ドラギ総裁が逆襲、ドイツの決まり文句にうんざり−批判すれば逆効果 Jeff Black 2016年4月22日 19:09 JST 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁にとっての執拗(しつよう)な敵は2つ。一つは低インフレ。もう一つはドイツで受ける評価の低さだ。総裁はとうとう逆襲に転じた。 ECBは3月に打ち出した一連の刺激措置が機能しているとみており、ユーロ圏での与信の回復と世界からの衝撃に対して持ちこたえている生産がこの論調を支える。 ドラギ総裁は就任から4年以上が過ぎたが、ドイツでの一般的なイメージは依然として「浪費家のイタリア人」だ。総裁の低金利のせいで老後の資金が目減りするという筋書きはもう、独政界の定番になっている。総裁は21日の政策決定後の記者会見で、批判すればするほど政策の威力がそがれ、さらなる措置が必要になると警告した。 「ECBは独立性を持った中銀だ。従って、われわれが適切だと考える政策を取り続ける」と言明し、「中銀の信頼性に疑問符が付くという見方が広がると常に、政策の目標達成が遅れる結果に終わる。従って、その政策を一段と推し進める必要性が生じる」と声を強めた。 低金利が貯蓄者を苦しめているという議論については「実のところ、現在の実質金利は20−30年前に比べて低い」と指摘。「実質金利を貯蓄者に説明するのは難しいかもしれないが」と付け加えた。 原題:Draghi Defies German Disfavor With Claim ECB Stimulus Works (1)(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-22/O6124A6KLVRL01
4月ユーロ圏経済活動、前月とほぼ同ペース−刺激策に反応薄 Fergal O’Brien 2016年4月22日 18:13 JST ユーロ圏の4月の経済活動は前月とほぼ同ペ ースで拡大した。マークイット・エコノミクスの指標が示した。欧州中 央銀行(ECB)の最新の刺激パッケージに対する顕著な反応は見られ なかった。 マークイットが22日発表したユーロ圏の製造業とサービス業を合わ せた総合購買担当者指数(PMI)の4月速報値は53.0と、3月の53.1 から小幅低下した。同指数は50が活動拡大・縮小の分かれ目。サービス 業PMIもほぼ変わらずとなった。 ECBのドラギ総裁は21日、「ECBの政策は機能しているし効果 的だ。時間を与えて欲しい」と述べたばかりだった。ユーロ圏のインフ レ率は過去1年、ゼロを上回る水準にとどまるのに苦戦している。マー クイットは「より積極的な政策措置が必要かもしれない」と指摘した。 同社チーフエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏 経済は低成長から抜け出せないままだ」とし、「ECBが3月に追加刺 激策を打ち出しても企業景況感が改善しなかったのは大きな失望で、現 在の緩やかな拡大ペースが向こう数カ月に加速する公算が小さいことを 示唆している」との見方を示した。 発表によると、ユーロ圏の4月の製造業PMI速報値は51.5と、3 月の51.6を下回った。サービス業PMI速報値は53.2で、前月の53.1か ら上昇。雇用と価格の指数も4月に上がったものの、マークイットは 「ベースとなる水準が低かった」と説明した。 原題:Euro Area in Rut as Confidence Slow to Respond to Draghi Action(抜粋) --取材協力:Mark Evans、Harumi Ichikura. https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-22/O610RP6JTSEL01 Business | 2016年 04月 22日 19:40 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
欧米社債柱にヘッジ外債最大1000億円増=東京海上日動計画 [東京 22日 ロイター] - 東京海上日動火災保険は今年度、外国債券を500─1000億円程度積み増す。投資適格級の欧米社債を中心に為替ヘッジ付きで投資する。低金利が続く円債は積み増しせず、期末残高は減少の見込み。国内株は中期計画に沿って政策保有分1000億円程度の売却を予定している。 岳俊太郎・資産運用第2部次長は外債の積み増し方針について「(国内の)マイナス金利に投資するわけにもいかない。必然的に海外投資へ向かわざるを得ない」と説明した。 前期は為替ヘッジなしのオープン外債も一部積み増したが、今期は円相場の高止まりが続くとみて、基本的に為替リスクは排する方針。米独などの国債は金利水準がすでに大きく低下しているため、積み増しの「かなりの部分」が社債になる見通しだという。 国際金融市場の不安定化を背景に社債市場でも一部銘柄のスプレッドが急激に拡大するなど荒い動きが発生していることを受け、投資先は徹底して選別する考え。「償還まで持ち切れると判断した銘柄なら、一時的にワイド化しても慌てる必要はない」ためで、米エネルギーや欧州の銀行といった不透明要素が強いセクターは対象外とする。 今年度のリスク要因には、中国景気の減速と英国の欧州連合(EU)離脱、ギリシャなど南欧問題を挙げた。 日銀がマイナス金利を突然導入した今年1月は、短期運用目的で保有していた資産の金利がマイナスへ急低下。債券価格は上昇するため「損が出るわけではなかったが、短期の運用先をプラス金利の資産へ移し替える作業を精力的に行った」と振り返った。 各市場の見通しは以下の通り。米国債金利の下限0.8%は、市場で再緩和の憶測が広がるような「かなりのリスクシナリオ」という。 ▼はマイナス。 日本10年債利回り ▼0.5─0.5%(年度末0.0%) 米10年債利回り 0.8─2.8%(同2.1%) 日経平均 1万2000─2万円(同1万6000円) ドル/円 100─125円(同112円) ユーロ/円 110─145円(同126円) (基太村真司、佐野日出之) http://jp.reuters.com/article/tokyo-marine-nichido-investment-plan-idJPKCN0XJ0W4 Business | 2016年 04月 22日 19:38 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス アングル:変革求められるアナリスト、「早耳情報」より「分析」 [東京 22日 ロイター] - 証券アナリスト業務に変革の波が押し寄せている。決算数字などの重要情報をいち早く入手し、投資家に提供する仕事よりも、本来の企業情報の分析に軸足を移すべきとの流れが強まっているためだ。 ただ、「早耳情報」が投資家から証券会社への発注に結び付く原動力になっているのも事実で、真の変革が根付くかどうかは未知数だ。 <自己改革に動き出した証券会社> 野村証券は、昨年12月から「決算プレビュー」という企業取材に基づいた決算予想は行わないことにした。継続しているのは、アナリストの独自分析による決算見通しの提供だ。 大和証券は、アナリストが決算期末15日前から決算発表前日までに企業を取材した場合、未公表の決算情報を一切取得していない旨などを記録・保存するよう義務付けた。同証券はこれまでも決算情報の取得を目的とした取材を禁止してきたが、管理をさらに強化したかたちだ。 業務改革のきっかけになっているのは、証券取引等監視委員会による外資系証券に対する調査だ。監視委は昨年12月以降、ドイツ証券とクレディ・スイス証券に金融商品取引法に基づき行政処分を出すよう金融庁に勧告。両証券とも、アナリストが企業を取材した際に得た未公表の重要情報を一部顧客の投資家に漏らし、それが株の売買につながったとして問題視された。 <需要の高い決算数字などの「早耳情報」> 証券アナリストは、自らがカバーする企業の財務情報を分析し、投資家に提供するのが仕事だが、その際、企業を訪問し、CFO(最高財務責任者)やIR担当者らからのヒアリングも実施する。取材の過程で、近く発表される決算数字を「当てにいく」ことも多く、「こうした情報が実は一番投資家に喜ばれる」(外資系証券のアナリスト)のが実情だ。 アナリストの情報をもとに顧客投資家が活発に株の売買を行えば、仲介した証券会社には手数料が入る。関心は自ずと企業の重要な内部情報に向かい、短期売買を繰り返すヘッジファンドに食い込もうと躍起になる──という構図がある。 しかし、監視委の幹部は「アナリストの役割は大きく変わるべき」と指摘する。「マスコミと一緒になって『早耳情報』を追いかけるのではなく、膨大な公表資料を分析する業務に徹するべきだ」と主張する。 背景にあるのは、アナリストのカバーする企業が一部に偏っているとの問題意識だ。日本の上場企業は3000以上あるが、アナリストがカバーしている企業はごく一部。公表資料を丁寧に分析し、中長期的に成長しそうな企業を発掘すれば、さらに資本市場は厚みを増すと、監視委幹部はみている。 <独自分析で生き残れるアナリストへ> 金融庁は、さらに体制整備にも乗り出す。金融審議会(首相の諮問機関)の部会は13日、上場企業が特定の第三者に重要な内部情報を伝えることを禁ずる「フェア・ディスクロージャー・ルール」の導入に向けて「具体的に検討すべき」とする報告書をまとめた。金融庁のある幹部は、米国流のフェア・ディスクロージャー・ルールが模範になると話す。 米証券取引委員会(SEC)は2000年に規制を導入し、未公表の重要事実をアナリストに優先的に開示することを禁止した。「早耳情報」の取得競争から脱し、企業とアナリストのなれ合いを断つことが狙いの1つだ。 ルールが導入されれば、アナリストは公表資料を独自に分析し、その内容で競い合う時代に突入する。しかし、その能力を今のアナリスト達が持っているのかどうか。あるアナリストは、独自色の発揮は難しいと話し「自分の『仕事』はなくなってしまうのではないか」と頭を抱えている。 (和田崇彦 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/analyst-japan-stock-idJPKCN0XJ15L
Business | 2016年 04月 22日 19:13 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 新規資金1.5兆─2兆円、円金利資産とリスク資産ほぼ半々=日生計画 [東京 22日 ロイター] - 日本生命保険は22日、2016年度の一般勘定運用計画で、外国債券や内外株式などのリスク性資産に積極的に投資する方針を示した。国内金利が低下する中で国内債券投資を抑制。利回り確保を前提にすると、基本的にマイナス金利の国債は投資対象にならないとしている。外債投資では、ヘッジコストが上昇している米債中心の姿勢を見直して、欧州債にも分散を図る考え。 同社が22日に開催した運用方針の説明会で明らかにした。 日本生命は、16年度の新規資金配分を1兆5000億円─2兆円程度と見込んでいる。配分額に幅を持たせたのは、低金利を受けて保険販売に不透明感があることに配慮した。 15年度末の資産構成比は、一般貸付・国内債・ヘッジ外債の円金利資産が約72%、内外株式・オープン外債・不動産など円金利以外の運用資産が約27%となっている。 16年度は、国内金利の低下を受けて国内債投資を抑制する一方で、海外・クレジット資産への投資を拡大。新規配分額の内訳は、「円金利資産が減少し、円金利以外の資産が膨らむ構図」(佐藤和夫財務企画部長)で、その割合はほぼ半々になる見通し。 国債は、一時払い保険などの一部商品では流動性確保のために投資を行うが、あくまでも必要最低限にとどめる。16年度は一定規模の国債償還を迎えるが、国債市場の流動性低下を踏まえると、「国債償還金をそのまま国債に再投資することは実務的に難しい」(佐藤財務企画部長)という。また、国債利回りは現在、残存13年程度までマイナス圏にあり、利回り確保の観点から、マイナス金利の国債は基本的に投資対象外としており、国債保有残高は減少する見込み。 予定利率を上回る投資対象が限られる中、同社では「安定的なインカム収入につながる投資先として海外債券に依存せざる得ない」のが現状。外債は15年度にヘッジ付・オープンとも、米国を中心に残高を大幅に積み増したが、16年度も増やす方向に変わりはない。ただ、ヘッジコストが上昇している米債の比率を下げて欧州債に分散投資を図る方針で、利回りとヘッジコストを踏まえて、機動的に運用していく。また、内外株式は、グローバルに成長できる企業の株式に投資する姿勢だが、相場動向と投資先の状況をみながら投資の配分を進めていく。 低金利や規制強化が進む状況下、生保の運用環境は厳しさを増している。同社では、「運用の高度化を図らないと、利回りが取れない時代を迎えた」(佐藤財務企画部長)と認識している。すでに、3カ年経営計画において3─5年で最大1兆円の成長・新規領域への投融資を計画。22日には、インフラ投融資で子会社とともに、インフラ投資枠400億円を設定したと発表している。 2016年度末の見通し(レンジ・年度末)は以下の通り。▼はマイナス。 日本国債10年物利回り ▼0.40─0.00%(中心値▼0.2%) 米10年債利回り 1.5─2.5%(同2.0%) 日経平均 16000─21000円(同18500円) 米ダウ 16000─20000ドル(同18000ドル) ドル/円 110―120円(同115円) ユーロ/円 115―125円(同120円) (星裕康、植竹知子) http://jp.reuters.com/article/nissei-investment-plan-idJPKCN0XJ0U9
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