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南シナ海における米国、平和創設者なのか、煽動者か?[スプートニク日本語]
オピニオン
2016年05月24日 21:09(アップデート 2016年05月24日 22:04)
アンドレイ イワノフ
オバマ米大統領はベトナム訪問で美しい呼びかけを行なった。その内容は南シナ海の論争は平和的方法で解決せねばならず、大国らは小国を脅かしてはならないというものだった。同時に小国が大国に怯えないよう、オバマ氏は50年も続いてきたベトナムへの武器輸出制限を撤廃した。
一見すると非常に正当な話に思える。中国はベトナムや他のASEAN諸国との間に西沙(パラセル)諸島、南沙(スプラトリー)諸島に関する論争を抱えている。これを歴史的法的論拠を使って解決することは叶わない。
なぜなら中国はこの問題に関しては南シナ海の個々の国と話を付けたいのだが、相手はASEANの枠内で共闘したいと望んでいるからだ。中国は係争水域で一方的に人工島を建設し、軍事基地を建て始めている。これに対して他は大いに憤慨しているが、だからといって何も出来ない。
なぜなら彼らの軍事力は束ねたところで中国のそれには劣るからだ。それでもどこかで誰かが誰をいじめたならば、いじめられた者をかばおうと必ず米国がやってきてくれるではないか。
そして米国は今回だってやってきた。最初はフィリピンと軍事協力を再開し、次は中国が埋め立てた人工島に戦艦と偵察機を送り込み、そして今度はベトナムへの兵器禁輸を撤廃した。でも当然のことながらミサイル駆逐艦も爆撃機も、当然ながら中国にはおびただしい数がある核弾道ミサイルも米国はベトナムなど南シナ海で中国と言い争う諸国には輸出することはない。
なぜなら、もし輸出すればそれは中国に対して銃口を向け、戦争を準備することになり、ありとあらゆる不快な事態を招くことになるからだ。だが中国を旧式のボートや飛行機で脅すというのもなんだか不真面目な話である。
となると疑問がわく。なぜ米国人は中国に対抗する国々に実際の援助を行なうことなく、中国を怒らせようとするのか?
この問いに答える格好のレポートが今日付けのインターネット記事に登場した。記事の筆者は、なぜ米国はここ最近中国とロシアを必死で煽動しようとしているのか、なぜその国境付近にやれ軍用機だ、やれ軍艦だと送り込み、兵力を集めようとしているのか、これに答えようとしている。まじめな専門家らは米国は今の状態ではロシアや中国を別々に相手にしても戦争を行なう力はない。まして2国を同時に相手にするなど話にもならない。おそらく米国はロシアや中国を相手に揉め事を起こすとは自殺行為に等しいとよく理解しており、戦おうとはしていない。だがしつこく煽動を行なうことで自国に軍事力がないことから国際社会の目をそらそうとしているのだ。
これが実際そうである場合、西沙、南沙諸島におけるASEAN諸国の権利に対して米国が見せる甲斐甲斐しさも同じ理由から発生している。だからこそ中国との論争では助けにはならない。これは単に中国を苛立たせ、この地域における中国の軍事行動を活発化させるだけだ。
それでもオバマ氏がハノイで行なった演説には一点、合理性があった。それはこの地域の論争を平和的方法で解決せよといった呼びかけだ。だがこれはやるなら米国抜きでやったほうがいい。そうでないと米国の参加はそれが南シナ海だろうと、新疆だろうと台湾だろうと中国を非常に苛立たせてしまうからだ。だがもし中国人を煽動せず、彼らと誠実に話をつけようとするならば、ひょっとするとすぐにではなくとも、うまく行くかもしれない。
http://jp.sputniknews.com/opinion/20160524/2190801.html
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