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(回答先: 英国EU離脱 −英vs独vsヘッジファンド三巴戦とEUの帰趨− 投稿者 佐藤鴻全 日時 2016 年 7 月 03 日 07:05:37)
●英国離脱可決により、主に関税ゼロ等を維持したい英国と、離脱国続出を防ぐため、引き換えに移民受け入れ継続を飲ませたいEUとの駆け引きが始まった。
●ジョージ・ソロスを筆頭としたヘッジファンドは、EUの歪みをついてユーロ、南欧国債、フランクフルト市場等の売り浴びせを仕掛ける。その時期は、恐らく9月新英国首相選出の前後だろう。
●EUの目指す統合国家創出は、理論的にはともかく、実質的にはドイツ第四帝国の出現となる。第四帝国内の半植民地、二等国民となる事に多くの国は耐えられない。東欧諸国等とプライドを捨ててドイツにタカりたい国だけが残る。
●統合国家の夢を捨て、自由貿易等のみに絞って仕切り直す事が事態安定化と「EU」存続の道であり、そこへ至るシナリオが必要となる。
◆離脱交渉とヘッジファンド◆
先月23日に行われた国民投票での英国EU離脱可決を受け、世界中に余波が続いている。
キャメロン後任の次期英首相選出は9月に行われ、英・EU間の離脱交渉は最速で9月以降、新首相次第だが恐らく来年以降に行われる模様だ。
前哨戦としてアナウンスレベルでは、主に関税ゼロを維持したい英国と、離脱国続出を防ぐため、引き換えに移民受け入れ継続を飲ませたいEUとの駆け引きが始まった。
ユーロに参加していない英国であっても、移民自由化は英国民の雇用維持、テロ対策の等の面で耐えがたいものだった。
加えて、ユーロに参加している加盟国は、更に通貨政策、財政政策で縛られて不満が鬱積しており、英国に続いて離脱の動きが出て来きている。
ジョージ・ソロスを筆頭としたヘッジファンドは、そうしたEUの歪みをついてユーロ、南欧国債、フランクフルト市場等の売り浴びせを仕掛ける可能性が高い。
その時期は、恐らく9月新英国首相選出の前後だろう。
その前触れとして、現に投票日翌日(6月24日)、ジョージ・ソロスが、所有する700万のドイツ銀行株の空売りに入っていたことが、複数のメディアの報道から明らかになった。
こうした中で英国としては、関税ゼロの維持と移民受け入れ拒否を勝ち取る一方、域内金融共通免許を停止準備期間あり等の条件付きで諦める辺りが及第点だろう。
金融共通免許を失っても、ヘッジファンドの「歪み」攻撃でEUが地盤沈下する事も考慮に入れれば、金融の中枢機能をシティーからフランクフルトへ奪われる可能性は低くなる。
この様に、英国とEU(実質ドイツ)との離脱交渉は、心理戦を含めたヘッジファンドを絡めた三巴戦の様相の中で、多くの変数を伴いながら混沌を経て方向付けられると思われる。
◆EU国家統合の正体◆
EUの目指す統合国家創出は、理論的にはともかく、実質的にはドイツ第四帝国の出現となる。
ユーロの共通通貨政策によるユーロ安により、ドイツは輸出ドライブのもたらす経済的繁栄を謳歌している。
半面、多くの国はユーロ維持のために緊縮財政を強いられて、実際に失業率増加等の実害を被っており、第四帝国内の半植民地、二等国民となる事に耐えられない。
EUには、低賃金工業により利益に預かっている東欧諸国等と、ギリシャのようにプライドを捨ててドイツにタカりたい国だけが残る。
そのギリシャ等も、数年前の危機でドイツを騙してやりくりしていた事が明らかになった。
移民の自由化と通貨統合は、国家統合への必須条件であるのだろう。
筆者は、これに対し統合国家の夢を捨て、自由貿易等のみに絞って仕切り直す事が事態安定化と「EU」存続の道であると考える。
あるいは、ドイツと東欧諸国等のみで統合国家を作り、そのコアを関税ゼロ等の域内諸国が囲む姿である。
理屈で考えれば、筆者にはその道が関係各国にとって何の不都合もなく、ゴールであるように見える。
それを拒むものは、第四帝国を作りたいドイツの野望か、統合国家の理想に燃えるEU原理主義者か、グローバル化で利益を得たい国際資本なのか。
欧州安定化のためには、その正体を明らかにし、障害を排して落ち着くべき所へ至るシナリオが必要となるだろう。
blog.livedoor.jp/ksato123/
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