http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/378.html
Tweet |
「モサック・フォンセカ」の顧客リストにCIA関係者も含まれていた〔PHOTO〕gettyimages
「パナマ文書」にCIA関係者の名前! 〜重大な「政治スキャンダル」で利用か
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48444
2016年04月16日(土) 歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
■いよいよ真打ちの登場
ついに出てきた――。
いま、世界の政治指導者、超富裕層、そして情報機関を震撼させている「パナマ・ペーパーズ」に米中央情報局(CIA。ジョン・ブレナン長官)の元関係者2人の名前が記述されているというのだ。
同ペーパーズを入手した南ドイツ新聞(SZ)に協力して分析作業を行った国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ。本部ワシントン)と提携する『朝日新聞』(4月13日付朝刊)が報じた。
国内メディアでは唯一報道した同紙によると、米国がレーガン政権当時、イランに武器を秘密売却した代金をニカラグアの反政府ゲリラの援助に流用した「イラン・コントラ事件」に関与した疑いがある人物2人がいたというのである。
CIAだけでなく、サウジアラビア、コロンビア、ルワンダなどの情報機関の元高官らが、パナマ・ペーパーズの流出元であるドイツ系法律事務所「モサック・フォンセカ」の顧客リストに含まれている。そして、他の主要国の情報機関もまた経営実態のないペーパー会社を設立して工作資金の捻出のためタックスヘイブン(租税回避地)を利用していたはずだ。
トリガー(引き金)となった南ドイツ新聞(4月3日)の報道以降、プーチン・ロシア大統領、習近平・中国国家主席、キャメロン英首相、マクリ・アルゼンチン大統領、シャリフ・パキスタン首相、アサド・シリア大統領、ポロシェンコ・ウクライナ大統領など多くの指導者名が暴露されているが、なぜ、お膝元・ドイツと課税逃れの元祖・米国の現元政治家の名前が出てこないのか不思議に思った人が多かったはずだ。
1997年に米CBSのプロデューサーだったチャールズ・ルイス氏と米紙ニューヨーク・タイムズの敏腕記者だったビル・コバッチ氏が設立した非営利報道機関であるICIJは、活動開始当初、米フォード財団やパッカード財団の財政支援を受けていたことから、パナマ・ペーパーズからの“米国外し”が指摘されていたほどだ。
だが、いよいよ真打ちの登場である。それが「イラン・コントラ事件」である。長きにわたって国際報道に関わってきた筆者にとって懐かしい事案である。
■「イラン・コントラ事件」とCIA
1986年は激動の年だった。東西冷戦下の同年10月、当時のレーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長がアイスランドのレイキャビクで会談した。「デタント」到来として世界中で歓迎された。
その一方で、米軍兵士がレバノン内戦中にイスラム教シーア派過激派組織「ヒズボラ」に拘束されて人質となった。この救出作戦の一環として、レーガン政権はヒズボラの後ろ盾であるイランと秘密接触し、イラン・イラク戦争でイラクと戦う同国に対して極秘裏に武器を輸出することを約束した。
国家安全保障会議(NSC。事務局長=ジョン・ポインデクスター国家安全保障担当大統領補佐官)のオリバー・ノース軍政部次長(海兵隊中佐)が中心となり、イランへの武器売却代金を、左傾化が進む中米ニカラグアの反共ゲリラ「コントラ」に供与したのだ。当時のニカラグアはキューバとソ連に支援されたサンディニスタ民族解放戦線政権であり、米国にとって看過できない、即ち転覆させるべき存在であった。
そして、当時のジョージ・H・W・ブッシュ副大統領(元CIA長官で後の大統領)が対イラン、コントラ交渉の責任者であり、連携したのがウィリアム・ケイシーCIA長官だった。ブッシュ副大統領の直接の指示を受けてノーズ中佐がコントラ援助を目的として設置した秘密のネットワークの運営責任者であったことは、後に「イラン・コントラ事件」を調査するために設定された上下院協議会の公聴会で明らかになった。
こうしたことでも分かるように、その秘密ネットワーク作りに利用されたのがパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」である可能性が高い。だとすると、先の「『イラン・コントラ事件』に関与した疑いがある人物2人」のうちの1人がオリバー・ノース元海兵隊中佐ではないか。
どうやら、南ドイツ新聞=ICIJ連合の調査報道は「藪を突っついたら蛇が出てきた」ということになりそうだ。そしてドイツ関連の名前・組織も近々暴かれることになりそうだ。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。