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(回答先: 集団亡命した北朝鮮従業員の勤務先 賃金前払いしていた:約1700万円、逃亡の前日、中国人経営者と口論の情報 投稿者 あっしら 日時 2016 年 4 月 14 日 17:45:53)
北朝鮮ウェイトレスの集団脱北の裏で「スパイ組織」が暗躍!?
高英起 | デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト 2016年4月13日 6時31分配信
親北朝鮮的な在米韓国人が運営するニュースサイト・民族通信が12日付の記事で、先週起きた北朝鮮レストラン従業員らの集団脱北は、韓国の総選挙(13日投開票)で保守派を有利にするため朴槿恵政権が仕組んだ「でっち上げ事件」であると主張している。
(参考記事:北朝鮮レストラン「集団脱北事件」…原因は中朝関係者間のトラブル?)
民族通信は、「韓国の国家情報院(国情院)に誘拐されそうになった」という北朝鮮の若者らを平壌で取材。それを根拠に、レストラン従業員らの脱北も同様の出来事であると言っているわけだ。
筆者はここで、国情院がそうしたオペレーションを行っているかどうか、その真偽について語る材料を持っていない。ただ、ときに南北が砲火さえ交える朝鮮半島情勢の苛烈さを鑑みれば、「やっていてもおかしくない」と考えている。
それは、今回の集団脱北についても同様だ。というのは、この件が金正恩体制に与えるダメージの大きさから逆算してみると、「何とも効果的なやり方だな」と思えるからだ。
北朝鮮の政府機関や事業体の多くは、国家の財政難のために独立採算を余儀なくされており、貿易や海外での事業で外貨を稼ぎださなければならない。もちろん、朝鮮労働党などから「上納金」のノルマを課せられており、それを賄うためには薬物、偽バイアグラ、金塊の密輸などにも手を染める。
(参考記事:北朝鮮外交官はなぜ金塊を密輸したのか!? 「金正日秘密資金」を追う)
(参考記事:金正恩氏の「バイアグラ資金」が盗まれている)
言うまでもなく、そのようは裏ビジネスは、摘発されるリスクが相当に高い。それに比べ、海外でのレストラン運営は完全に合法的なビジネスであり、外貨獲得の柱のひとつとなってきたのだ。
(参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発)
(参考記事:中国で失踪…北朝鮮「美人接待員」たちの素顔)
だが、今回の集団脱北は確実に、海外でのレストラン展開に対する北朝鮮機関の意欲を減退させる。実際、北朝鮮に住むデイリーNKの内部情報筋によれば、海外レストランを傘下に持つ機関の中にはすでに従業員らの撤収に動きだしているところがあるという。仮に同様の事件が起きてしまった場合、重い責任を問われることは避けられず、最悪ならば政治犯収容所に送られるか、公開処刑すら考えられるからだ。
(参考記事:北朝鮮の「公開処刑」はこうして行われる)
(参考記事:赤ん坊は犬のエサに投げ込まれた…北朝鮮「政治犯収容所」の実態)
おそらく、「脱北リスク」を恐れる風潮は、レストランの運営部門に限られないだろう。もしかしたら、これまでは「役得」が多いとされてきた外貨獲得部門から、人材が遠ざかってしまうこともあり得る。そのような現象が続くと何が起きるかといえば、北朝鮮全体での外貨獲得能力の減退である。
金正恩氏が部下の歓心を買って権力を維持するためにも、また核開発やミサイル開発を続けるためにも外貨は必要だ。仮に、今回の集団脱北がそこを狙って仕組まれたオペレーションであるとすれば、実に手際のよい仕事である。
いずれにせよ、生半可な方法で金正恩氏の暴走を止めることはできない。秘密工作であれ何であれ、使えそうな手段はすべて動員すべきなのだ。
(参考記事:徐々にわかってきた金正恩氏の「ヤバさ」の本質)
(参考記事:金正恩氏が「暴走」をやめられない本当の理由)
高英起 デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト
北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』(新潮社)『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 』(宝島社) 『北朝鮮ポップスの世界』(共著)(花伝社)がある。
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http://bylines.news.yahoo.co.jp/kohyoungki/20160413-00056536/
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