイン政権を打倒したことは、冷戦終結後の国際社会における米国の軍事力の突出した優位性を印象づけた。しかし、やがて政権崩壊後の戦略の不在が露呈する。
報告は「(英政府には)戦後の戦略についての明確な視点が欠けていた。情勢の分析やリスクの管理ができなかった」と批判した。開戦時に財務相だったブラウン元首相は「悔やまれるのは、戦争計画と同じように復興計画が重要であるという点について米国を説得できなかったことだ」と振り返っている。
復興計画の迷走の背景について、報告は米政府の省庁間の連携がなかったことを指摘する。
ブレア元首相は「米国との協力は米国内部の問題で満足できない部分があった」と述べた。ストロー元外相はさらに踏み込んで「国務省と国防総省の協力が壊れたことが根本的な問題」と米の内部対立を指摘した。
イラクの戦後の混乱は想定を超えていた。報告は「十分な計画と準備があったとしても03年からの出来事を防げたとは限らないが、リスクを制御することはできた」と指摘する。
計画の不在がもたらした深刻な問題のひとつは、資金不足である。
英国のイラク軍事介入に伴う費用は92億ポンド(2016年の物価で118.3億ポンド=約1兆5500億円に相当)。しかし、英財務相が02年9月時点で試算した費用は25億ポンドにすぎなかった。
資金の手当ては遅れ、兵士らは不十分な装備のまま駐留を強いられた。「ISTAR(情報、監視、目標捕捉、偵察)機材やヘリコプターの不足は受け入れがたいものだった」。報告は軍が撤退を急ぎすぎたことの失敗も指摘した。
報告が対象としたのは英政府の動きと英軍が駐留したイラク南部の状況。だが、計画の迷走や資金不足の問題はイラク全土に共通する。教訓は現在の中東で生かされているとはいえない。
ブッシュ政権を引き継いだオバマ政権は、イラクへの軍事介入そのものが誤りであったと結論づけ、幕引きを急いだ。地元の治安部隊の訓練が中途半端なままで軍が撤退し、過激派の台頭を招いた。イラク第2の都市モスルを襲撃したIS戦闘員を前にイラクの兵士はほとんど無力だった。
シリアでもオバマ政権は軍事介入をためらい、反体制派への武器供与や訓練が遅れた。アフガニスタンも駐留米軍の削減が経済に打撃を与え治安を悪化させた。
中東への関与継続を求められてきたオバマ政権は6日、アフガン駐留軍の削減方針を撤回した。米国の次期大統領がイラク戦争の教訓をどう読み取るかで中東情勢は大きく左右される。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM07H6L_X00C16A7FF2000/?dg=1&nf=1
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