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【コラム】私は見た、トランプ氏が開示渋る納税申告書−オブライエン
コラムニスト:ティモシー・L・オブライエン
2016年5月13日 06:50 JST
「ご存じの通り、私の申告額は非常に高い。すべて当局のお墨付きで、まったくきれいな申告書だ」とドナルド・トランプ氏が1月に述べていた連邦所得税の納税申告書は、現時点でまだ公表されていない。それどころか10日に同氏がAP通信に語った時点では、11月の大統領選挙前に公表する気はないらしい。
「そこには何も新しい情報はない」とトランプ氏は話していた。これを受けて、2012年大統領選を共和党候補として戦ったミット・ロムニー氏は11日、トランプ氏に「大統領候補失格」の烙印(らくいん)を押した。
ところが11日夜になってトランプ氏は心変わりし、FOXニュースに「公表する。できれば選挙前に公表するつもりだ。公表したい」と話した。
トランプ氏に誹謗(ひぼう)中傷で訴えられたことのある私は、この訴訟との関連で10年ほど前に同氏の納税申告書を読んだことがある(訴訟は後に取り下げられた)。裁判所の命令で書いたり話したりすることが限られているが、いくつかここで情報を共有できる。例えば、トランプ氏は毎年のように申告を数カ月規模で遅らせていた。そしてようやく提出された文書にはあまりにも多くの手が加えられ、クロスワードパズルのように解明に苦労したため、同氏に修正前の申告書提出を強制するよう、私と弁護士は裁判所に働きかけなくてはならなかった。
そういった経緯を踏まえて、トランプ氏の数年に及ぶ納税申告書がすべて公表されれば、どのような疑問が解決されるのか挙げてみよう。
1)所得
トランプ氏はビジネスマンとしての成功を示すものとして、所得の高さを選挙運動で有権者に誇示している。確かに同氏の場合、申告された所得だけがすべての富とは言えないが、所得額が個人の富を知るための基本であることに変わりはない。
トランプ氏が連邦選挙管理委員会に開示した財務情報と同氏陣営が公表したバランスシートを精査したフォーチュン誌のショーン・タリー氏は、「所得は水増しされているようだ、しかもかなりの額が上積みされている。納税申告書の公表を渋っているのはこのためかもしれない」と3月に指摘している。タリー氏によれば、トランプ氏は各種事業収入と個人の所得とをごちゃ混ぜにすることで、所得をかさ上げしている可能性が高い。
2)ビジネス活動
トランプ・オーガニゼーションは数千人を雇用しているとトランプ氏はかねて主張し、フォーチュン500社が米国の労働者をないがしろにして海外で事業を運営していると批判する。納税申告書が公表されれば同氏および同氏の会社が世界規模でどれほど活発にビジネスを営むのかが分かるようになる。
3)慈善活動
退役軍人を中心に慈善団体には気前よく寄付していると、トランプ氏は述べているが、それを裏付ける明確な証拠を見つけるのは難しい。ほかにも実際に寄付したのかどうか怪しいケースもあるが、それも含めて申告書を公表すれば明らかになる。
4)税金対策
政治家や資産家が資産隠しを目的に租税回避地やシェルカンパニーを活用した可能性に、世界の注目が集まっている。トランプ氏がこうした手法を使ったかどうかも、申告書の公開ではっきりする。
5)透明性と説明責任
トランプ氏が手に入れようとしているのは世界で最強の権力を握る地位だ。ホワイトハウス入りすることで生じかねない利益相反や財務的な圧力を、納税申告書の開示で早めに知ることができる。
米国では過去40年にわたって、大統領候補は納税申告書を公表してきた。トランプ氏はもちろん、自らを型破りの人物として描こうとするが、納税申告書の開示は価値のある政治的伝統として守るべきものだ。
このコラムは必ずしもブルームバーグ編集部、ブルームバーグ LP、そのオーナーの意見を反映したものではありません。
原題:I Saw Trump’s Tax Returns. You Should, Too.: Timothy L. O’Brien(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-12/O730N1SYF02V01
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