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ロシア、ASEANに接近 武器輸出通じ存在感
首脳会議で共同宣言、南シナ海問題にも言及
【ソチ(ロシア南部)=古川英治】ロシアのプーチン大統領は20日、東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳らと南部ソチで首脳会議を開いた。会議後、協力方針を盛り込んだ共同宣言と行動計画を発表し、「戦略的パートナーシップを目指すことで合意した」と表明した。米中が覇権を競うアジアで「大国」ぶりを演出し、存在感を示す狙い。テロ対策や武器輸出をテコに取り込みを図る。
ロシアでASEANとの首脳会議を開くのは初めて。ASEANからはフィリピンを除く9カ国の首脳が出席した。19日から2日間開いた。
プーチン氏は会議後の記者会見で、各国共通の課題としてテロ対策を挙げ、「軍事技術協力を進める」と発言、武器輸出を拡大する方針を示した。今回の首脳会議に合わせて国防相会議を初めて開催、行動計画には対テロ情報の交換を推進することも盛り込んだ。
共同宣言ではASEANの一部加盟国と中国が領有権を争う南シナ海の問題にも言及し、「行動規範」の早期採択を支持すると表明した。ロシアが米中とともに参加する東アジア首脳会議を軸にアジアの安全保障問題の協議を進めるとした。
南シナ海問題でロシアは中立的な立場を維持している。ロシア政府関係者は中国から同問題で支持するよう求められていると明かしたうえで「ベトナムなどとの良好な関係にも配慮しなければならない」と指摘した。
南シナ海を巡る中国との緊張を受け、軍備強化に動くASEAN諸国は、ロシアにとって「有力な武器市場」に浮上している。ロシアの武器輸出に占めるASEANの割合は2010年の6%から15年は15%に高まった。プーチン氏は原子力発電所の輸出にも期待を示した。
会議でロシア側は自らが主導するユーラシア経済連合とASEANの間で自由貿易協定(FTA)を締結することを提案。共同宣言には検討事項として盛り込まれた。
ロシアはユーラシア経済連合やアジアインフラ投資銀行、中ロと中央アジア諸国で構成する上海協力機構(SCO)の代表も招き、ASEANに連携を呼びかけた。米主導で進む環太平洋経済連携協定(TPP)などの動きに取り残されることを警戒しており、経済統合の枠組みでASEANを取り込む思惑と見られる。
ウクライナへの軍事介入を巡り欧米と対立が続くなか、ロシアは政治、経済両面で中国への依存を強めている。対アジア外交を広げ、バランスを取る必要にも迫られている。エネルギー交渉などで中国に主導権を握られる展開が続き、外交面でも「中国の格下のパートナー」になることを懸念している。
プーチン氏は会見で、日本に関連して出された「(北方)領土を売り渡すのか」との質問に対し、「経済協力と平和条約交渉を結びつけていない」と言明した。「日本は重要なパートナーだ」とも指摘し、対話を通じて関係を発展させる意向を示した。
[日経新聞5月21日朝刊P.6]
- 米大統領 ベトナムへの武器禁輸 全面解除を表明 あっしら 2016/5/24 04:06:45
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