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事件のあった大口病院(C)日刊ゲンダイ
横浜点滴殺人 トラブル続出だった大口病院の“隠蔽体質”
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/190527
2016年9月27日 日刊ゲンダイ
横浜市の大口病院で八巻信雄さん(88)が界面活性剤の混入した点滴で中毒死した事件。数々の院内トラブルが浮上するなどミステリー含みの展開になっており、ガ然、気になるのが同病院をめぐるウワサだ。
特定医療法人財団「慈啓会」が1954年に設立し、地元では長らく人気の病院だったが、84年に同じ慈啓会系の「大口東総合病院」が開設されてから患者が減ったという。
「駅の反対側にある東総合病院に食われて、廃れてしまったのです。今では患者の中心は症状の重い老人で、八巻さんが亡くなった4階は寝たきりの人が多い。死亡する人が多いため、地元では“あの病院に入ったら死ぬ”なんて冗談も聞かれるほど。そのため職員のモチベーションが低いとの声も聞かれます」(地元商店関係者)
八巻さんに投与された点滴は3連休初日にあたる17日午前、厳重に施錠保管されていた1階の薬剤部から、誰でも触れられる状態の4階ナースステーションに運び込まれたという。捜査本部は、八巻さんの点滴が最後に交換された19日午後10時ごろまでの3日間に、何者かが界面活性剤を混入した可能性があるとみている。
「病院側の危機意識が低かったのも気になります」とは地元のジャーナリストだ。
「4階では18日から八巻さんとは別に3人の老人が死亡した。そのうち20日に死亡した90代の女性は点滴を受けなかったものの、18日に死亡した80代の男性2人は点滴を受けていた。もしこの2人が異物混入で亡くなっていた場合、詳しい死因を調べればもっと早く事件に気づいたはず。病院の対応が遅すぎたかもしれません」
「病院の隠蔽体質が原因」との批判もある。すでに報じられているとおり、同病院では4月に看護師のエプロンが切り裂かれ、6月に患者のカルテが抜き取られた。8月には看護師が飲もうとしたペットボトルに漂白剤らしきものが混入されていた。
その一方で、7月上旬、横浜市に「看護師のエプロンが切り裂かれた事件があった」、8月中旬に「12日、病院スタッフの飲み物に漂白剤と思われるものが混入し、飲んでしまって唇がただれた」とのメールが送信された。発信者は同一人物だ。
これとは別に8月12日、「FUSHICHOU」を名乗る人物がツイッターに同じ内容の書き込みをしている。
「これだけ不審なことが起き、第三者がメールやツイッターで訴えていたのに、病院は一連のトラブルを警察に通報しなかったのです。もともと死亡する人が多いうえに、病院が事実を隠蔽しているため、犯人が“少々のことをしても捕まらない”と増長して殺人にエスカレートしたのではないか」(前出のジャーナリスト)
もっと早く警察沙汰にしていれば、八巻さんの死を防ぐことができたかもしれない。
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