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孤立しているネオコンに従属する安倍首相は国民から軽蔑され、政策の恐ろしさが伝わっていない?
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201604030000/
2016.04.04 05:01:36 櫻井ジャーナル
日本人は確実の破滅への道を歩んでいる。これまで不公正な仕組みで富を日米の支配層へ集中させてきたが、最近は、初めから破綻が明らかな「アベノミクス」や主権を巨大資本へ贈呈するTPP(環太平洋連携協定)を推進、巨大資本を儲けさせるための戦争に戦闘員を派遣する体制を整備しつつある。アル・カイダ系の武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)、あるいはネオ・ナチの場合は傭兵であり、幾ばくかのカネを貰っているのだが、日本人の場合は無償の奉仕になるだろう。
そうした道へ日本人を導いているひとりが安倍晋三首相だが、庶民から畏怖、恐怖されているわけではなさそうだ。おそらく軽蔑されている。その程度の人間にすぎないため、恐ろしい政策を打ち出しても人びとは危機感を抱かないのかもしれない。安倍首相を操っているのであろうアメリカのネオコン/シオニストは、その辺を狙っているのだろうか?
現在、そのネオコンが置かれた環境は悪くなっている。この勢力は1970年代、ジェラルド・フォード大統領の時代に台頭、ベンヤミン・ネタニヤフのようなイスラエルの好戦派と一心同体の関係にある。
リチャード・ニクソン政権の副大統領だったスピロ・アグニューは汚職事件で失脚、それに替わってフォードは副大統領に就任、次にニクソン大統領が辞任して副大統領から大統領へ昇格、大統領になるとデタント(緊張緩和)派の粛清を実行した。いわゆる「ハロウィーンの虐殺」である。
こうした動きの背後で暗躍していたのはポール・ニッツェやアルバート・ウールステッター。このふたりが雇っていたスタッフにはポール・ウォルフォウィッツ、リチャード・パール、エドワード・ラトワク、ピーター・ウィルソンがいた。のちにネオコンと呼ばれる人びとだ。
特に人事で注目されたのはCIA長官の交代。秘密工作の一端を議会で明かしたウィリアム・コルビーが解任されてジョージ・H・W・ブッシュが就任したのだ。当時、ブッシュを「素人」と呼ぶ人もいたが、実際にはエール大学でCIAにリクルートされた可能性が高く、彼の周辺には情報機関、そして親ナチ派の人脈が張り巡らされている。また国防長官はジェームズ・シュレシンジャーからドナルド・ラムズフェルド、大統領首席補佐官はラムズフェルドからリチャード・チェイニーへ交代している。ちなみに、ウォルフォウィッツは軍備管理軍縮局にいた。
ラムズフェルドを動かしていたのは国防総省のアンドリュー・マーシャルONA室長やフリッツ・クレーマー。1992年にDPG草案として作成された世界制覇プランはマーシャルのアイデアに基づき、ウォルフォウィッツ国防次官たちが作成したと言われている。
http://www.nytimes.com/1992/03/08/world/us-strategy-plan-calls-for-insuring-no-rivals-develop.html
このDPG草案は「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。
この草案は1991年12月のソ連消滅を念頭に作成され、アメリカが「唯一の超大国」になったということが前提になっている。アメリカ支配層の横暴に逆らえる勢力は存在しないという認識だ。後は潜在的なライバル、つまり旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようというわけである。
DPG草案が作成される前年、そのウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを5年以内に殲滅すると語り、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された(9/11)直後には、ラムズフェルド国防長官の周辺でイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランを先制攻撃する計画ができあがっていた。
https://www.youtube.com/watch?v=TY2DKzastu8
これはヨーロッパ連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官だったウェズリー・クラーク大将の話だ。このクラーク元最高司令官はCNNの番組で、アメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたとも語っている。
https://www.youtube.com/watch?v=QHLqaSZPe98
ネオコンは現在でもこの世界制覇プランを放棄していないようだが、1992年当時と状況は大きく変化している。最大の変化はロシア。西側支配層の傀儡だったボリス・エリツィンが退場し、ウラジミル・プーチンが登場してからロシアは再独立したのだ。アメリカ支配層の思い通りにはならなくなったということだ。
ところが、状況の変化を受け入れられない人がいるようで、フォーリン・アフェアーズ誌(CFR/外交問題評議会が発行)の2006年3/4月号にキール・リーバーとダリル・プレスがロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できると書いている。
https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/2006-03-01/rise-us-nuclear-primacy
そして2008年8月、アメリカやイスラエルの支援を受けたジョージア(グルジア)のミヘイル・サーカシビリは南オセチアを深夜近くに奇襲攻撃、軍事侵攻した。この攻撃を立案したのはイスラエルだと推測する人もいるが、その作戦はすぐに失敗だということが判明する。ロシア軍が素早く反撃、侵攻作戦を粉砕してしまったのだ。
ネオコンのビクトリア・ヌランド国務次官補によると、アメリカ支配層はウクライナを制圧するため、1991年から50億ドルをつぎ込んだという。
https://www.youtube.com/watch?v=2y0y-JUsPTU
そして2014年2月22日、ウクライナではネオコンに操られたネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)を中心とするクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した。
選挙で合法的に選ばれた政権をクーデターで倒しわけで、言うまでもなく憲法の規定には反している。クーデター政権を拒否するのはウクライナの主権者にとって当然の権利。ヤヌコニッチの支持基盤であったウクライナの東部や南部に住む人びとはその権利を行使したのだが、それを西側の政府、メディア、そして「リベラル派」や「革新勢力」も批判していた。
ジョージアのケースが頭にあったのか、西側メディアの「報道」を見ると、ロシア軍の介入を前提にした「予定稿」を作成していたようだ。が、実際は動かず、ウクライナの住民による抵抗でネオ・ナチによる全土支配は失敗した。
それでも西側には「唯一の超大国幻想」を抱き続けている人がいたようだが、昨年9月30日に大きく戦況が変化する。シリアでロシア軍が空爆を開始、アル・カイダ系武装勢力やダーイッシュを敗走させ、政府軍の勝利は確定的な状況になってきたのだ。戦闘機や巡航ミサイルによる攻撃能力が西側の想像を遥かに超えるもので、最近は通常戦でNATOはロシア軍に勝てないと言われるようになってきた。
ネオコンの基本戦略は圧倒的な軍事力で脅せば相手は屈服するというもの。ニクソン米大統領は自分たちが望む方向へ世界を導くため、アメリカは何をしでかすかわからない国だと思わせるべきだと考え、イスラエルのモシェ・ダヤン将軍は狂犬のように行動しなければならないと語っている。ふたりとも脅せば思い通りになると思っているのだろうが、ネオコンも同じ考え方をしている可能性が高い。
しかも、ロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できると考えていた。1950年代から60年代にかけてもそうだったが、米英の支配層は戦争で圧勝できると信じたとき、先制核攻撃を目論む。その考え方が間違っていることをロシアはシリアで示した。
そこでネオコンに同調する勢力は減り始めているようだが、ネオコンは今でも1992年のウォルフォウィッツ・ドクトリンを諦めていない。ヒラリー・クリントンが大統領に選ばれれば、その計画を実行しようとするだろう。
安倍政権は同調しそうだが、世界的に見るとネオコンは孤立しはじめている。バラク・オバマ大統領もマーチン・デンプシー前統合参謀本部議長と同じ側に立ったという噂も流れている。この情報が正しいなら、「風見鶏」のオバマがデンプシーに近づいたということになり、支配層の内部でそうした動きが強まっているということを感じさせる。
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