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マルコムXの影響を受け、良心的徴兵拒否者になったモハメド・アリは米国の歴史を写し出す鏡
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2016.06.04 16:45:37 櫻井ジャーナル
6月3日にモハメド・アリが74歳で死亡した。生まれたときの名前はカシアス・クレイだが、これは「奴隷の名前」だとして改名している。アリがイスラムに関心を持ったのは1959年のことで、それ以降、NOI(ネイション・オブ・イスラム)の集会に参加するようになり、62年に会ったマルコムXの影響を強く受けた。当時、マルコムXもNOIに属していた。
1964年にアリはNOIへの参加が認められるのだが、その数週間後にマルコムXはNOIと袂を分かつ。NOIの背景に疑問を持ってのことだと言われているが、この年の3月にマルコムXはマーチン・ルーサー・キングと友好的な雰囲気の中、会って握手している。アリはNOIに残り、マルコムXとは疎遠になる。後年、それをアリは悔いていた。
マルコムXが攻撃的だったのに対してキングは非暴力の立場という違いはあったが、目指していた方向は同じだった。人種差別に反対し、貧困問題に目を向け、戦争に反対していたのだ。その後、ふたりは問題に対する取り組み方も接近していく。
ふたりが握手する4カ月前、ソ連との平和共存、大企業の経済活動への規制強化、ベトナム戦争からの完全撤退を打ち出していたジョン・F・ケネディ大統領がテキサス州ダラスで暗殺され、リンドン・ジョンソン大統領はベトナム戦争へ本格的に介入していく。
戦争へ本格的に介入する口実にするためにアメリカの特殊部隊は1964年8月に「トンキン湾事件」を演出した。アメリカの駆逐艦が北ベトナムの魚雷艇に砲撃されたとアメリカ政府は宣伝、議会は「東南アジアにおける行動に関する議会決議(トンキン湾決議)」を可決して1965年2月からアメリカ軍は「ローリング・サンダー作戦」、つまり北爆を開始したのだ。
こうした展開の背後にはOPLAN34Aと呼ばれる計画が関係していた。これは1964年1月にジョンソン大統領から承認されたもので、統合参謀本部直属の秘密工作部隊SOGが編成された。メンバーは陸軍のグリーン・ベレー、海軍のSEALs、そして空軍特殊部隊の隊員。同年2月に破壊工作はスタートする。
マルコムXが暗殺されたのは北爆が始められた2月のこと。キングは1968年4月に暗殺される。その2カ月後に殺されたのがケネディ大統領の弟で大統領選に出馬していたロバート・ケネディだ。
巨大資本に支配され、「民意」など無視されるアメリカ。モハメド・アリはそのアメリカの歴史を写し出す鏡でもあった。
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