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オバマが偉大な大統領である3つの理由 ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦 (第24回)
http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/877.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 5 月 28 日 02:04:25: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

ロシアから見た「正義」 “反逆者”プーチンの挑戦
【第24回】 2016年5月27日 北野幸伯 [国際関係アナリスト]
オバマが偉大な大統領である3つの理由
就任時に世界的大人気を誇ったオバマ米大統領。今では見る影もなく評価が失墜し「史上最低の米大統領」という人すらいる。しかし、私はまったく逆で「オバマは偉大な大統領だ」と考えている。その理由は3つある。

現職の米国大統領として初めて広島を訪問し、話題になっているオバマ。就任時は若々しく、笑顔がよく、スリムな「初の黒人大統領」として、超人気だった。彼が演説で多用した「Yes we can!」のフレーズは、米国や日本だけでなく、世界中で流行語になった。

しかしその後、オバマの評価は失墜した。今では最低評価が付けられることも多いオバマだが、彼の実績をここで冷静に振り返ってみると、3つの偉業を成し遂げていることが分かる。

<理由1世界経済を破局から救った>

オバマは2009年1月、大統領に就任した。これは「最悪のタイミング」だったと言える。なぜなら08年9月の「リーマンショック」から、世界は大不況に突入していたからだ。この大不況は、1929年からはじまった「世界恐慌」と比較され、「100年に1度」と形容される。そして、実際そのとおりだったのだ。


今や「史上最低の大統領」と酷評されることもあるオバマ。しかし彼の実績を冷静に振り返ってみると、実は大きな功績がいくつかあることが分かる。さらに、政権末期のオバマは、日本にとってもありがたい味方だった Photo:REUTERS/AFLO
しかし、危機後の対応は、1929年と09年で大きく異なる。1929年の世界恐慌時、米国大統領は「市場が自由であれば、すべてよし」と考える「古典派」フーバー大統領だった。1929〜1933年まで大統領を務めた彼は、古典派らしく「国家は経済に介入するべきではない」という姿勢を崩さなかった。結果、恐慌は、4年間放置されることになり、状況は悪化しつづけた。

08年からの危機は、違った。オバマは、きちんと80年前の教訓から学んでいたのだ。彼は、財政支出を劇的に増やし、躊躇することなく金融機関や企業を救済していった。そのため、米国の財政赤字は07年に4140億ドルだったのが、オバマが大統領に就任した09年には1兆8960億ドルと、4.5倍増加した。

国家の借金は増えたものの、間違いなくこの措置は、米国だけでなく世界経済を破局から救った(もちろん、米国自身が作り出した危機ではあるが、それはブッシュ政権の責任で、オバマに責任はない)。

結果、世界経済が最悪だった09年、米国の国内総生産(GDP)成長率は、マイナス2.78%だった。しかし、その後は、毎年1.5〜2.5%の成長を続けている。米国のGDPは、07年に14兆4776億ドルだったが、15年は17兆9470億ドルと、約24%も増加した(ちなみに日本のGDPは07年に513兆円だったが、15年は499兆円と、逆に減少している)。

オバマは未曾有の経済危機を乗り越え、米国を再び成長軌道に乗せることに成功したのだ。

<理由2シェール革命で、米国は世界一の資源大国に>

オバマ政権下で起こった、もっとも大きな変化は「シェール革命」だろう。というのも米国にとって長らく、政策を大きく左右する動機となってきたのが「エネルギー問題」だったからだ。

ブッシュが大統領に就任した時、「米国内の原油は16年に枯渇する」と予測されていた。このことと、ブッシュ政権が異常にアグレッシブだったことは無関係でない。米国は03年、イラク戦争を開始した。表向きの理由は、「フセインが9.11を起こしたアルカイダを支援している」「大量破壊兵器を保有している」だったが、2つとも「大うそ」だったことが後に明らかになった。

では、米国がイラクを攻撃した真の理由はなんだったのか?諸説あるが、FRBのグリーンスパン元議長は、以下のように告白している(太線筆者、以下同じ)。

<「イラク開戦の動機は石油」=前FRB議長、回顧録で暴露[時事通信 2007/09/17-14:18]
【ワシントン17日時事】18年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行の回顧録で、2003年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている。

米メディアによると、前議長は「イラク戦争はおおむね、石油をめぐるものだった。だが悲しいかな、この誰もが知っている事実を認めることは政治的に不都合なのだ」と断言している。>

グリーンスパンによると、イラク戦争の理由が「石油」であることは、「誰もが知っている事実」なのだそうだ。いずれにしても、米国が中東に強く関与しつづけていた理由が「資源がらみ」であることは、間違いない。

そんな状況が「シェール革命」で激変した。世界で「資源超大国」といえば、サウジアラビアとロシアだった。しかし14年、米国の産油量は両国を抜き去り、世界一になった(14年の産油量は、米国が日量1164万4000バレル、サウジアラビア1150万5000バレル、ロシア1083万8000バレル)。

これで米国は、天然ガス、原油生産ともに世界一になった。そして、米国は今年、40年ぶりに原油輸出を再開している。

「シェール革命」は、原油価格を下げ、日本にも大きな恩恵をもたらしている。日本は東日本大震災後、原発をすべて停止し、原油、天然ガス輸入を大幅に増やした。その結果、貿易赤字が大きな問題になっていた。しかし、シェール革命による原油安で、赤字は急速に減少している。14年の日本の貿易赤字額は、12兆8161億円だったが、15年は2兆8322億円で、10兆円も減少した。

「シェール革命」について、「オバマ自身とあまり関係ないのでは?」という意見もあるだろう。確かにそのとおりである。しかし、クリントンは「IT革命で米国の景気がとてもよかったこと」を理由に、「偉大な大統領」と呼ばれている。はたして、クリントンは「IT革命」に何か貢献したのだろうか?「シェール革命」についても、「オバマ時代に起こった」ことで評価されるべきだろう。

<理由3対中国リアリズム外交>

オバマがもっとも批判されるのは、「外交」だろう。実際、彼の外交政策は、ほとんどの期間「失敗だらけ」だった。

オバマは09年、「ノーベル平和賞」を受賞。戦争に明け暮れたブッシュ政権に疲れた米国民や世界の人々は、「平和」を強く望んでいた。ところが、オバマは11年、リビアを攻撃し、カダフィを殺害した。この戦争が戦略的にどういう意味があるのか、不明である。ちなみに、カダフィ殺害でリビアは無政府状態になってしまい、今も内戦状態にある。その責任は、オバマにある。

そして彼は13年8〜9月、外交面でおそらく「最大の失敗」をした。オバマは13年8月、アサド軍が「反体制派に化学兵器を使った」ことを理由に、「シリアを攻撃する」と宣言。しかし、翌9月、「やはり攻撃はやめた」と戦争を「ドタキャン」し、世界を仰天させた。さらに、オバマ政権は、ウクライナで革命を起こし、親ロシア派ヤヌコビッチ大統領を失脚させた。

こう書くと、日本ではおそらく「トンデモ系」「陰謀論者」とレッテルを貼られるだろう。しかし、これは筆者の想像ではなく、オバマ自身が語っているのだ。「ロシアの声」15年2月3日から。

<昨年2月ウクライナの首都キエフで起きたクーデターの内幕について、オバマ大統領がついに真実を口にした。

恐らく、もう恥じる事は何もないと考える時期が来たのだろう。CNNのインタビューの中で、オバマ大統領は「米国は、ウクライナにおける権力の移行をやり遂げた」と認めた。

別の言い方をすれば、彼は、ウクライナを極めて困難な状況に導き、多くの犠牲者を生んだ昨年2月の国家クーデターが、米国が直接、組織的技術的に関与した中で実行された事を確認したわけである。>
(出所、さらなる詳細はこちら。また、オバマが関与を認めている映像はこちら)

14年2月のウクライナ革命は、ロシアの「クリミア併合」を誘発した。革命で誕生した親欧米新政権は、「クリミアからロシア軍を追い出し、NATO軍を入れる」と宣言していたからだ。地政学的に超重要な軍事拠点を奪われそうになったプーチンは、速やかにクリミアを併合してしまった。そして、ウクライナで内戦が勃発する。

この内戦は、「プーチンのせい」ともいえるが、「ウクライナで民主的に選ばれた大統領を革命によって強制追放したオバマのせいだ」ともいえる。ウクライナ革命が、米国にとって「どういう戦略的意味があるのか」、やはり不明である。このように、意味不明な他国への介入を行ってきたオバマ外交は「失敗の連続」だったが、15年3月の「AIIB事件」以降、彼は突然「天才リアリスト」に生まれ変わった。

世界中の敵とあっという間に和解!
ターゲットを中国に絞ったオバマ

「AIIB事件」とは、英国、フランス、イタリア、ドイツ、イスラエル、オーストラリア、韓国などの「親米国家群」が、米国の制止を無視し、中国が主導する「AIIB」への参加を宣言したこと。参加国の数は、実に57ヵ国に達した。

オバマは、日本以外のほとんどすべての同盟国が自分の要求を無視し、中国の誘いに乗ったことに大きな衝撃を受けた。ここに至って、米国はようやく「中国は、覇権一歩手前まで来ている」ことを悟ったのだ。

そして、オバマは変わった。ウクライナ内戦は、15年2月の「ミンスク合意」で停戦が実現していた。米国は当初、「ウクライナに武器を送り、停戦をぶち壊そう」と画策していたが、「AIIB事件」を受けて「停戦容認」に態度を変えた。

15年5月、米国は、13年から始まっていた中国による「南シナ海埋め立て」を突如問題視しはじめ、米中関係は急速に悪化していく。この月、日本のメディアも、「米中軍事衝突」の懸念を報じるようになった。一方、ケリー国務長官は同月にロシアを訪問し、プーチンと会談。「制裁解除もあり得る」と語り、ロシア政府を驚かせた。

これ以降、米国とロシアの関係は「ウクライナ問題」「イラン核問題」「シリア問題」の共同解決作業を通し、急速に改善してきている。15年7月、米国、ロシア、他4国とイランは「歴史的合意」に達し、「核問題」を解決した。16年1月、対イラン制裁は解除された。16年2月、米国とロシアは「シリア内戦終結」を呼びかけ、アサド政権と反体制派の停戦が実現した。

こうしてオバマは、「アッ」という間に、「ウクライナ問題」「イラン核問題」「シリア問題」を解決した。そして、中国との和解だけは拒否している(北朝鮮もあるが)。

この動きを、「戦略的」に見るとどうなるだろう。米国には、戦略的に重要な地域が3つある。すなわち、欧州、中東、アジアだ。

・欧州には、「ウクライナ問題」「ロシア問題」がある。
・中東には、「イラン問題」「シリア問題」「IS問題」などがある。
・アジアには、東シナ海、南シナ海を支配したい「中国問題」がある(北朝鮮問題もあるが)。

いくら米国が「世界最強」とはいえ、同時に、欧州でロシアと、中東でイラン・シリア(アサド)・ISと、そしてアジアで中国と戦うのは不可能だ。そこで、オバマは、欧州と中東の問題を迅速に解決し、米国の覇権を脅かす中国にターゲットを絞ったのである。

リアリストに変身した後のオバマは
日本にとって大恩人だった

以上、オバマが偉大な大統領である「3つの理由」を挙げた。オバマは、まもなく引退する。そして筆者は、彼の引退を心から惜しんでいる。

日本が現在抱えている最大の問題は、「日本には沖縄の領有権もない」と主張する中国の存在だろう(証拠はこちら)。

オバマは15年、ようやく中国の脅威に目覚めた。そして、世界中の問題を解決し、中国と対峙しはじめた。米国が日本の望む方向に動きはじめてからわずか1年半で、彼は引退する。

「リアリスト」に変貌したオバマの後に続くのは、「金をもっと出さなければ米軍を撤退させる!」と脅迫するトランプだろうか?それとも、「中国から長年賄賂をもらっていた」と噂されるヒラリーだろうか?あるいは、「戦争はもうたくさんだ」「格差をなくせ」と主張する、平和主義、社会主義者のサンダースだろうか?誰が大統領になっても、最末期のオバマほど、「日本にとってよい大統領」が現れるか疑問である。

ブッシュから大きな「負の遺産」、つまり「100年に1度の大不況」「大混乱の中東」を引き継いだオバマは、この2つの大問題を解決し、去っていく。

彼は10年、「尖閣中国漁船衝突事件」が起こった際、「尖閣は、日米安保の適用範囲である」と宣言し、日本を救った。また、東日本大震災直後の「トモダチ作戦」も、決して忘れてはならないだろう。そして今回、「広島訪問」を果たす。

日本にとって大恩人であるオバマ。「史上最悪の大統領」と呼ぶのは、あまりにも酷だろう。影響力はないにしろ、筆者は心から、オバマ大統領に感謝したい。そして、彼の業績が、日米だけでなく、世界中で正当に評価される日がくることを、心から願っている。
http://diamond.jp/articles/-/91997

 

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コメント
 
1. 2016年5月28日 02:45:14 : w3M1BHSquE : 5KToaZSVnLw[551]
おいおい、途中まで 真面目に読んでしまったが 【「ロシアの声」15年2月3日から。】 これで辞めた
「ロシアの声」 なんぞを情報源として持って来る事じたい、オカルト紛いの陰謀論でしかなく
真面目に読んで 損したわ ┐( -"-)┌ やれやれ

2. 2016年5月28日 09:45:47 : ZL7o43eS1o : dOhFRJJYtdE[193]
>>1
途中まで真面目に読めるのも凄いけどなw

3. 2016年5月29日 21:17:47 : ftkX5EzCns : QsBSN@WLx4Q[35]
乱の種 巧みに蒔いて 去るオバマ

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