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トランプ陣営に加わったスゴ腕の「選挙参謀」〜戦術の変化には理由があった 米大統領選の必勝請負人!?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48512
2016年04月23日(土) 歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
■クリントンvsトランプの戦い
いよいよ終盤戦を迎えた米大統領選の先行きが見えてきた――。
4月19日、ニューヨーク州で行われた民主、共和党の予備選で、共和党は不動産王ドナルド・トランプ氏が予想外の得票率60%超で圧勝し、民主党ではヒラリー・クリントン前国務長官がバーニー・サンダース上院議員を大差で破った。
トランプ氏は獲得代議員を847人まで伸ばし、全代議員(誓約・非誓約)2304人の過半数1237人獲得の可能性が出てきた。26日にはペンシベルニア州、メリーランド州など5州で予備選が実施される。5月3日がインディアナ州、そして大票田のカリフォルニア州とニュージャージー州は6月7日である。
7月18〜21日にオハイオ州クリーブランドで開催される共和党大会までに代議員の過半数を制することができなくても、トランプ氏が代議員の45%を獲得すれば、共和党大統領候補に指名される可能性が高くなった。
たとえ共和党主流派が現時点で2位の超保守派テッド・クルーズ上院議員に見切りをつけて、党大会で「第3の候補」を擁立してトランプ氏との決選投票に持ち込んだところで、長い全米予備選を戦い抜いて勝ち取った「45%」は無視できない、というのがワシントンの選挙予測プロフェッショナルの見方である。
クリントン氏が民主党大会(7月25〜28日。ペンシルベニア州フィラデルフィア)で大統領候補に指名されるのは100%間違いない。つまり、11月8日の大統領選一般投票は、クリントンvsトランプの戦いとなるだろう。
■トランプの強力な選挙参謀
次は、トランプ陣営のアドバイザーから「Trump is who?」を探ってみたい。
ドナルド・J・トランプ、1946年6月14日生まれの69歳。ニューヨーク州クィーンズ出身。前妻(2名)との間に2男、2女。現メラニア夫人(スロベニア出身)との間に1男。名門ペンシルベニア大学ウォートン・スクール卒業。
父が経営する不動産会社勤務を経て、1997年にNYマンハッタンの5番街にトランプタワーを開業し一躍、時の人になる。その後、同パークアベニュー、シカゴ、パナマにもトランプタワーを開業、ワシントンDC郊外にトランプ・ナショナル・ゴルフクラブ(皮肉にもビル・クリントン元大統領もメンバー)、そしてスコットランドにトランプ・インターナショナル・ゴルフリンクスを開業。推定資産41億ドルの超リッチだ。
選挙参謀として急速に注目を集めたのがポール・マナフォート氏(67歳)である。信じ難いことに同氏は、歴代の共和党政権のジェラルド・フォード、ロナルド・レーガン、ジョージ・H・W・ブッシュ(父)、ジョージ・W・ブッシュ(息子)の各大統領が戦った大統領選で主要スタッフであった。
選挙参謀としてトランプ陣営に加わったポール・マナフォート氏〔photo〕gettyimages
3月になってこの強力な助っ人がトランプ陣営に加わったのだ。レーガン政権時には人事部長としてホワイトハウス入りし、共和党全国委員会政治部長も歴任している。ここに来てトランプ氏が変身して単なる“吠える人”ではなくなったのは、マナフォート氏が果たした役割が大きかったとされる。
トランプ陣営のアドバイザリー・ボードは次のようなメンバーである。
コーリー・ルワンドスキー選対本部長以下、サム・クロービス選挙共同会長、マイケル・グラスナー政治部長、ジェフ・セッションズ外交・安保チーム議長、ワリード・ファレス外交政策顧問、ゲイリー・バレル安保政策顧問、バリー・ベネット上級顧問など。
このうち際立ったキャリアの持ち主は、現職の上院議員(アラバマ州選出)のセッションズ氏だけだ。他は退役陸軍少将のバレル、元大学教授のクロービス、AIPAC(米国イスラエル公共問題委員会)元部長のグラスナー、米国防大学(NDU)元教授のファレス、ポートマン上院議員下選対本部長のベネット氏などでエリートはいない。ルワンドスキー選対本部長からして経歴の詳細情報がないほどである。
要は、トランプ氏自らが陣営を取り仕切っているのだ。
■本選でも勢いは止まらない?
さて、そのトランプ氏は本選でクリントン氏に勝てるのか。
4月5日までの共和党予備選の投票者数が前回比56%増の2200万人に対して、民主党の投票者数は同23%減の1700万人だった。「トランプ旋風」によって熱狂した共和党員が投票所に足を運んだのである。
この勢いは本選でも恐らく変わらないだろう。「我々は日本を防衛し、世界中で笑いものになっている」と言うドナルド・トランプ氏が、来年1月20日の大統領就任式に臨むシーンを想像したくないのは筆者だけではないはずだ。
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