http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/885.html
Tweet |
News | 2016年 05月 28日 10:42 JST 関連トピックス: トップニュース
アングル:ウーバーが亀裂を露呈、ギグエコノミ―に揺れる労組
[23日 ロイター] - 国際航空整備労組(IAMAW)は今月、米配車アプリ大手ウーバー[UBER.UL]のニューヨーク地区のドライバーが組合に加入したと誇らしげに発表した。
「働く人とその家族が守られ、尊重される。そんな形で新しい経済を確立するチャンスを組織労働者が手にした」――。だが、米国の労働界が諸手を挙げて組合の発表を歓迎したわけではない。
ウーバーのドライバーは正社員ではなく、外部の契約スタッフ。非正規労働者が単発の仕事(ギグ)を請け負う「ギグ・エコノミー」を象徴する存在だ。
だが、組合がウーバーと合意したのは、不当解雇の問題や、疾病時・事故時の対応支援を交渉する「独立ドライバー組合」を設置すること。組合はストや労働者の組織化は5年間控えるとの条件も呑んだ。正社員への登用も規制当局に働きかけないとしている。組合に「加入」したとは言いがたい内容だ。
労組最大の武器を放棄した今回の合意に、ニューヨーク・タクシー運転手連合の幹部は「歴史に名を残す背信行為」と酷評。従来型の労組をウーバーでも結成できるはずだと訴える。
整備労組の法律顧問は、今回の合意でドライバーの収入や労働環境が直ちに改善すると主張。将来的にも、独立行政機関の全米労働関係委員会がドライバーを正社員に登用する勧告を出せば、組合の結成が可能になると説明している。
<変わる働き方>
配車アプリを手掛けるハイテク企業は、「雇用」ではなく「業務委託」という形を採ることでコスト削減が可能になり、ドライバーも柔軟な働き方ができると主張する。ただ、外部の契約スタッフは独立事業者。正社員とは違い、最低賃金や残業代の支払いは法的に保証されない。
こうした非正規労働者を軸とするビジネスモデルは、ハイテク産業などに急速に広がっており、労働組合は、従来路線を死守するべきか、斬新な手法を試みるべきか、対応に苦慮している。
「労組にも大胆なイノベーションが必要だ」と語るのは国際サービス従業員労組(SEIU)の幹部。オンデマンドのハイテク産業に、従来型の団体交渉は馴染まず、ウーバーの例のような斬新な手法が必要だと訴える。
SEIUは、宿泊予約サイトを運営する「Airbnb(エアビーアンドビー)」と交渉。宿泊場所を提供する個人に、労組公認のハウスクリーニング業者(時給15ドル以上)の利用を薦めるよう求めたが、ホテル従業員労組「ユナイト・ヒア」から横やりが入った。ホテル従業員の職を奪っているAirbnbと労組が交渉し、安易な取り決めで手を打つなどとんでもないというのだ。
元労働副長官のセス・ハリス氏は、労組も新興企業も、働き方が変わる中で新たな戦略を探っているが、労働法や反トラスト法が時代に合わなくなっており、選択肢が限られると分析する。
シアトルでは、ウーバーと同業リフトのドライバーが全米トラック運転手組合(チームスター)と合流。ドライバーに団体交渉権を認めるようロビー活動を展開している。
この活動に参加するウーバーの運転手ファシル・テカさんは、団体交渉権とスト権を確立しなれば「労組の意味がない」と語る。
新たな経済環境で労働者をどう組織すればよいのか。すべての労組関係者が一致するのは、戦いはまだ始まったばかりだという点だけだ。第三者から見れば、それは必ずしも不都合なことではない。
「労組は危機的な状況にあり、生き延びられる形を必死になって探している」。経営者に労組対策を指南するコンサルティング会社レーバー・リレーション・インスティチュートのフィル・ウィルソン社長はそう語った。
(Daniel Wiessner記者 Dan Levine記者; 翻訳:深滝壱哉 編集:加藤京子)
http://jp.reuters.com/article/uber-tech-drivers-labor-idJPKCN0YI04J?sp=true
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。