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遺伝子編集でアルビノのトカゲ作製、米大学チーム(IT ・Ai/ 科学技術 / 自然)
https://gansokaiketu-jp.com/kaiw-forum2/It-Ai--KagakuGijyutu--Shizen/idenshi-sousa/wforum.cgi?mode=read&no=1&reno=no&oya=1&page=0#1
参照先 : https://www.jiji.com/jc/article?k=20190829039053a&g=afp
【ワシントンAFP=時事】「クリスパー」と呼ばれる強力な遺伝子編集技術は近年、マウス、植物、人間などで飛躍的な進展をもたらしているが、この技術を爬虫(はちゅう)類で機能させることは、生殖様式の決定的な違いから非常に難しいとされてきた。
写真は遺伝子編集技術によって作製されたアルビノ(先天性色素欠乏症)のアノールトカゲを指に載せる論文の第一筆者、アシュリー・ラーシス氏
https://gansokaiketu-jp.com/Gazou/First-author-AshleyLasis.jpg
しかし、米ジョージア大学の研究チームは今回、この困難を克服して、アルビノ(先天性色素欠乏症)のアノールトカゲを作製することに成功した。この成果について研究チームは、色素欠乏症における視力の問題を理解する助けになるとの見方を示している。
27日の医学誌「セル・プレス」に掲載された論文の共同執筆者であるダグ・メンケ氏は、「トカゲのゲノム(全遺伝情報)を改変して遺伝子を操作する方法をしばらく模索してきたが、われわれは主要モデル系における遺伝子編集のやり方に固執してしまっていた」と話す。
主要モデル系とは、マウスやミバエ、ゼブラフィッシュなどのように実験室で広く研究対象とされる生物のことを指す。
クリスパー遺伝子編集技術は通常、受精したばかりの卵や接合子に対して実行されるが、産卵する動物にこれを適用するのは難しい。精子が雌の卵管の中に長期間貯蔵されるため、受精のタイミングを把握することが困難であることもその理由の一つだ。
だが、卵巣を覆う膜が透明なため、次にどの卵が受精するかを確認できることに気付いたメンケ氏と研究チームは、受精が起こる直前の卵にクリスパー試薬を注入。その結果、遺伝子編集は正しく機能したばかりか、驚いたことに、研究チームが予測していた母系のDNAだけではなくて、母系と父系の両方のDNAに作用した。
だが、研究チームはなぜアノールトカゲをアルビノにすることを選んだのか。
これについてメンケ氏はまず、アルビニズムと関係のあるチロシナーゼ遺伝子の不活性化がトカゲにとって致命的ではないことを挙げた。
■もう一つの理由は「中心窩」
二つ目の理由は、色素欠乏症では視力に問題があることが多く、チロシナーゼ遺伝子が網膜の発達にどのような影響を及ぼすかを調べるモデルとして、人差し指ほどの大きさのアノールトカゲを研究者らが利用できることだ。
「人や他の霊長類の目には中心窩(ちゅうしんか)と呼ばれる特徴がある。網膜にあるくぼみのような構造の中心窩は、高度に鋭敏な視力にとって極めて重要な役割を果たす。主要モデル系にはこの中心窩がないが、アノールトカゲにはある。実際にアノールトカゲは、昆虫を捕食するために鋭敏な視力に依存している」とメンケ氏は述べる。
研究チームによると、この技術は鳥類にも適用できる可能性があるという。鳥類を対象とする遺伝子編集は過去にも実施されたが、そこではより複雑なプロセスが用いられた。
「CRISPR─Cas9(クリスパー・キャスナイン)」の正式名称でも知られるクリスパーは10年以上前に登場して以来、マウスの遺伝性難聴の重症度の軽減から、賛否両論を呼んだエイズウイルス(HIV)に耐性を持つ新生児の誕生まで、革新的な変化の可能性を秘めた応用が数多く行われてきた。
今回の研究についてメンケ氏は、クリスパーを適用できる動物の範囲を広げることは不可欠だと主張する。「遺伝子編集を実行するための方法が確立できれば、それぞれの動物種から学べることがあるのは疑いのないことだろう」【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2019/08/29-08:27)
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