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(回答先: 繰り返す熱狂と悲観 長期の視点で資源投資を 投稿者 あっしら 日時 2016 年 3 月 28 日 04:23:24)
トルクメン経済が急減速 天然ガス輸出に依存、資源安が打撃 独裁政権は国民の不満懸念
【アシガバート=田中孝幸】豊富な資源収入で高成長を続けてきた中央アジアのトルクメニスタンが曲がり角を迎えている。世界的な原油安と連動して主要輸出品である天然ガスの価格が下落したためで、2015年の経済成長率は5年ぶりに1桁台に減速した。現政権は日系企業などの誘致で経済活性化を目指すが、政権への全面支持の見返りとして国民に安定した生活を保障するこれまでの社会構造にも変化の兆しが出てきている。
「日本との協力を着実に実現させたい」。ベルドイムハメドフ大統領は25日、首都アシガバートの大統領宮殿を訪れた上月豊久駐トルクメン大使(駐ロシア大使兼務)に経済連携強化を呼びかけた。
人口約500万人のトルクメンは世界4位の天然ガス埋蔵量を誇る資源国。近年の資源ブームで急成長し、10年からの4年間で国内総生産(GDP)は5割程度増加した。政府は潤沢な資源収入を手厚い社会保障や公的給付に充て、1人当たりGDPでも中央アジアで2位に台頭した。
ただ、ガスに過度に依存した経済構造の改革は停滞。14年後半から進んだ資源価格下落が直撃し15年の実質経済成長率は6.7%に落ち込んだ。通貨マナトの対ドル公定レートも1年で2割以上下落。一方、インフレ率は7%で14年の4.4%から大幅に悪化した。
ソ連崩壊による独立後、北朝鮮にも比される独裁体制を敷くトルクメンにとって税収減で国民に分配する資金が減ることは政権運営の根幹に関わる問題でもある。同大統領も危機感を強めているとみられ、今年に入り経済政策担当の副首相のほか、少なくとも経済閣僚4人を更迭した。
苦境を脱しようと外資の取り込みにも躍起だ。昨年10月の安倍晋三首相の訪問時には総額180億ドル(約2兆円)以上の経済協力の推進で合意した。カカエフ副首相(石油・ガス担当)も25日、アシガバートを訪れた日本の経済人の視察団と1時間半会談し、トルクメンへの進出を訴えた。
政権内には同国産のガスの8割程度を買い上げているとされる中国への依存への懸念も根強い。同大統領は16日、パキスタンでシャリフ首相と会談。アフガニスタン経由でパキスタン・インドに向かうガスパイプラインの建設推進で一致した。
とはいえこうした取り組みは即効性に乏しい。ニヤゾフ前大統領時代に反体制派は国内からほぼ一掃され、今のところ政治情勢は安定している。ただ、地方部では給料の遅配や建設事業の延期に加え、市民と治安部隊の衝突も起きているとの情報もある。
市民への給付が削られる一方、エネルギー産業を中心に腐敗が横行、貧富の差は広がっている。非政府組織トランスペアレンシー・インターナショナルがまとめた15年の世界の腐敗認識指数ランキングではトルクメンは168の国・地域中で154位だった。政権は高度産業の育成を掲げるがアシガバート郊外に住む失業中の20代男性は「コネが全ての社会で近代化が実現するはずがない」と声をひそめて語った。
[日経新聞3月27日朝刊P.7]
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