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クリントンの脅威となる2つの映画-Part1
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投稿者 お天道様はお見通し 日時 2016 年 5 月 16 日 14:17:03: I6W6mAZ85McLw gqiTVpO5l2yCzYKojKmSyoK1
 



Photo: nymag.com


11日から始まった第69回カンヌ国際映画祭で、去年話題となったベストセラー「クリントン・キャッシュ:外国政府と企業がクリントン夫婦を『大金持ち』にした手法と理由」のドキュメンタリー映画が16日に先行上映される。映画は7月25日の民主党大会の前の24日に公開予定である。
 
ヒラリー・クリントン氏の大統領候補また政治家としての 資格が問われることになる。クリントン氏は「信用できない」、「嘘つき」と選挙戦でも苦戦を見せているが、映画公開で選挙戦への影響は避けられない。国民 の間では、クリントン氏に対し国家への反逆罪で起訴を求める運動も起きている。
 
 
 
「クリントン・キャッシュ」


 昨年出版された「クリントン・キャッシュ」は、クリン トン一家の慈善団体「クリントン財団」に海外の政府や企業が多額の寄付を行った見返りに、当時国務長官であったヒラリー・クリントン氏から何らかの有利な 取り計らいを受けた説を資料や証言などで裏付けた本である。クリントン氏の国務長官としての影響力が「お金」で買われてきたとも言える。
 
 法律上、外国からの政治献金は禁じられているが、海外 からの財団への寄付は可能である。そこで慈善団体と称するクリントン財団への寄付として海外の政府や企業から資金を受けとったのである。出版当初、疑惑は でっち上げで根拠がないとクリントン側は反論していた。その後本の内容の信憑性を巡り、ニューヨーク・タイムズ紙、CNN、ワシントン・ポスト紙、ウォー ル・ストリート・ジャーナル紙など主要メディアが分析と調査を行った。本の内容の裏付けは取れ、信憑性が確認された。したがって、本が発売された去年とは 状況が違い、クリントン氏が映画の内容を否定、反論することはできない。
 
 著者のピーター・シュヴァイツァー氏は、本の中で「クリントン元大統領のエゴと政治家ヒラリーのキャリアを押し上げ、夫婦に世界的な影響力と金銭的な報酬をもたらした」と主張している。クリントン夫妻は国益より個人の利益を優先したのである。
 
 
慈善活動、ビジネス、政治と公務の混同


 ワシントン・ポスト紙によると、2001年にクリントン財団が設立されて以来、海外の政府、企業や個人から20億ドルの寄付金を受け取ったとされる。また、ビル・クリントンの場合、1回の講演費が6,000-9,000万円に数倍跳ね上がっている。
 
以下が一例である。
 
・カナダのウラニウム・ワン(Uranium One: オーストラリア、カナダ、カザフスタン、南アフリカ、アメリカなどでウランの発掘企業である)のロシア国営原子力企業ロスアトムによる買収案件。ウラニウム・ワンから4回合計235万ドルの寄付を受け取る。買収後、ビル・クリントンはロシアの投資会社から1回50万ドルの講演料がクリントン財 団に振り込まれる。ウラニウム・ワンの買収で、ロスアトムは世界最大のウラン発掘企業となった。また、買収によりロシアは米国のウランの20%を保有する ことができた。ウラニウム・ワンの会長はビル・クリントンの友人でロスアトムとの買収の成立を求めた。米国の20%のウランを保有していたウラニウム・ワ ンがロシアの企業に買われることで米国安全保障上の問題となるはずが、当時国務長官であったヒラリー・クリントンは買収に承認したのである。
 
・サウジアラビアへの武器売買の案件。サウジアラビアから1,000万ドルの寄付を受け取った後、ボーイング社のF-15を含む総額290億ドルの最新型戦闘機の購入が決まる。ボーイング社からも寄付金を受け取る。
 
・ ボーイング社や他の軍需企業からクリントン財団への寄付は商談前と成立後で行われた。ヒラリー・クリントン国務長官中、20カ国に総額1650億ドルの軍需売買取引を成立させた。その中には、テロ組織を支援している湾岸諸国が含まれている。
 
・通信機器メーカーのエリクソンはビル・クリントンの講演料75万ドルを払う。     
  イランで事業展開をしていたエリクソンはイランへの経済制裁中も影響を受けず、業務を続けられた。
 
 慈善団体であるはずのクリントン財団は2013年の納税申告によると、寄付金の約10%が慈善活動に使われ、約88%は経費として報告されている。この点でも、慈善団体の実態が問われる。
 
 
映画が与える影響


 製作者は配給先を動画配信サービスのNetflix, YouTube, Amazonなどで公開を予定している。そのため、本とは違い、世界最大規模で映画を配信することが可能となる。アフリカの独裁者、テロ支援国、敵対国、 億万長者で個人的友人など外国の政府・企業や個人が財団への寄付と称して便宜供与があったことが有権者に与える影響は大きい。



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