http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/680.html
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日本を含めたアメリカ主導の環太平洋の包括的貿易投資協定はTPPですが、アメリカと欧州の間でまったく同様の貿易協定に関する交渉が、TPPとまったく同様に秘密裏で進行中です。
内容も「秘密」でしたが、なんと環境保護団体として有名なグリーンピースが漏洩されたTTIPに関する交渉内容の文書を入手・公開して一部で大波紋を呼んでいます。
「大企業による国の乗っ取り」と表現されていますが、TPPもまったくそうですよね。市民は様々な権利を失い、多国籍企業などの大企業がやりたい放題になるだけなのに、それにより市民にも「経済的利益」があるなどと政府は言っているようですが。
このTTIP(TPP)は統一世界政府などのNWO(新世界秩序)の実現のための布石であるという考えもありますが、内容を見て普通に考えると、まさにそうとしか思えません。
ガーディアンかインディペンデントにも同じネタのニュースがありましたが、RTの方がコンパクトで、もう少しはっきり言っていたのでRTの記事にしました。このニュースは日本のマスコミでさえ伝えていますが、各記事でニュアンスに少し違いがあるようです。
私利私欲のために、自国の農業や環境、文化や労働者の幸福感などと引き換えに、トリクルダウン方式とかでおこぼれをもらえるのを期待だけさせるのもどうなんでしょうね。
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TTIP交渉の文書が漏えいされ、グリーンピースによって劇的に公開:
企業による国の乗っ取りや気候保護対策の廃絶の計画が明らかに
LEAKED: Explosive TTIP documents expose plans for corporate takeover, dismantled climate protection
5月3日【RT】https://www.rt.com/uk/341690-ttip-leak-documents-greenpeace/より翻訳
TTIP(EU米国間の包括的貿易投資協定)の下では、気候保護、雇用、食品の安全性やネット上のプライバシーの権利が剥奪されることが、漏洩された文書の一部から明らかにされた。
多くのヨーロッパ人は環境や消費者の保護を重要視しているが、秘密裏に行われているEU米国間の貿易交渉内容を明らかにした漏洩文書からは、TTIPによってそれが跡形もなくなってしまうことが示唆されている。
グリーンピースのオランダ支部は火曜日、重要な協定を覆い隠すベールを引き剥がす資料を公開。そして気候保護や人間の健康、労働者の権利、インターネット上のプライバシー権、さらにヨーロッパの社会機構そのものまでに関する含意を暴露した。
環 境に関する保護運動や研究で長い歴史を誇るNGOのグリーンピースは、未知の情報源から交渉に関する文章を入手した。そしてこのデータについて、ハンブル グのテレビ局NDR、ケルン(ドイツ)の公共放送グループWDR、ミュンヘンを拠点にする新聞社Süddeutscher Zeitungなどの複数の目立ったメディアと共同で作業を進めていた。
TTIPの終わりの鐘となるのか?
TTIPが成立すると、アメリカ・EU間の物資やサービスの貿易に対する関税やその他の貿易障壁が廃止され、世界最大の自由貿易圏が作り出されることになる。
TTIPの支援者は、これにより投資や雇用が促進されると主張しているが、反対者は現在のヨーロッパのような国家の主権が急激に弱まるだろうと警告を発している。
グリーンピースのオランダ支部が入手した漏洩文書からは、EU・米国間の交渉の立場が直接的に明らかにされており、この公開によって約10億人のヨーロッパおよび米国の市民が適切な情報が与えられた状態で協定に関する議論することができるようになった。
ブリストル(イギリス)やブリュッセル(ベルギー)のTTIP反対論者らは、この最新の暴露は、TTIPの弔いの鐘だと烙印を押している。
イギリスの社会的公正を求めるキャンペーンを行う団体、War on Wantの代表であるジョン・ヒラリー氏は、TTIPが雇用や食品の安全性、そしてヨーロッパの民主主義的な基盤が脅威に晒される仕組みが明らかにされたと述べた。
ジョン・ヒラリー氏:「私たちが恐れていたよりも悪いものでした」
「今日明らかにされた漏洩文書から、ヨーロッパの社会の顔が永久に帰られてしまうような取引を密室で行うという、利にくらんで私たちを裏切る準備を欧州議会が行っていたことが明らかにされました」
「公開審査もまったくないまま、選挙で選ばれていない公職員のグループがこのようなことを熟考することが認められているなど、単に受け入れられないというだけの話です」
ヒラリー氏は、今回の漏洩によってTTIPが終焉を迎える引き金になるだろうと続けた。
「欧州議会がこれらの身の毛のよだつような交渉内容に関する真実をヨーロッパの市民から隠す唯一の方法として、交渉は完全な秘密裏で行われてきましたが、今では秘密がばれてしまいました」
「私たちはヨーロッパの政府に対しTTIPに関する話し合いを停止し、EU側の交渉チームを解散させ、このようなダメージの大きい交渉がどのようにしてここまで進展することが認められてしまっていたのか、公式の調査を行うよう求めています」
グリーンピースのオランダ支部およびその他の反TTIPグループらが漏洩された資料を深く分析したところ、いくつかの中心的な批判内容が浮き彫りにされている。
1.人間や動物、地球の生命よりも利益が優先されている
現在の時点で、問題の貿易協定は、地球保護のために制定されたEUの政策の廃止が促進されることになる可能性が高いことが示唆されている。
248 ページの漏洩文書から抜けているのは、一般例外事項として知られる箇所である。これは世界貿易機関(WTO)の関税と貿易に関する一般協定(GATT)に 公式に記された70年間存在している規則で、国境を超えた貿易協定は人間や動物、地球の生命を保護し、一方で貴重な自然のリソースの家業消費を防止するよ う規則を定めるものだ。
(画像 https://twitter.com/wwwfoecouk/status/727503966163062784)
2.気候保全対策が除かれることに
また漏洩された膨大な量の資料からは、この時代でもっとも差し迫った問題だと環境に関心のある発言者が呼ぶ問題についての説明が抜けている。つまり、気候の保全問題だ。
文書の中の主要な章は「工業製品への市場参入(Market Access for Industrial Goods)」や「企業に対する規制(Regulatory Cooperation)」というタイトルがつけられており、気象変動に対する取り組みとして必要不可欠な対策の影響を限定する提案が強調されている。
グリーンピース・オランダ支部が特に懸念している問題としてあげているのは、これら交渉の下で、タールサンドや石油などのCO2の産出量の多いものの輸入に対するEUの規則が撤廃されるだろうという事実だ。
このような政策上のシフトは、気温の上昇を1.5度までに制限しようとするCOP21でのパリ協定の下での主要な環境保護戦略の一つを切り下げることになる。
世界中の気候科学者の中でも圧倒的大多数(気候変動説に懐疑的な者を除いて)は、現在よりも気候変動対策を減らした場合、世界的な気候変動の危機に侵食され、数十億人を危険に晒すことになると主張している。
3.有害な化学物質・GM(遺伝子組み換え)食品の突破口
「欧州連合の機能に関する条約」191条に定められている予防原則もまた、TTIPの交渉に関する文書から抜けている。同規定はリスク分析および政策介入によって、環境保護のためのより望ましい枠組みを構築することを目的としたものだ。
そして人間や植物、動物に有害、あるいは環境破壊する可能性のある製品がある場合、EU市場から有害な商品を撤退させるための不可欠なツールとして使われている。
また統計による科学的な研究によって、包括的な潜在的リスクが提示されていない場合に関しても、有害である可能性のある製品を市場流通から排除するためにも用いられている。
今回の漏洩文書からは、米国産の遺伝子組み換え食品や、環境や健康の見地からEU内で現在流通が禁止されているその他の製品がTTIPによってヨーロッパに大量に流入することが明らかにされている。
反対運動者らは、これによりヨーロッパに欠かせない規則上の基準が放棄されることを示唆するものだと警告を発している。
4.大企業に偏向した交渉
TTIPに関して、大企業は意見を述べる目立ったチャンスが与えられていたが、一般人の社会ではこの秘密の交渉に関する権利が実質上ゼロとなっているが、248ページの漏洩文書からは、大企業に対する偏りが明確にされた。
一般社会の構成員はTTIPの交渉会合からほとんど締め出されている一方で、大企業の当事者は同交渉に絶対的な発言権を持っていたことが明らかにされている。
グリーンピースオランダ支部によれば、欧州委員会(EC)は大企業の影響力の範囲については決して透明だとは言えないという。
同委員会のTTIPに関する最新の報告書では、交渉における産業界の関与はただの一度しか言及されていないが、一方で漏洩文書からは産業界による介入は交渉のプロセス全体を通して忠実に言及され、記録されているのだ。
同文書にはまた、大企業の当事者とのさらなる話し合いが必要な場合には規則どおりに記されている。
5.ISDSメカニズムは八百長?
漏洩文書の分析から、アメリカ政府にとってTTIPの中心的な規定である投資家対国家の紛争解決(ISDS)条項は、優先度が高いことが明らかだ。
企業向け裁定機関システムにより、多国籍企業が利益を損失した場合に政府を相手に訴訟を起こすことが認められている。
グリーンピースが入手した交渉の内容文書からは、この裁定制度に対して慎重に審議された代替策がEU側から提出されたものの、アメリカがそれを一蹴していたことが明らかになった。
欧州議会の交渉担当は、EU国家の主権を、アメリカの大企業から生み出されるあぶく銭を手に入れるために安く売り飛ばしたようだと批判が警告として出されている。
グリーンピース・オランダ支部の中心的運動家Faiza Oulahsen女史によれば、ヨーロッパ中の市民社会は明らかにされた文章を心配するべきだと述べた。
「環境問題や動物の福祉、労働者の権利やインターネット上のプライバシー権などを気にしているかどうかを問わず、漏洩文書に書かれていることに関心を払うべきです」
「市民社会や世界中の数百万人の人たちが、『TTIPは民主主義の権利を人々から大企業に大幅に移動させるものだ』と強い反対意見として声をあげていますが、文書からはそれが明確に示されています。
私たちは選出された代表者およびその他の関係当事者全員に対し、これらの文書を読み、議論に参加するように求めています」
漏洩された交渉に関する資料は、欧州委員会によって確立された17章の内13章が含まれている。
同文書はこれまでは機密扱いとされ、欧州議会の選出された議員およびその他の主要な欧州官僚にのみ閲覧可能であった。
機密とされていた文書の関係者は、セキュリティの確立された一室で、専門の相談役のいない状態でのみ読むことが認められていた。また関係者らは、他のものと文書の内容について議論することも禁止されていた。
(翻訳終了)
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【関連記事】
オバマがドイツを訪問・ハノーバーで3.5万人が反TTIPデモ(英語)
4月24日http://www.pressenza.com/2016/05/pro-corporate-ttip-ropes-top-french-officials-lambaste-bad-deal/
(画像 campact/flickr/cc)
2015年10月
ドイツのベルリンで開催された反TTIPデモに数十万人が結集
http://www.commondreams.org/news/2015/10/10/hundreds-thousands-march-berlin-against-ttip-trade-deal
(画像 EFE/EPA/KAY NIETFELD)
個人的に私が好きなのは、このTTIPをトロイの木馬に例えたこちら。
一見、無害なふりをしても一旦国に入ってしまうと・・・
(http://www.globaljustice.org.uk/news/2015/oct/19/ttip-already-changing-food-standards-eu-and-it%E2%80%99s-going-get-worse-according-new )
TTIPは大企業による国の乗っ取りを狙うトロイの木馬・グリーンピースが漏えい文書を公開 世界の裏側ニュース
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