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World | 2016年 05月 19日 11:18 JST 関連トピックス: トップニュース
ベネズエラ、首都で大統領辞任求めるデモ隊と治安部隊が衝突
[カラカス 18日 ロイター] - ベネズエラの首都カラカスで18日、マドゥロ大統領を罷免に向けた国民投票実施を求めるデモ隊と治安部隊が衝突し、緊迫した事態になった。
野党主導のデモ行進は過去1週間で3回目。数千人が選挙管理委員会のある場所を目指したが、非常線を張って待ち受けていた軍や警察の部隊ともみあいが発生。催涙ガスが放出され、何百人もが逃げまどい、数人が拘束されたほか、1人が意識不明で搬送された。
ベネズエラでは食料不足が深刻化している上に、停電や断水も頻発し、世界で最も物価上昇率が大きい。こうした中で野党勢力は、マドゥロ大統領が辞任を促す民主的な手続きを妨害すれば、街頭での抗議活動は激しさを増していく、と警告している。
野党側は昨年12月の選挙で国民の経済的な不満を背景に、議会の過半数を確保したが、マドゥロ氏の辞任を目指したあらゆる法的手続きが、政府寄りの最高裁によって無効と判断されてきた。
一方でマドゥロ氏は、エンリケ・カプリレス氏などの野党指導者が米国の支援を得てクーデターを企てていると批判する。またイストゥリス副大統領は、大統領の罷免に向けた国民投票は実施しないと繰り返し強調しており、18日のデモについて群衆が軍にガソリンを浴びせて火をつけようとした点などを批判した。
http://jp.reuters.com/article/venezuela-politics-idJPKCN0YA05I
World | 2016年 05月 19日 18:43 JST 関連トピックス: トップニュース
アングル:逆風下のベネズエラ大統領、最大リスクは国民の怒り
[カラカス 17日 ロイター] - 深刻な物資不足とインフレ高進に悩まされているベネズエラでは、国営スーパーマーケット「ビセンテニアル」で国民が連日、長蛇の列を作っている。補助金で安く抑えられた価格で購入できる米や小麦粉、鶏肉などを手に入れるためだ。
丘の上にあるスラムでは、数百人が真夜中に出発する。国家警備隊が監視する中、スーパー前に列を作る人の数は日の出までには数千人に増えている。
こうした人たちの多くは、かつては左派の故チャベス前大統領の熱烈な支持者だった。しかし現在ではチャベス氏が掲げた革命への失望と、後継者で自身を同氏の「息子」と称するマドゥロ現大統領に対する怒りが広がっている。
この日の朝は、店頭に並ぶのはおむつ、洗剤、デオドラントのみで、食品は販売されないとの情報が伝わり、落胆と不満の声が相次いだ。前日は食料が品切れになると暴動が発生した。
「耐えられない状況だ」と話す整備士の男性(56)は、子ども3人が前日の夕食に口にしたのはパンだけだったという。政府が問題を解決しなければ、街頭で抗議活動を行うしかない、と語った。
<高まる国民の怒り>
マドゥロ大統領にとって、おそらく中道右派の野党勢力よりも大きな問題は、この男性のような国民だ。
野党連合は抗議デモを開催し、国民の不満をマドゥロ大統領の罷免に向けた国民投票につなげようとしている。しかし今のところ、大勢の国民をデモに参加させることは実現できていない。
一方、小規模で突発的なデモは増加している。物資不足が悪化し、食料や医薬品を入手するのが困難になる中、彼らの収入は上昇の一途をたどるインフレに飲み込まれ、断水や停電はほぼ毎日発生している。人権団体ベネズエラン・オブザーバトリー・フォー・ソーシャルコンフリクトによると、デモの数は1日当たり17件。略奪行為も増え、第1・四半期に107件発生した。
また、停電、食料価格、水不足に怒りを感じる住民が政府施設周辺に集まったり道路を封鎖したりすることも以前より頻繁になっている。ソーシャルメディアでは、店舗に侵入し、またトラックが運ぶ物資を取り合う群衆の姿を撮影した動画が広がっている。
<非常事態を宣言>
5月に入り、マドゥロ大統領には逆風が続いている。
まず野党勢力が国民投票を求める200万人近くの署名を提出した。その数は必要とされる20万人を大きく上回った。最近の世論調査によると、マドゥロ大統領の年内の退任を求める国民は70%近くに上る。
また、隣国ブラジルでは、上院が左派ルセフ大統領に対する弾劾法廷設置を賛成多数で承認しルセフ氏は停職。南米では最近の選挙で右派勢力が再び台頭しており、マドゥロ大統領にとって重要な盟友を失うかたちとなった。
このほか米情報当局者は、ベネズエラが経済的・政治的に崩壊する可能性への懸念を強めていると明らかにした。
反発したマドゥロ大統領は、国内の一部勢力と米国が仕組んだ政権転覆計画があるとの理由から、60日の非常事態を宣言した。また、国の安全確保のため軍事演習の実施を命じた。
軍は大半がチャベス氏に忠実な人物で占められ、マドゥロ大統領の生き残りにとってカギとなる存在だ。ただ、ベネズエラの経済危機とマドゥロ大統領の冗長な演説により、側近の間の支持が失われつつあるとの見方もある。チャベス氏とは異なり、マドゥロ大統領は軍出身ではないが、軍の行進に姿を見せることは多く、一部閣僚にも軍当局者を起用した。
<盛り上がらない野党への支持>
ただ、マドゥロ大統領に対する国民の反発は、必ずしも野党への支持を意味しない。野党連合である民主統一会議(MUD)は昨年12月の国会議員選で圧勝したものの、イメージの問題を克服できずにいるほか、いまだに足並みが揃わず連合内部での対立が続いている。
政府は、悪意を持つ右派のエリート層が、混乱をかき立て、原油備蓄を管理下に置くために食料を隠していると非難している。食料を手に入れようと列に並ぶ国民の中にもこうした見方に賛同する人がいる。国民の間には、2002年に短命に終わった政権転覆の記憶も残っている。
首都カラカス東部のスーパーマーケットで高齢者、障害を持つ人、妊娠している女性専用の列に並ぶ55歳の女性は「食料は以前の半分に減ったが、マドゥロ大統領のせいではない。経済戦争が起きている」とコメント。国民投票への野党の呼び掛けについて「権力を手に入れたいだけ」と一蹴した。
*見出しを修正しました。
(Alexandra Ulmer記者 翻訳:本田ももこ 編集:加藤京子)
http://jp.reuters.com/article/venezuela-politics-anger-idJPKCN0YA0YL?sp=true
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