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UKのEUからの離脱が現実になれば、スコットランドが国民投票を経てUKから離脱することになるだろう。
(英国がEUから離脱すれば、スコットランドがEUに“新規加盟”するハードルは低くなる)
英国のEU離脱がスコットランド独立を代償とするほどの価値があるのかという話が大きく浮上するが、それだけでなく、自由貿易を掲げ金融面でも欧州共同市場が必要と考え、英国にやってくる移民もそれなりの数で必要とわかっている英国支配層が、EU内での関係性変更をめざすのではなく、ちゃぶ台をひっくり返し各種協定をゼロから交渉するという非合理で不必要そしてリスキーな動きに向かうはずもない。
第一ランドは、自分はEU離脱問題に手を染めないと言いながら辞任を4ヶ月も先延ばしにしたキャメロン首相の後継者が誰なのか、そして、後任の首相がいつEUに離脱を通告するのか(離脱は“切り札”として持つだけで通告はしないのか)という駆け引きになる。
(キャメロン氏の後継者と目されてきたオズボーン財務相は。EU残留派の中核政治家であり、政治的道義的に後継者になるのは難しい。離脱派のカリスマとして存在感を示したボリス・ジョンソン氏が後継として取りざたされているが、彼はキャメロン氏の“盟友”なので、キャメロン氏(英国支配層)の意を汲みうまく立ち回るだろう)
EUへの離脱通告からカウントダウンが始まり、原則として2年後にEUから離脱することになるが、英国政府が実際に離脱通告するのは、2年後(18年)とも4年後(20年)とも言われている。
むろん、英国のポジションどころか離脱問題さえ曖昧という状況が2年も続けば、英国の政治的対立は激化し、英国への投資も控えられ経済的苦境も増大するから、そんなに先延ばしすることは考えられない。
さらに離脱通告後2年の交渉期間を考慮すれば、英国及びEU諸国は、とんでもなく長い間英国のEU離脱問題に振り回され続けることになるので、どの国もそんな状況を望まないだろう。
久々に国際舞台で主役を張る英国がどれほどの政治力を発揮するか見物させてもらう。
最後に、EUの統合性維持は、英国ではなく、ドイツにかかっていると考えている。
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EU、英離脱後に包括協定検討 通商や規制にルール[日経新聞]
経済の停滞回避狙う
2016/6/26 1:13
【ベルリン=赤川省吾、ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は英国とのあいだで包括的な経済・貿易協定を結ぶ検討に入った。国民投票で英国がEUからの離脱を決めたことを受け、両地域で企業が活動しやすいように通商分野や規制などで新しいルールを設ける。具体的な内容は英国との離脱交渉と同時並行で詰める見通し。欧州の先行きへの不透明感を払拭するため、EUは交渉開始を急ぎたい考えだ。
25日、ベルリンで会見するEU6カ国の外相=ロイター
英国はEUに離脱を正式に通告してから2年間は現状を維持できる。新しい協定は、それ以降の経済や司法、教育、テロ対策などを含めた英・EU関係を定めるものとなる。
EUは、これまでに周辺国と結んだ協定を参考にしながら英国との交渉に臨む。例えばノルウェーのケースでは、ほとんどの分野での関税撤廃などの恩恵を受けられる半面、EUへの拠出金を求められる。EUの法律や規制を守ることも求められるが、EUの政策決定には参加できない。
カナダは工業製品の関税撤廃などを盛り込んだ包括的経済・貿易協定(CETA)を結んでいる。EUからの移民労働者の受け入れなどを含んでいない。EUへの予算拠出も不要だ。それぞれの方式には一長一短があるため、英国との協定は独自の新しい枠組みになる見通しだ。
独紙ハンデルスブラットは24日、ドイツ財務省が英国をEUの「準パートナー」に位置づける案を作成したと報じた。加盟国ではないが、EUと密接につながる関係国というイメージだ。
ただ英国に柔軟に対応すれば、加盟国のあいだで不公平感が強まる恐れがある。このためEU側は英国との交渉に硬軟両にらみで臨む公算が大きい。英国がこれまで享受してきた関税撤廃などを認めるかも焦点となる。交渉は曲折しそうだ。
協定作りは、EUと英国の離脱交渉が進んでいることが前提となる。ところがキャメロン氏は10月をめどに辞任すると表明し、EUとの交渉は後任に任せたいとの思いをにじませる。このため一連の作業がいつ進むか見通せない状況にある。
国民投票でEU離脱を決めたのに一連の交渉が始まらなければ欧州の先行きに対する不透明感が強まる。企業が投資を手控えて英国だけでなく、EUに残るユーロ圏経済も下振れしかねない。
そこでEUには英国とともに沈むのを避けたいとの防衛本能が働く。
独仏伊などEU6カ国の外相は25日の会合で、英国に早期の離脱交渉を促すことで一致。会合後の記者会見でシュタインマイヤー独外相は「できるだけ早く手続きを始めたい」と語った。
英国を含むEUは週明けにブリュッセルで首脳会議を開く。28日にキャメロン氏に交渉を始めるように求めたうえで、29日に英国を除く27加盟国で会合に臨む段取りになっている。「英国はEUとどのような関係を望んでいるのか提案してほしい」。メルケル首相は25日語った。
一方、英国のキャメロン首相は不安を抑え込むのに躍起となっている。
24日夜は米国のオバマ大統領と電話会談。米英の「特別な関係」を続け、これまで通り安全保障分野を中心に緊密に連携することで合意した。さらに記者会見で「EUとの交渉はこれからで、貿易や人の移動がただちに変わるわけではない」と語り、資金逃避などが起こらないように、投資家に慎重な対応を求めた。
キャメロン氏の後継をめぐっては保守党内で離脱派の議員を軸に調整が進む。国民投票で深まった党内の亀裂が修復できるかが注目点だ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM25H6F_V20C16A6MM8000/?dg=1&nf=1
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