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前立腺がんの最新治療の注意点は
前立腺がんを凍らせて死滅させる「凍結治療」は温度に注意
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161217-00000001-pseven-life
週刊ポスト2016年12月23日号
前立腺がんは、進行がゆっくりしており、5年後に命に関わるものは全体の約3分の1で、それ以外は15年後に命に関わるかどうかなので、焦って治療することはないといわれる。治療法は前立腺の全摘手術、放射線治療、ホルモン治療と多岐にわたり、年齢や進行度により選択する。
早期から転移のない進行がんを含む約90%が治療により治り、残りの10%のうち5%は判定保留だが、命が脅かされるものではなく、残りの5%が再発と転移を起こすと推計される。ただし、放射線治療後に再発するとホルモン治療しか選択肢がないため、新しい治療として注目されているのが凍結治療だ。
東京慈恵会医科大学附属病院泌尿器科の三木健太医師に話を聞いた。
「凍結治療は、腎がんに対して2000年から実施され、私もそれに関わっていました。外から前立腺がんに対して針を刺し、ガスを注入してがん細胞を凍らせて死滅させます。海外ではすでに前立腺がんに対する凍結治療が行なわれていたので、昨年から臨床研究として5例に実施しました」
臨床試験に参加したのは、放射線治療後に局所再発した50歳から85歳未満のホルモン治療をやっていない5人の患者だ。海外の研究では、前立腺全部を凍結させると合併症リスクが高いとの報告があり、局所再発がんに絞っている。5人の内訳は小線源治療が2人、放射線外部照射と小線源併用が1人、重粒子線と陽子線治療が各1人だ。
治療は全身麻酔で行なわれる。経直腸超音波を見ながら前立腺がんに向けて、20センチほどの針を3〜4本刺し、アルゴンガスを注入する。マイナス20℃でがん細胞が破壊されるため、氷の大きさを確認しながら実施する。凍結により、細胞内外の浸透圧が変化し、一層破壊が進み細胞が死滅する。1回の凍結では破壊の程度が弱く、急速凍結後にヘリウムガスで急速解凍、再度急速凍結を3回繰り返す。
「前立腺の近くには、直腸と尿道があり、これらを凍らせると合併症のリスクがあります。そこで直腸近くに温度センサーの針を刺し、温度が下がりすぎないように監視しながら凍結します。また、尿道にはカテーテルを挿入し、常に温水を還流させて凍らないように確認しながら治療するのが重要です」(三木医師)
治療効果は、前立腺腫瘍マーカーのPSA値の変化で判定する。臨床試験後1年経過した5人のPSA値は、ほぼゼロに近いところまで低下し、排尿に関する指標も悪化していない。男性機能に関しては、若干の低下がみられた。
近々、放射線治療後の再発がんに関する凍結治療の自費での診療が開始される。また、初期の小さいがんは現在、経過観察か全摘手術、あるいは放射線治療しか治療の選択肢がない。それらに対する新しい治療としても、導入が期待されている。
■取材・構成/岩城レイ子
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